PCR法の増幅効率を高める手法の開発について

IRニュース 2003年

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平成15年2月7日
各  位
 
  会 社 名
代 表 者 名

問 合 せ 先
株式会社 ニチレイ
代表取締役社長 浦野光人
(コード番号 2871)
広報IR室
(TEL 03-3248-2235)
PCR法の増幅効率を高める手法の開発について
 
ニチレイは、わずかな遺伝子を大量に複製する基本手法(PCR法)の改良により、複製効率を向上させる技術を開発し、昨年12月11日及び12日に開催された分子生物学会で発表いたしました。この技術によれば、PCR法を利用して食品等に含まれる微生物などを検出する際に迅速性及び効率性を上げることができ、食品の衛生検査などの幅広い領域への応用が可能となります。

 
1.技術内容と期待される効果
  ニチレイは、食品の衛生検査の迅速化に関する研究を進めてまいりましたが、遺伝子分析を行なう上で不可欠なポリメラーゼ連鎖反応法(PCR)を実施する際、増やしたいDNAと同じ塩基配列の人工DNA(PCRプライマー)に、特定の化合物を付け加えると複製量が増える現象を発見し、複製効率を向上させることに成功いたしました。この方法を用いることにより、従来より作業時間を大幅に短縮することが可能になります。

食品産業分野では、衛生検査をはじめ遺伝子組換え食品の混入検査などの分野で検査効率を高めることが期待されるほか、ごく短時間での診断が要求される急性感染症の病原診断などにも応用が期待されます。さらに、ゲノム解析、医薬開発、法医学、農学、環境など様々なバイオテクノロジー領域での応用の可能性があります。


2.業績への影響
  ニチレイでは当面、食中毒菌の遺伝子検査法への応用などに当技術を用いていく方針であり、今後事業化等の可能性も検証したいと考えております。このため、現段階におきましては業績に与える影響は未定であります。


3.その他
  当技術に関しては平成14年1月10日に「DNA増幅反応の効率向上方法」として特許出願しております。同様の内容につきましては、平成14年12月11日及び12日の分子生物学会におきまして、「PCRプライマーへのオリゴDNA付加による増幅効率の向上とその応用」というテーマでポスターセッションの形式で発表しております。なお、本手法を産業的にPCR法に応用する場合には、PCR法の基本特許(USP4683195、USP4683202、USP4800159)の実施許諾が必要となります。
 
  ※PCR法 ポリメラーゼ連鎖反応法
  遺伝子を分析する上で不可欠な検査手法で、広く利用されている。
 
以  上