悪性リンパ腫の診断補助に用いる体外診断用医薬品として「ヒストファイン シンプルステインMAX-PO(MULTI) ALK」の製造販売承認を取得

 2020年 326

各 位

株式会社ニチレイバイオサイエンス

 

悪性リンパ腫の診断補助に用いる体外診断用医薬品として

「ヒストファイン シンプルステインMAX-PO(MULTI) ALK」の製造販売承認を取得

 

株式会社ニチレイバイオサイエンス(代表取締役社長:武永正人 本社:東京都中央区)は、ALKAnaplastic Lymphoma Kinase)タンパクを検出する組織検査用腫瘍マーカーキット「ヒストファイン シンプルステインMAX-PO(MULTI) ALK」の製造販売承認を2020324日に取得いたしました。本製品は、病理組織標本を検査対象とし、免疫組織化学染色法を用いて、組織、細胞中のALKタンパクを検出することで、悪性リンパ腫の病型分類を行う際の診断補助に用いる体外診断用医薬品です。悪性リンパ腫を対象にALKタンパクを検出する検査試薬としては国内初の体外診断用医薬品となります。

 

悪性リンパ腫は血液細胞に由来するがんの一つで、白血球の一種であるリンパ球ががん化した悪性腫瘍です。2019年のがん罹患数予測において、日本では年間約3.4万人が新規に悪性リンパ腫に罹患すると予測されており1、その罹患者数は近年増加傾向にあります。悪性リンパ腫は大きく分けて、ホジキンリンパ腫と非ホジキンリンパ腫に分けられますが、腫瘍細胞の由来や形、腫瘍細胞が有するバイオマーカーの特徴などからさらに細かい病型に分類され、最新のWHO分類2では70種類以上の病型に細分されています。病型により予後や薬物療法への反応性、また選択できる治療が異なることから、病型を正しく診断することはとても重要です。

 

ALK陽性の悪性リンパ腫には、ALK陽性大細胞型B細胞リンパ腫(ALK陽性LBCL)とALK陽性未分化大細胞型リンパ腫(ALK陽性ALCL)があります。ALK陰性となる他の病型との鑑別を行うにあたって、いずれも診断時に腫瘍細胞がALK陽性であることを確認することが必要であり、ALKタンパクを検出する免疫組織化学染色が有効であることが知られています。また、最近、ALK陽性ALCLALK阻害剤3による治療が適応されるようになり、ALK陽性またはALK陰性の結果に基づき、悪性リンパ腫の病型を適切に診断することはますます重要になってきています。

 

悪性リンパ腫の診断補助を目的としたALKタンパクの免疫組織化学染色の重要性が増すなか、体外診断用医薬品を用いる検査の実施が望まれていました。株式会社ニチレイバイオサイエンスは、今後も製品開発を通じて、医療・検査の発展と患者様への貢献を続けてまいります。

 

1国立がん研究センターがん情報サービス 2019年のがん統計予測

https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/short_pred.html

2WHO分類改訂第4版(2017)。悪性リンパ腫の病型分類に広く用いられています。

3ALK融合遺伝子の形成がいくつかのがんの原因になることが知られており、これを標的とする薬剤(ALK阻害剤)が開発され、治療に用いられています。

 

<お問合わせ先>

株式会社ニチレイバイオサイエンス 分子診断薬事業部

TEL03-3248-2208