ニチレイグループ中期経営ビジョン「GROWTH 2016」の策定について

IRニュース 2012年

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平成24年5月8日
各  位
 
  会 社 名
代 表 者 名
本社所在地
コード番号
上場取引所
株式会社 ニチレイ
代表取締役社長 村 井 利 彰
東京都中央区築地六丁目19番20号
2871
東京(市場第一部)
ニチレイグループ中期経営ビジョン「GROWTH 2016」の策定について
ニチレイグループは持続的成長の実現に向けて、傘下の基幹事業会社の成長戦略構想を織り込み、グループ中期経営ビジョン「GROWTH 2016」(以下、「GROWTH 2016」という)を下記のとおり策定しました。
今後は、この「GROWTH 2016」を基に次期グループ中期経営計画(2013~2015年度)を策定・実行し、当社グループの企業価値の向上に取り組んでまいります。
Ⅰ. GROWTH 2016を策定した背景
  当社グループは、経営理念である 「くらしを見つめ、人々に心の満足を提供する」 に基づき、生活者の皆様のくらしに本当に役立つ商品やサービスを日々創り出し、健康でこころ豊かな生活の実現に貢献することを目指しています。
世界規模で人口爆発に伴う資源・食糧不足、地球温暖化による環境破壊などが危惧される一方、今後の日本においては少子・高齢社会の急速な進展により、社会・経済面で大きな変化が生じることが確実視されています。こうした環境変化の中で、当社グループが企業価値の向上を図り着実な成長を実現するためには、内外の環境要因を把握、整理した上で中期的に目指す方向性を明らかにし、適切な経営資源配分を軸に柔軟な企業戦略を展開することが重要と考えています。
このたび、当社グループでは持続的な成長を実現するため、グループ長期ビジョンを基に「GROWTH 2016」を策定しましたので、お知らせいたします。
【ご参考】グループ長期ビジョン
ニチレイグループは、卓越した食品と物流のネットワークを備える「食のフロンティア カンパニー」として、お客様にご満足いただける優れた品質と価値ある商品・サービスを 創造・提供し、広く好感と信頼を寄せられる企業として、社会とともに成長します。
Ⅱ. GROWTH 2016の概要
 
1. グループ基本方針
  グループ経営資源の適正配分を実行し、基幹事業における国内事業収益力の維持・向上と海外事業の強化に取り組み、グループ収益基盤の拡大を実現します。2015年12月に創立70周年を迎える2016年度には、卓越した食品と物流のネットワークを備える事業特性を生かし、各事業ドメインにおいて国内外で着実な成長を遂げ、一層の飛躍を期待される企業グループとして存在感を高めてまいります。
   
2. グループ基本戦略
  当社グループの経営理念に基づき事業展開を図る領域として、「加工食品の持つ7つの基本価値 を追求する」加工食品事業、「優れた素材を最適な形態で提供する」水産・畜産事業、「高度な品質で食品物流インフラを担う」低温物流事業、「診断薬と培地製品に強みを発揮する」バイオサイエンス事業の4つを事業ドメインとします。
これらの事業ドメインのうち、特に加工食品事業と低温物流事業には経営資源を重点的に配分し、グループにおける収益力の向上と成長力の創出を図ります。

*7つの基本価値: 健康、楽しさ、簡単・便利、おいしさ、安全・安心、安定供給、リーズナブルな価格
   
(1) 事業戦略
 
加工食品事業
  国内の収益構造改革と海外の成長戦略を基に「利益と売上」を追求し、冷凍食品№1企業の地位を不動のものとします。
・国内では生産体制(OEM供給体制含む)の整備・集約を進め、継続的な成長を可能とする強固な収益基盤を構築します。
・海外では中国やベトナムなどを重点攻略地域と定め、パートナーシップの強化と海外販売拡大に対応した生産体制の整備により現地需要を掘り起こし、新たな売上成長基盤を構築します。
水産・畜産事業
  こだわり素材と最適加工品で、生活者価値を創造し続ける中間流通業者を目指します。
・国内では長年磨き上げてきた「こだわり素材」や様々なニーズに対応した最適加工品に注力し、安定した利益構造を構築します。
・海外では現地有力企業との連携・協業を推進し、加えて中国などの成長市場では提案営業を軸にした販売活動を展開します。
低温物流事業
  全温度帯における有力なグローバル食品物流企業グループとして、存在感を一層高めます。
・国内ではネットワーク事業に加え、地域保管事業においても輸配送の取り扱いを大幅に拡大します。
・海外では欧州の事業会社間で連携を強めシナジーをさらに発揮し、物流ニーズの拡大が期待できる地域への積極的な設備投資を推進して、事業の伸張を図ります。中国では華東地区で事業基盤を着実に拡大します。
バイオサイエンス事業
  技術的な強みを発揮し、特に組織染色製品カテゴリーでは、病理診断市場における抗体試薬の開発から販売までを手がける国産メーカーとして確固とした地位を築きます。
   
(2) 機能戦略
 
持株会社であるニチレイはグループ経営力の強化を目指し、抜本的な組織見直しを通じてコーポレート機能の統合・高度化を図ります。具体的には戦略企画・立案、事業ポートフォリオ見直し、戦略的提携の推進およびグループ保有資産の再活用などの面で機動的に対応できる体制の整備に取り組みます。
加えて、次の機能戦略に取り組んでまいります。
技術戦略
  環境や農業生産など新たな技術に関する情報収集・分析力を強化し、グループの持続的成長に向けた新規ビジネスモデル創出につなげます。品質保証機能面では中国をはじめとする成長市場への事業展開に合わせ、信頼できる検査機関のパートナーとも連携し、グローバルな検査ネットワークを構築します。
人財戦略
  今後の海外事業展開を見据えグループ内外での人財発掘を進めるとともに、柔軟な人財配置によりグローバル人財を育成します。
財務戦略
  主要事業の成長を実現するため、金融情勢等の変化に機敏に対応しながら、強固な財務基盤を活かした有利な資金調達を実施します。
   
3. グループ経営目標
(1) グループ全体目標(連結ベース) ※以下単位未満四捨五入
 
  2016年度(目標) 2011年度(実績※)
売上高 5,300億円 4,549億円
海外売上高 500億円以上 317億円
営業利益 220億円 162億円
営業利益率 4%以上 3.6%
当期純利益 120億円 79億円
1株当たり当期純利益(EPS) 40円以上 26.3円
株主資本利益率(ROE) 8%以上 6.8%
   
(2) 事業別目標(連結ベース)
 
単位:億円 2016年度(目標) 2011年度(実績)
売上高 営業利益 売上高 営業利益
加工食品 2,000 85 1,742 52
水産 800 12 657 2
畜産 840 10 756 5
低温物流 1,800 90 1,495 74
バイオサイエンス 36 6 25 3
不動産 50 21 49 24
※その他・全社・消去は上記に含まれておりません。
   
(3) 株主還元に関する基本方針
  連結株主資本配当率(DOE)2.5%を目安として株主への安定的な配当を継続するとともに、内部留保の充実に努め成長分野への戦略的投資を実行します。
また、財務状況や株価の推移なども勘案しつつ、機動的に自己株式の取得・消却を検討します。
   
Ⅲ. 今後の進め方
  グループ中期経営計画“energy 2012”(2010~2012年度)の成果を踏まえた上で、「GROWTH 2016」に織り込まれた戦略の方向性に基づき次期中期経営計画(2013~2015年度)を策定し、2013年5月に発表する予定です。
   
Ⅳ. 参考情報
  グループ中期経営計画期間(2010~2012年度)の業績推移は次のとおりです。
2010年4月からスタートした3年間で、事業戦略の着実な遂行とスピーディな環境対応を通じてグループの利益成長を実現します。特に、加工食品事業の回復や低温物流事業の事業拡大において成果をあげてまいります。

セグメント別売上の推移 セグメント別営業利益の推移
   
Ⅴ. 本件のお問い合わせ先
  株式会社ニチレイ 広報部 03-3248-2235
   
以上
 
当資料に記されたニチレイの現在の計画・見通し・戦略などのうち、歴史的事実でないものは、将来の業績に関する見通しであります。将来の業績に関する見通しは、将来の営業活動や業績に関する説明における「確信」、「期待」、「計画」、「戦略」、「見込み」、「予測」、「予想」その他これらの類義語を用いたものに限定されるものではありません。これらの情報は、現在において入手可能な情報から得られたニチレイの経営者の判断に基づいております。実際の業績は、さまざまな重要な要素により、これらの業績見通しとは大きく異なる結果となる場合があります。このため、これらの業績見通しのみに全面的に依拠して投資判断されることは、お控えいただくようお願いいたします。また、新たな情報、将来の事象、その他の結果にかかわらず、常にニチレイが将来の見通しを見直すとは限りません。