気候変動の取り組み
TCFD
気候変動シナリオ策定と情報開示
気候変動の影響は年々深刻さを増し、気候変動が原因の一つとされる異常気象・自然災害が多発し、ニチレイグループの提供価値の根幹である食のサプライチェーンへの影響も大きくなってきています。こうした気候変動に伴う外部環境の変化によって及ぼされるリスクへの適切な対応を進めるとともに、新たな事業機会の想定も踏まえた複数のシナリオを検討・準備していくことが重要だと認識しています。そこで、気候変動の影響についてTCFDが開示を推奨する「ガバナンス」「戦略」「リスク管理」「指標と目標」のフレームワークに沿って気候変動シナリオを検討し、適切な情報開示を通じ、ステークホルダーとの建設的な対話につなげていきたいと考えています。こうした考えのもと、2020年6月、TCFD提言への賛同を表明するとともに、「TCFDコンソーシアム」に参画しました。気候変動への取り組みは、長期経営目標「2030年の姿」の実現に向けたグループ重要事項(マテリアリティ)の一つとしても位置づけており、気候変動に関連する社会課題の解決に向け、積極的に取り組みを進めています。
1.ガバナンス
2019年10月より、代表取締役社長をオーナーとしたグループ横断型プロジェクトとして気候変動シナリオの検討をスタートし、ニチレイグループ全体の気候変動シナリオを検討。2020年5月の「グループ環境保全委員会」での審議・検討を経て、長期環境の目標の一つとして、低炭素政策について同年6月の取締役会承認され、同年8月に開示しました。2020年10月からは、気候変動戦略の遂行に責任を持つ取締役執行役員をプロジェクトオーナーとして選任し、前年度に特定した「事業別リスク」の中から特に財務的影響度が高い異常気象による「水リスク」について気候変動シナリオを検討・分析しました。2021年5月の「グループ環境保全委員会」で審議・検討を経て、同年6月の取締役会においてニチレイグループ重要事項(マテリアリティ)のグループ施策の一つとして目標(施策・KPI)を承認し、同年8月に開示しました。なお、年1回以上、担当の取締役執行役員が取締役会にて答申・進捗報告を行い、適宜、戦略や目標、計画の見直しを行っています。
2.戦略
- 重要度の高いリスクと機会の特定
当社グループは、食を中心にグローバルで多岐にわたる事業を展開しており、気候変動による影響を多方面に受けることが予想されます。気候変動が事業活動に及ぼす影響について、シナリオ分析を行っています。特定したリスク・機会をより定量的に把握し、その対応を経営戦略に反映させることで、持続可能な企業を目指していきます。
3.リスクマネジメント
当社は、グローバルに食の事業を展開しています。そのため、事業活動を行ううえで気候変動を含むさまざまな不確実なリスクが事業経営へ及ぼす影響については、全体的視点から合理的かつ最適な方法で適切な部門で管理し、代表取締役社長を委員長とする「グループリスクマネジメント委員会」で審議・検討しています。に、気候変動シナリオにおけるリスクは全社重要リスクの一つとして位置づけています。物理的リスクや移行リスクについて公表されている報告書や専門家のアドバイスなどを参考に、代表取締役社長を委員長とする「グループサステナビリティ委員会」にて定期的に審議・検討し、環境担当管掌役員による取締役会報告を行います。特定したリスク・機会をより定量的に把握し、その対応を経営戦略に反映させることで、持続可能な企業を目指していきます。
4.指標と目標
マテリアリティの1つとして「気候変動への取り組み」を掲げ、特にニチレイが注力する取り組みに対して、以下のとおり指標と目標を設定しました。
〈グループ施策〉
食品工場・物流センターにおける原単位でのCO2排出量削減や再生可能エネルギーの活用を 推進するとともに、TCFDの提言に基づく情報開示を行う。
〈グループKPI 〉
CO2排出量50%削減(2015年度比、国内Scope1・2)
各事業会社もそれぞれ具体的な目標を設定し、グループ一体となって取り組んでまいります。