ニチレイグループサプライヤーガイドライン

ニチレイグループサプライヤーガイドラインPDF(容量461KB)

本ガイドラインは、「ニチレイグループサプライヤー行動規範」を遵守していただくための解説および参考情報を提供するガイドラインです。サプライヤーであるお取引先様におかれましては、このガイドライン等を参考に行動規範遵守への取り組みを推進していただくようお願いいたします。

サプライヤーであるお取引先様とは、ニチレイグループが原材料や商製品を調達する仕入先、製造を委託するOEM先、運送や荷役などの物流サービスを委託する協力会社等を指します。

法令遵守・倫理的行動

法令遵守

  • 適用される国、地域の法令・ルール等を遵守し、国際行動規範を尊重すること。

(解説)

近年、環境や人権、贈収賄に関わる様々な法規制や政策が各国で制定・導入されています。企業は、これらを理解し、遵守する必要があります。一部の法規制は自国だけでなく、域外にも適用される場合もあります。そのため、遵守義務のある法令、条例等の把握につとめ、確実な遵守が必要です。

国際行動規範とは、国際慣習法、一般に受け入れられている国際法の原則、または普遍的もしくはほぼ普遍的に認められている政府間合意(条約および協定を含む)から導かれる社会的に責任ある組織の行動に対する期待を指します。例えば、国連における「ビジネスと人権に関する指導原則」や「SDGs(持続可能な開発目標)」、OECDによる「多国籍企業行動指針」、ILOの「多国籍企業宣言」などが該当します。こうした規範は必ずしも遵守が求められるものではありませんが、尊重し、対応が望まれます。特にガバナンスが脆弱な国においては、法令遵守では不十分な場合があり、国際行動規範に基づく取り組みが重要とされています。

贈収賄および腐敗的行為の禁止

  • あらゆる形式の贈収賄、汚職、恐喝および横領を含む腐敗行為は行わないこと。

(解説)

「腐敗」とは、物品またはサービスに対し違法または不適切な支払いを行ったり受けたり、私的利益のために贈収賄、汚職、恐喝、横領などの不正行為を働くことを指します。例としては、必要な政府承認を得るために政府の役人に対して支払う「便宜料」や、受注を獲得するために顧客に支払う「キックバック」などがあります。ビジネスを獲得したり、不適切な利益を取得するため、直接的あるいは間接的に価値のあるものを与えたり、受け取ること、またその約束、申し出を含めて禁止されます。

事業遂行上、円滑な関係構築のために必要とされる交際まで禁止するものではありませんが、節度を持って実施することが大切です。属人的な享受、惰性的な継続にならないよう、厳密な会計処理を行い、内容を記録しておくなど透明性を高めておく必要があります。

継続的な遵守には、方針を策定することだけではなく、従業員に適切な教育・研修を実施し、その方針を継続して徹底する必要があります。

反競争的行為

  • 関連法令を遵守し、談合等の反競争的な行為は行わないこと。

(解説)

適用されるすべての独占禁止法令に準拠し、公正かつ活発な競争に基づいた事業を実施してください。違反した場合、巨額の罰金等が課されることもあります。継続的な遵守には、方針を策定することだけではなく、従業員に適切な教育・研修を実施し、その方針を継続して徹底する必要があります。

反社会的勢力の遮断

  • 反社会的勢力との取引は一切行わないこと。

(解説)

反社会的勢力とは、暴力団、暴力団員、暴力団準構成員、暴力団関係企業、総会屋等、社会運動等標ぼうゴロまたは特殊知能暴力集団等、その他これらに準ずる者のことを指します。

人権・労働

職業選択の自由

  • 従業員の自由な意思を尊重し、強制労働、奴隷労働、人身取引、債務労働または強要された囚人労働を使用しないこと。

(解説)

「職業の自由な選択」とは、労働者が自発的に、いかなる懲罰の脅しも受けることなく働くことです。 債務による拘束や、移動の自由の制限を含め、強制労働に加担してはいけません。

強制労働とは、本人の自由意思に反して行う(非自発的)労働を指し、以下のようなものが該当します。

  • 外国人労働者の雇用契約書が母国語あるいは理解可能な言語ではない。
  • 雇用・労働条件が書面で正しく説明されていない。
  • 外部からのアクセスやコミュニケーションが難しい場所で労働させている。
  • 給与の一部を雇用者が強制的に保管・貯蓄する。
  • 労働者が高額の採用手数料を支払うために借金をしている。
  • 法定または労使協定以上の残業をさせている。
  • 安全衛生・情報セキュリティなどの理由なく移動を制限する。
  • パスポートなど身分証明書の原本を雇用者が保持している。

近年、特に外国人労働者を含む移民労働者の強制労働が数多く報告されています。我が国においては、特に外国人技能実習生の雇用で数多くの問題が指摘されています。日本の外国人技能実習制度を通じて、海外からの労働者を雇用する際には、雇用主として、適切な就労内容や労働・生活環境を確保するほか、斡旋の実態等についても適切に把握し、弱い立場に置かれた外国人技能実習生の人権の尊重に対し、最大限に配慮する必要があります。

児童労働と若年者労働

  • 最低就業年齢に満たない児童を労働に携わらせないこと。また、18歳未満の若年者の雇用は、危険を伴わない業務のみの従事とすること。

(解説)

最低就業年齢とは、ILO第138号条約(1973年)では、雇用または就業の最低年齢が義務教育を修了する年齢を下回ってはならず、いかなる場合にも15歳を下回らないよう定められています。

また労働の種類によっても就業可能な年齢は異なります。危険有害な業務については、すべての国が18歳を最低就業年齢としなければなりません。

危険な業務とは、例えば以下のようなものが該当します。

  • 坑内、水中、危険な高所または限られた空間で行われる業務
  • 危険な機械、設備及び工具を用いる業務または重量物の手動による取扱い若しくは運搬を伴う業務
  • 不健康な環境で行われる業務(温度、騒音水準、若しくは振動にさらすようなもの)
  • 長時間の業務、夜間の業務、不当に使用者の敷地に拘束される業務

義務教育を課される日本国民には発生しないと考えられますが、外国人の児童、海外等で児童労働を回避するには、例えば、出生日が確認できる書類(戸籍抄本、IDカード、運転免許証、卒業証明書など)を確認しそのコピーを保管します。

差別

  • 人種、肌の色、出身国及び地域、年齢、性別、性自認及び性的指向、障がいの有無、妊娠の有無、民族、宗教、政治的見解、組合参加、家庭環境、配偶者の有無などによる差別を行わないこと。

(解説)

賃金、昇進、報酬、教育、採用や雇用慣行において差別につながる可能性のある行為があってはなりません。健康診断や妊娠検査が機会均等または処遇における公平を損なう場合には差別的行為となりますので注意が必要です。すべての従業員が、差別なく同一業務に対しては 同一賃金を受け取っている必要があります。

結社の自由および団体交渉権

  • すべての従業員の組合の結成、加入、団体交渉を行う権利を尊重すること。

(解説)

従業員は、労働組合、労働協会および労働評議会・委員会を結成し、それに参加することが許されることを意味します。労使間で良好な双方向のコミュニケーションを可能にすることがその目的です。

「団体交渉」とは、雇用主と労働組合代表者が労働条件、残業、苦情処理手続きおよび職場の問題に関する従業員の関与に関して合意に至るための手段です。

労働者、または彼らの代表者は差別、報復、脅迫、あるいはハラスメントを恐れることなく、組合結成や参加の活動を実施、また、労働条件および経営慣行に関する意見および懸念について、経営陣と公に意思疎通を図る団体交渉ができることが必要です。

ハラスメント及び懲罰

  • ハラスメントや虐待など非人道的な扱いを行わないこと。

(解説)

「非人道的扱い」とは、身体的・精神的な虐待や嫌がらせ(セクシャルハラスメントやパワーハラスメントを含む)などを指します。ハラスメントとは、いやがらせやいじめにより、受け手が不快になることを指します。具体的には、性的嫌がらせ、性的虐待、体罰、精神的・肉体的な抑圧、言葉による虐待などが挙げられます。いわゆる、セクハラ、パワハラ、マタハラなどもハラスメントに該当します。

個人の尊厳を傷つけるこうした扱いは、従業員だけでなく、お取引先や顧客企業との関係においても禁止します。

労働時間

  • 法令で定められている労働時間を超えないこと。また、1週間に最低1日の休日を付与すること。

(解説)

過度な長時間労働は、労働者の健康、精神状態を害するのみならず、業務の効率低下や不注意による事故等の原因となるため適切な管理が必要です。

各国法令に基づき、労働時間、休日、休憩の付与を適切に行います。また、国際的な基準も考慮します。

適切な管理とは、以下を指します。

  • 年間所定労働日数が法定限度を超えないこと
  • 超過勤務時間を含めた1週間当たりの労働時間(ただし、災害その他の避けることのできない緊急時、非常時を除く)が法定限度を超えないこと
  • 法令に定められた年次有給休暇、産前産後休暇、育児休暇の権利を与えること
  • 法令に定められた休憩時間を与えること
  • 労働者の健康を守るために身体的並びに精神的な健康診断を行うこと
    長距離のトラック運転手については、適切な運行管理、健康チェック等を通じ、過度な労働時間にならないよう、細心の注意が必要です。

賃金

  • 最低賃金、時間外賃金、法定給付、福利厚生などの法的要件を満たした適切な賃金、手当の支払いを行うこと。また、懲戒を理由とした不当な賃金減額を行わないこと。

(解説)

賃金は、従業員の基本的な生活の必要を満たし、その上でいくらかの可処分所得が残る額でなければなりません。法定最低賃金または事業を行う国・地域の業界標準額が従業員の基本的なニーズを満たしていない場合、雇用主は生活賃金を支払うよう努める必要があります。

また、時間外労働に関する報酬は、当該地域の法規に従い、通常の時給より高い賃率で労働者に支払う必要があります。報酬の支払いの際には、その支払内容が適正であることを確認できる情報が記載された給与明細書も併せて提供が必要です。

不当な賃金控除は、賃金の未払いとみなされることがあります。例えば、制服代、業務に必要な個人保護具代、制服のクリーニング代などが該当します。ただし、遅刻や欠勤などを理由とする、働いていない時間に相当する不払いは含まれません。

労働法制や就業規定に定めがなく、労使間の協定や本人の同意が無い懲罰としての賃金減額も許されません。

安全衛生

従業員の安全

  • 職場および会社が提供する住居において、労働者の安全に関わる化学的、生物学的、物理的な潜在的危険源を特定評価し、安全対策を講じること。

(解説)

職場における危険を、発生の可能性も含めて特定し、労働者に対する安全対策を実施することが必要です。職場における危険の例としては、機械設備、化学物質、電気その他のエネルギー源への人体の接触、火災、車両事故、および落下などがあります。

安全対策には、例えば以下が該当します。これらを仕組みとして進めることが必要です。

  • 発生の可能性を含めた危険の特定と評価
  • 危険の排除と予防保全を考慮した、適切な作業現場の設計
  • 安全のための啓発活動(個人保護具の取り扱いを含む)

妊娠中の女性および授乳期間中の母親に対しては、特別な配慮が必要です。

特に、低温の倉庫内や高温多湿の工場内での作業、長時間にわたる車両の運転、有害化学物質や微生物・ウイルス、放射線等の取り扱いなど、特殊な作業ではさらに厳重な安全対策が求められます。化学的・生物学的プロセスから生じるリスクに関しては、化学的または生物学的物質の破局的な放出を予防するか、またはこれに対処するための管理プロセスを整備することが必要です。

緊急時対応

  • 職場および会社が提供する住居における緊急事態や非常事態に備えた対策を講じ、定期的に防災訓練を実施すること。

(解説)

すべての企業は火災その他の緊急事態に備えて準備しなければなりません。労働者の生命と安全、そして企業の資産を守るには、緊急事態を想定して、その発生以前に準備を整えておかなければなりません。

緊急時対応とは、例えば、緊急時の報告、労働者への通知、避難方法の明確化、避難施設の設置、分かり易く障害物のない出口、適切な退出設備、緊急医療品の備蓄、火災検知システムの設置、消火器・防火扉・スプリンクラーの設置、外部通信手段の確保、復旧計画の整備などを指します。職場のみならず、従業員の寮などにも手当が必要です。

従業員への周知徹底も必要です。これには、例えば、緊急対応教育(避難訓練を含む)の実施や、緊急時の対応手順書などの職場内で容易に手の届く場所への保管・掲示が挙げられます。

装置、設備、車両の安全

  • 生産機械、車両等の設備・装置は定期的に検査を実施し、安全対策を行うこと。

(解説)

ほとんどの職場では何らかの機械装置、用具または車両を使用しています。 従業員の安全衛生のためには、こうした装置の安全な設計・整備・使用が不可欠です。使用しているのが比較的簡単な機械でも複雑な機械でも、あるいはフォークリフトやトラックなどの車両でも、装置オペレーター、運転手やその他の従業員を傷害から守るため、あらゆる予防措置を講じる必要があります。

安全対策とは、就業中に発生する事故や健康障害の防止のための管理を指し、例えば、機械装置の場合、フェイルセーフ、フールプルーフ、インターロック、タグアウトなどと呼ばれる安全機構の採用、安全装置や防護壁などの設置、機械装置の定期的な検査と保全の実施などが挙げられます。

身体作業

  • 人力による重量物持ち上げ、長時間の立ち作業、極度に反復の多い作業など、の身体に負荷のかかる作業などに対する安全対策を講じること。

(解説)

身体作業には、手作業による原材料の取り扱い、手動での重量物運搬作業などの重労働のほかにも、力の必要な組み立て作業やデータ入力などの長時間にわたる反復作業・連続作業、長時間の不自然な姿勢による作業などが含まれます。こうした行為により、身体的負荷に起因する怪我や障害を起こす恐れがあるため安全対策が重要になります。例えば、人間工学にもとづく作業環境の整備、定期的な小休止、作業補助具や装置の提供、複数作業者での分担や協力などが挙げられます。

衛生

  • 職場および会社が提供する住居において、清潔なトイレ施設、飲料水の利用、および衛生的な食事のための施設を提供すること。

(解説)

従業員の健康を守り、労働環境や生活環境を十分清潔に保つことは、健全な企業活動において、とても重要です。衛生の確保としては、施設の清潔・衛生を保つととともに、以下のような点に留意する必要があります。

  • 飲料水;法規制に準拠した水質検査、安全な飲料水(ウォーターサーバーなど)の提供
  • 衛生的な食事の提供;調理人の服装・健康診断、害虫駆除、食品の適温管理、食堂事業の認定証など
  • トイレ;人数に対する十分な数の清潔なトイレ施設、トイレットペーパーの提供など
  • 寮;火災対策、緊急避難路(出口)、個人所持品の安全な保管施設(鍵付きロッカーの提供)、居室の十分な広さ(目安は1人当たり3.3㎡以上)、換気、温度管理、適切な照明など

健康管理

  • 従業員の健康維持に配慮し、適切な健康管理を行うこと。

(解説)

従業員の健康を保護することは、従業員の健康および福祉だけでなく、健全な企業活動にもつながります。従業員が、職場や地域社会で良質な医療を受けられるようにするほか、健康増進プログラム等を通じて健康的な生活習慣を奨励するなどの取り組みを行います。

適切な健康管理とは、少なくとも法令に定める水準において健康診断などを実施し、従業員の疾病の予防と早期発見を図ることを指します。さらに過重労働による健康障害の防止やメンタルヘルスなどのケアについても十分に配慮していく必要があります。

コミュニケーション

  • 従業員の母国語または理解できる言語で、必要な安全衛生関連の情報を共有・伝達・教育すること。

(解説)

労働者が曝露することになるあらゆる特定される職場の危険(機械、電気、化学、火災、および物理的危険など)について、適切な職場の安全衛生情報と教育・訓練を提供する必要があります。監督者および管理職者は 従業員の安全衛生に対して責任があることから、職場における危険要因を特定し是正する方法を知る必要があります。またそれ以外の従業員は、少なくとも業務における安全衛生リスクと、安全に業務を行うための予防措置について理解する必要があります。

安全衛生関連の情報は、施設内に明確に掲載されるか、労働者が特定、アクセスできる場所に掲示されるものとします。また、外国人労働者がいる場合、労働者の理解できる言語で提供する必要があります。

教育・訓練は、作業の開始前にすべての労働者に、それ以降は定期的に提供する必要があります。特に、放射線、医薬品、医薬品中間体、試薬、微生物・ウイルス、劇物等危険物の扱いがある場合は、十分な安全情報の提供と教育・訓練が望まれます。

環境

気候変動

  • 温室効果ガスの排出削減目標を設定し、省エネルギー化や再生可能エネルギー利用を促進することで温室効果ガスの排出削減に努めること。

(解説)

気候変動対策は、現在人類が直面する最重要な課題の一つです。温室効果ガスには様々なものがありますが、特に二酸化炭素、メタン、亜酸化窒素、HFC、PFC、SF6の6種類の物質群を指します。

温室効果ガスの削減を実行するためには、自主的な削減目標を設定し、計画を立案し、確実に実行することが必要です。

温室効果ガスの排出削減を行う施策には、例えば以下のような施策が考えられます。

  • 操業に関わるエネルギーの効率的な利用
  • 風力、水力、太陽光などの再生可能エネルギーの活用
  • 低燃費車、電気自動車、燃料電池車などの利用
  • 積載率の向上による効率化や、鉄道、海運などの利用によるモーダルシフト
  • 温暖化係数の低い冷媒への代替

  • 事業プロセスにおいて水の使用量の削減に努め、汚染水の環境への排出を防止すること。

(解説)

水は、工場、農地、事務所、食品加工施設など種類を問わず、ほとんどすべてのビジネスにとって不可欠です。責任ある水使用とは、可能な限り水の使用量を限定し、水使用が環境に与える影響を最小限に抑え、また排水を適切に管理することを意味します。特に水リスクの高い地域では、水の利用に対して十分な注意が必要です。

また、地域や環境に悪影響を与えないため、排水に含まれる汚染物質等を継続的に監視する必要があります。工場災害や天災などで上水や下水の漏洩や流出を止めるための遮断弁や止水栓を指し、漏洩やオーバーフローした場合に備えた雨水枡・汚水桝等の設置などを含めた緊急事態対応設備も必要です。

廃棄物

  • 原材料の効率的な利用を進め、廃棄物の削減、適正処分を行うこと。

(解説)

「廃棄物」とは、会社の事業から出る副産物、未使用材料またはごみを意味します。廃棄物は法令に基づき適切に処理される必要があります。特に近年は食品ロスの問題が世間の注目を集めており、適切に対応することが必須となっています。

廃棄物の再利用、削減および再生を含む適切な廃棄物管理プログラムにより、環境に対する影響を軽減し、企業の負担コストを下げることもできます。

また、医療関連の廃棄物に関しては、感染性廃棄物処理など厳重な対策が求められます。

大気への排出の管理

  • オゾン層破壊物質・大気汚染物質等の排出削減に努めること。

(解説)

大気への排出とは、排気筒、車両排気ガス、発電機および施設の通気口などの排出源から大気に放出されるガス、蒸気、微粒子(ダスト)のことです。これらの排出物質は大気汚染を引き起こし、環境および従業員や地域住民の健康に影響を与える可能性があります。

また、オゾン層破壊物質や揮発性有機化合物などの大気中への放出の可能性もあります。これらの物質は、排出に先立ち、内容の分析と監視を行い、その結果に基づいて必要な管理や処置を施した後に排出します。対策には、排出する物質の取扱い方法や処理装置の性能の定期的な点検も含まれます。

化学物質の管理

  • 適切な管理を実施し、使用量削減、有害性の低い物質への代替および漏洩の防止等に努めること。

(解説)

化学物質は、環境や人体へ悪影響を与える可能性があります。そのため、その特性に応じて適切に管理、使用される必要があります。例えば、国内では、化審法、毒劇法、安全衛生法、消防法、PRTR法に基づいて管理する必要があります。化学物質の適切な管理には、SDS(安全データシート)の適切な管理や化学物質の表示、保護具の使用、漏洩時の手順なども含みます。

地域社会への配慮

  • 周辺地域住民に配慮し、事業に起因する騒音、振動、臭いなどを低減すること。

(解説)

工場の操業や車両の運行は、騒音、振動、悪臭など地域住民の生活環境に悪影響を与える可能性があります。こうした課題に対し、設備の導入や運用の変更を通じて適切に管理を行うことが必要です。特に早朝、夜間の操業や車両の運行には十分な注意が必要です。

また、地域住民と定期的な対話を行うことで、問題の把握や相互理解を深めることも重要です。

生物多様性

  • 生物多様性や自然環境の保全に取り組むこと。

(解説)

生物多様性とは、地球上の生態系、種、遺伝子の多様さを意味します。これは、自然生態系の健全性を測る尺度でもあります。多くの企業は直接または間接的に天然資源に依存して事業を維持しているため、生物多様性を維持、保全することは重要です。

具体的には、新たな工場等の進出や操業に関わる地域において、環境アセスメントを実施し、自然環境や生物多様性に悪影響を与えないことが必要になります。

動物福祉

  • 動物福祉への配慮を行うこと。

(解説)

動物福祉とは、人間が動物に対して与える痛みやストレスといった苦痛を最小限に抑えるなどの活動により動物の心理学的幸福を実現する考えのことを意味し、以下の5つの自由の原則が世界的に認知されており、欧米では法制化も進んでいます。

  • 飢えおよび渇きからの自由(給餌・給水の確保)
  • 不快からの自由(適切な飼育環境の供給)
  • 苦痛、損傷、疾病からの自由(予防・診断・治療の適用)
  • 正常な行動発現の自由(適切な空間、刺激、仲間の存在)
  • 恐怖および苦悩からの自由(適切な取扱い)

こうした原則に基づき、家畜動物に対しては、飼育方法、屠殺方法などでの配慮が求められます。また、近年は家畜のみならず、十脚甲殻類(エビなど)や頭足動物(イカなど)もその対象とすべきと考えられています。

実験動物に対しては、生命科学試験では動物を使用しない方法に置き換え(Replacement)、利用する動物の数を減らし(Reduction)、動物に与える苦痛を少なくする(Refinement)という「3Rの原則」が促進されています。また、科学的に有効で規制当局が容認する場合は、代替手段を採用することが望まれます。

原材料調達

  • 原材料のトレーサビリティを確保し、資源の保全、環境、動物福祉に配慮した調達を行うこと。

(解説)

農産物、水産物、畜産物など原材料の採取や生産は、森林破壊、環境汚染、資源枯渇などの原因となる可能性があります。そのため、その原材料がどこから来ているのかトレーサビリティを把握し、環境に対する悪影響を及ぼしていないかを確認する必要があります。

こうした持続可能な原材料調達のためには、認証制度を活用することで一定のレベルの持続可能性を確保することができます。 例えば、以下のような認証が幅広く知られています。

マネジメント

管理体制の構築

  • 「ニチレイグループサプライヤー行動規範」および本ガイドラインを遵守するための適切な社内管理体制を構築し、管理システムを運用すること。

(解説)

上記の各項目の課題を実現するためには適切な管理システムが必要です。

管理システムとは、方針に基づき、実施体制、是正処置、ステークホルダー・エンゲージメントについて、いわゆるPDCA(Plan-Do-Check-Action)を通じ、継続的な改善をはかる仕組みを構築することです。これは、必ずしも認証取得を目的とするものではありません。また、管理システムには、以下の要素を含みます。

  • 企業のコミットメント(方針)
  • 経営者の説明責任と責任
  • 法的要件および顧客要求
  • リスクの特定とリスク管理
  • 改善の目標
  • 教育・訓練
  • コミュニケーション
  • 労働者のフィードバック、参加、苦情申し立て
  • 特定されたリスクの評価と監査
  • 是正措置プロセス
  • 文書化と記録など

こうした管理システムを構築するためには、以下のような認証を利用することも 有益です。

  • 安全衛生マネジメントシステム: ISO 45001 など
  • 環境マネジメントシステム:ISO 14001など
  • 品質マネジメントシステム:ISO 9000、ISO13485など
  • 食品安全マネジメントシステム:ISO22000、FSSC22000など
  • 情報セキュリティ:ISO/IEC 27001 など
  • 事業継続計画:ISO22301 など

操業許可

  • 操業に必要な許可、認可、届出等を適切に維持・実施すること。

(解説)

事業内容等に応じて、法令等で定められた許認可、届出等を適切に行う必要があります。

例えば、日本の場合、法令などで定められた、一定の資格を取得した管理者の設置義務として、廃棄物処理法(特別管理産業廃棄物管理責任者)、省エネ法(一定レベル以上のエネルギーを使用する工場におけるエネルギー管理士)、大気汚染防止法(化学物質、粉塵、煤塵を排出する工場における公害防止管理者)などが挙げられます。

また、事業に用いる化学物質により、毒物・劇物管理、特定化学物質管理、危険物管理などの責任者を設置する義務が発生します。事業内容や工場立地により、環境影響評価、危険物取扱施設などに関する行政の許認可が必要な場合もあります。

事業内容や分野に応じて様々な許認可や届出が必要となる場合があるため、必要な条件を把握し、適切な対応を取ることが必要です。

品質管理

  • 商品・サービスの品質を確保し、安全性を確実なものとすること。

(解説)

商品・サービスの安全性・品質・正確な情報は、サプライチェーンを通じて、顧客のみならず様々なステークホルダーに甚大な影響を与える可能性があります。

ISO9001、ISO22000などのマネジメントシステムが、広く用いられています。

万が一、商品等に不具合が発生した場合は、被害を最小限に止めるために、関係者への報告、生産の一時停止、商品の回収、是正措置の導入など、迅速な対応が求められます。

情報管理

  • 知的財産等を含む他社の内部情報、並びに関係者の個人情報を適切に管理し保護すること。

(解説)

近年の高度情報通信社会の進展に伴い、情報管理がますます重要になってきています。機密情報や個人情報漏洩などの情報管理不備は、自社や顧客のみならずサプライチェーンを含む様々なステークホルダーに甚大な影響を与える可能性があります。

機密漏洩の防止策や個人情報保護のみならず、近年は、身代金目当てとしたサイバー攻撃に対するサイバーセキュリティが極めて重要になっています。

地域・コミュニティとの共生

  • 社会の一員として地域・コミュニティとの共生に取り組むこと。

(解説)

地域社会との共生を図ることは、安定的な事業活動を実施するためにも非常に重要です。そのため、地域社会との定期的な対話を行い、様々な形で地域社会の発展に向けた取り組みを行っていくことが重要です。

地域社会での社会貢献活動や従業員のボランティア活動。社会課題の解決に向けたNPOや行政との協働。寄付、災害時の支援などの取り組みが推奨されます。

事業継続

  • 供給責任を果たすため、事業継続計画を策定し、大規模自然災害などへの備えを確実なものとすること。

(解説)

事業継続を阻害するリスクには、大規模自然災害(例:地震、津波、洪水、豪雨、豪雪、竜巻)およびそれに伴う停電・断水・交通障害など、事故(例:火災、爆発)、広域伝染病・感染症などの疾病蔓延、テロ・暴動などが挙げられます。

必要な事前対策には、想定される被害をどのように生産拠点の個々の要素を防御・軽減・復旧するかという現地復旧戦略が必要です。被害によるダメージからの復旧が長期化することを想定した代替手段の確保に努めることも重要です。

実際に事業が停止した際に、事業を早期に復旧するためのマニュアルを策定し、実際の災害などに対応できるよう、従業員に継続的な教育・訓練を提供する必要があります。

苦情処理メカニズム

  • 「ニチレイグループサプライヤー行動規範」および本ガイドラインに反する行為について、ステークホルダーからの通報を受け付け、是正する仕組みを運用すること。

(解説)

苦情処理メカニズムとは、企業活動が人権等に悪影響を及ぼした場合に、その状況を改善するための仕組みです。苦情処理メカニズムの役割を担う仕組みとしては、ホットライン、内部通報制度、メンター制度などがあります。

「ニチレイグループサプライヤー行動規範」および本ガイドラインにおいては、その違反行為に対し、従業員やその他のステークホルダーからの通報を可能とし、通報に対して事前に定義された手続きに基づき処理される仕組みを構築し、運用することが求められます。その際、自社のみならず多数の企業が利用できる集団的な苦情処理メカニズムを活用することも可能です。

なお、苦情処理メカニズムの仕組みにおいて、通報した従業員などの通報内容の機密性、通報者の匿名性を確保し、通報したことを理由に不利益な扱いを受けることから保護しなければなりません。

サプライヤー管理

  • 「ニチレイグループサプライヤー行動規範」および本ガイドラインに準じた内容を上流のサプライヤーに働きかけ、遵守を促すこと。

(解説)

「ニチレイグループサプライヤー行動規範」および本ガイドラインに示される内容はサプライチェーン全体を通じて実現されなければなりません。そのためにも、自社の取り組みのみならず、取り組みをサプライヤーに広げてゆくことが必要です。「ニチレイグループサプライヤー行動規範」および本ガイドランと同等な内容の要請をサプライヤーに対して行い、継続的なモニタリング、必要な場合は是正措置を取ることが重要です。

ニチレイグループから協力要請があった場合、迅速に対応していただくことが望まれます。

以上