「不凍タンパク質」発売のお知らせ
報道関係者各位
2016年9月9日
株式会社ニチレイ
「不凍タンパク質」発売のお知らせ
株式会社ニチレイ(代表取締役社長・大谷 邦夫)は、国立研究開発法人 産業技術総合研究所(理事長・中鉢 良治/以下産総研という)と共同開発している「不凍タンパク質(Antifreeze Protein:AFP)」類について、広範な用途と実用性を目指し、研究を続けてまいりましたが、この度、抽出・精製方法を確立し、製品化に成功しました。今回発売するAFP類は、これまで提供していたものと同程度の純度の不凍タンパク質(AFP)2製品・不凍糖タンパク質(AFGP)1製品の計3製品と、より純度を高めた不凍タンパク質(AFP)2製品の、合わせて5製品になります。
AFP類がもたらす効果は、氷結晶成長抑制、氷結晶の再結晶化抑制、溶質の均一分散化、非凍結低温環境下における細胞保護機能などがあり、その応用は食品から医療、化粧品、試薬、工業分野に至るまで幅広く想定※されています。
(※具体的な例は、下段の AFP類が期待される用途 を参照)
不凍タンパク質(AFP)とは
不凍タンパク質(AFP)は氷の結晶に直接結合して、氷結晶の成長を抑制する機能を有するタンパク質です。寒冷地に生息する魚類、昆虫、植物、菌類などから発見されており、凍結による危険から自らを守るために産生し、低温環境に適応していると考えられています。
色素が均一に分散した氷
発売に至る経緯
企業や大学の各研究機関において、AFP類の応用に関してさまざまな研究がなされている中、AFP類の精製度合の低さにより、良い研究結果が得られないという声が多数ありました。そこで、当社は、高度精製されたAFP類の生産体制を確立し、各研究機関のニーズにお応えするため発売を決定いたしました。よりご満足いただける研究成果の実現を支援してまいります。
※AFP類の応用が期待される用途
<食品分野>
・冷凍食品、フリーズドライ製品、氷菓、アイスクリームの品質向上
<畜産分野>
・精子、受精卵の保存
<医療分野>
・各種細胞や組織の保存
<試薬、化成品分野>
・製品の安定化剤としての利用
<工業分野>
寒冷地域向け:インク、塗料、セメント等の凍結解凍安定化
機能性材料の開発:多孔質材料
その他:機能性氷スラリーへの利用
製品一覧 試験・研究用(試験研究用途以外には使用しないでください。)
製品名 | 性状 | 推奨 保管 温度 |
販売 単位 |
タンパク質含量 (参考値) |
熱ヒステリシス 活性(参考値)※2 |
価格 |
---|---|---|---|---|---|---|
高度精製 Ⅰ型不凍タンパク質(AFP) |
粉体 | -20℃ 以下 |
100mg | 90%以上※1 | 1.0℃以上 (5w/v%濃度) |
20,000円 |
高度精製 Ⅲ型不凍タンパク質(AFP) |
粉体 | -20℃ 以下 |
100mg | 90%以上※1 | 1.0℃以上 (5w/v%濃度) |
20,000円 |
粗精製 不凍糖タンパク質(AFGP) |
粉体 | -20℃ 以下 |
1g | 15%以上※1 | 0.5℃以上 (5w/v%濃度) |
10,000円 |
粗精製 Ⅰ型不凍タンパク質(AFP) |
粉体 | -20℃ 以下 |
1g | 25%以上※1 | 0.5℃以上 (5w/v%濃度) |
10,000円 |
粗精製 Ⅲ型不凍タンパク質(AFP) |
粉体 | -20℃ 以下 |
1g | 20%以上※1 | 0.5℃以上 (5w/v%濃度) |
10,000円 |
- ※1 BCA法による
- ※2 AFP類の活性指標として主に用いられるもので、氷核の大きさが変化しない温度範囲のことを熱ヒステリシスと呼びます。値が大きいほど氷結晶の成長を抑える力が強いことを示します。
・販売は、法人もしくは研究機関に限らせていただきますのでご了承ください。
<報道機関からのお問い合わせ先>
株式会社ニチレイ/広報部
TEL:03-3248-2235
<製品に関するお問い合わせ先>
株式会社ニチレイ/技術戦略企画部 担当:石井 寛崇 (ishiihr@nichirei.co.jp)
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TEL:043-203-1194 FAX: 043-203-0216