ニチレイ CSRレポート2012 特集1|食に携わる企業の使命とは?生活者の皆様からの信頼向上に向けて

特集1 食に携わる企業の使命とは?

安全・安心を絶対に守り抜く。それがあらゆる信頼の源泉

調達から生産、販売、物流まで、ニチレイグループでは各事業会社がそれぞれの事業特性に応じた品質保証体制を構築し、安全・安心な商品を皆さまのもとにお届けしています。今回はグループ各社の社員が集まり、品質保証の取り組みについて語り合いました。お客様からの信頼をさらに確かなものにするために、それぞれの現場で、ニチレイグループの社員が日々何を思い、何に取り組んでいるのかをご紹介します。

グループ全体、各事業会社、そして現場の一人ひとりが品質に責任を持つ

田中

ニチレイ品質保証部では、事業会社が販売する商品について、ブランド審査を行っています。品質・衛生面についての工場審査と商品審査を実施し、合格した商品だけをニチレイブランドとして販売することができます。商品審査には具体的に商品表示内容、微生物検査、残留農薬分析、動物用医薬品分析、アレルギー検査などがあります。
また、グループの品質保証に関する施策や方針の企画・立案も、ニチレイ品質保証部の重要な活動のひとつです。グループ品質保証委員会がその内容を審議し、ニチレイ取締役会で承認されると、ニチレイグループの品質保証に関する施策・方針が確定します。ここで確定した施策・方針に従って、グループ各社が品質保証活動を進めていくことになります。
事業会社によって扱う商品・サービスも異なりますから、具体的な取り組みについては、グループ品質管理規程に基づいて、各事業会社はそれぞれの事業特性に合わせた品質管理規程を細かく設定しています。ニチレイ品質保証部でも整合性の確認を行うなど、相互に連携を取ってグループの方針を共有しながら、各社最適な形での品質保証活動を展開しています。

奥河

ニチレイフレッシュは、養鶏事業から、生鮮の畜産物、養殖や天然の水産物、それらの加工品まで極めてバラエティに富んだ種類、加工度の商品を取り扱っているため、お取引先様も多岐にわたっています。
また、海外に供給ソースの幅を広げていくと、日本ほどインフラが整っていない国や地域から調達するケースもあるため、新規の商品を扱う場合は、さまざまなリスクの分析・評価を行い、必要に応じて私たちが現地に出向いて品質管理体制のチェック・指導を行い、取り扱いの可否を判定しています。 養殖水産物・畜産物については、養殖・飼育段階からの飼育管理、環境整備を基本としていますが、商品によっては信頼できる外部検査機関にて輸出前にも検査を行い、お客様に安心して召し上がっていただける商品をお届けすることに努めています。

伊藤

調達にあたって大切にしているのは、決して人任せにせず、必ず私たちが自ら生産現場に足を踏み入れて、安全・安心を含めた全体の仕組みを確認する『現場主義』であることと、調達先から単に物を買う・仕入れるだけでなく、環境に配慮した持続可能な生産でその地域・生産者が成長していける取り組みが重要と考えています。海外からの調達・品質管理は我々が現場で確認すべき責任があり、ひたすらお客様のために、安全・安心を担保し続けていきます。

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自信を持って安全・安心といえる商品をお客様の手元に確実に届けていきたい

山田

ニチレイフーズには、お客様に対する3つのお約束があります。
そのひとつが「品質管理のレベルをさらに高めます」というもの。現在、原料調達から出荷までの一連の仕組みをHACCP※方式に準拠した体制で構築しています。直営工場を中心に培われたノウハウは、協力工場に展開して品質保証体制を強化するほか、新たな人財教育を行ったり、体制の見直しや改善を進めています。
直営を含めたすべての工場は、ニチレイ品質保証部のブランド審査を受ける以外にも、(社)日本冷凍食品協会や取引先である大手流通各社様など、社外の厳しい監査を受ける機会も多くあります。さらに本年度からは、ニチレイフーズ内に社長直轄の独立した監査部門を設置し、さらなる進化を続けています。
このほか、生産工場では、品質保証、労働安全、生産管理などに関する自分たちの取り組みを他の工場に紹介する「いいこと活動」を展開しています。情報を共有し、互いにレベルアップを図っています。

  • ※HACCP(Hazard Analysis and Critical Control Point):食品製造の際、工程上の危害を起こす要因(ハザード:Hazard)を分析し、それを最も効率よく管理できる部分(CCP:重要管理点)を連続的に管理して安全を確保する食品衛生管理手法。

相庭

「世界で最も信頼される食品企業を目指します」というのがニチレイフーズのビジョンです。食品は生命に直結するものですし、特に私たちが扱っている商品は日常的に家庭の食卓に上がるものばかりです。長年かけて築き上げた信頼も、何かあれば一瞬で崩れてしまいます。営業の立場としては、信頼される企業であり続けるには、安全・安心は必須の課題であると日々胸に刻んでお客様と向き合っています。

戸田

これまでのお話にあった安全・安心に徹した原材料や商品の品質を損なうことなく、生活者のお手元に届けるという最後の役割を担うのが、物流になります。
ロジスティクス・ネットワークの品質保証活動の一例として、高級アイスクリームメーカー様との取り組みを紹介します。この商品は、規定温度を超えてしまうと滑らかな食感が損なわれてしまうため、保管時、配送時の厳しい温度管理が要求されます。そこで冷蔵倉庫や配送車両の装備はもちろん、商品の荷さばき室を低温化したり、商品滞留時間や積み込み時間を制限して温度上昇を防ぐなど、取り扱い作業手順まで細かく規定した輸送マニュアルを完備しています。また、乗務員と車両は登録制にして、メーカー様主催のセミナーや社内の安全講習などを行っています。
さらには、大切な商品をお預かりしていることから、保管や仕分けを行うセンターでの5S、すなわち「整理、整頓、清掃、清潔、躾(習慣)」を徹底しています。事業所内でのチェックのほか、品質管理部でも定期的な監査に加え、必要に応じて店舗での納品状況やセンターでの夜間作業のチェックを行い、ルール通りに運用されているかを確認しています。

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東日本大震災に直面して改めて自分たちの使命を痛感

田中

昨年の東日本大震災の影響でいえば、最も大きな課題は、放射能汚染に対する社会的な不安といかに向き合っていくかという点です。放射性セシウム137であれば半減期が約30年と言われていますので、今後も長きにわたって適切に対処していくことが必要でしょう。当社は、昨年5月には放射能の自主検査に関するガイドラインを確立し、11月には検査機器のNa(Tl)シンチレーションスペクトロメータを導入し自社での検査体制を構築しました。こうしたことを粛々とやっていくのが品質保証、品質管理の仕事ではないかと思っています。
もはや食の安全は当たり前のことで、安全を安心に変えていくこと。さらには、それを信頼に高めていかなくてはいけません。「この商品は安心だね」というレベルに留まらず、「ニチレイなら信頼できるね」と思っていただける存在になることを目指していきます。
そのためには、これまで以上にお客様に対しての情報提供が非常に重要になるでしょう。お客様の求める情報を丁寧に、的確に提供していくことによって、地道に信頼を構築していくことが大切だろうと思っています。

相庭

震災後の一時期、食品全体が品薄になった中で、今まで冷凍食品を使っていなかった方々が、改めて冷凍食品に関心を向けていただいた面もあります。また、放射性物質への懸念が広がる中、履歴を正確にトレースできる冷凍野菜は、一定の伸びを続けています。これも震災の影響と言えるかもしれません。

山田

コールドチェーンというエネルギーを必要とする冷凍食品は、震災直後の極限状態では、なかなか機能しない一方、相庭さんが話したように、しばらく経って生活の落ち着きが少し戻ってきたときには、改めて見直されたのも事実です。「こんなに便利なものがあったのか」というお客様の声もたくさん聞こえてきました。冷凍食品や加工食品を通じた貢献のあり方に、新たな示唆を得たような気がしています。

相庭

当時を振り返ると、営業として何が一番大変だったかといえば、物があっても届けられなかったということです。個人的には、物流網の大切さを改めて感じた経験でした。お客様もさまざまな手段を駆使して対応されていましたが、震災以降、物流の仕組みの再構築に取り組んでいる企業も多いように感じています。

田中

我々自身、物流の重要性をこれほど肌で感じたことはありません。ロジスティクス・ネットワークも仙台の物流拠点すべてが大きな被害を受け、センター機能が止まってしまいました。しかし、被災地への食品の配送は、全国ネットワークの強みを活かして、いち早く立ち上げることができました。当初は北海道の拠点から青森、秋田、岩手を経由した配送を準備する一方で、関東からは日本海側から福島へ入るルートを見つけて、いち早く納品することができました。

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ニチレイグループの総力を結集してこれからの私たちにできること

伊藤

震災の影響もさることながら、安全・安心に関するお客様の視線は、年々厳しくなってきています。私たちも日々勉強を重ねていかなければなりません。特に震災以降は、放射性物質に関しての知識も必要になりました。タイにおいても日本から水産物を輸出する際には検査証明書を求められています。安全・安心を確保するために、日々レベルアップ、パワーアップ、スピードアップしていかなくてはならないことを身に染みて感じています。

奥河

取り扱う商品やサービスは各事業会社で異なりますが、品質管理の原理・原則は同じですし、現状でも品質管理規程等グループ共通の枠組みで進めているところは数多くあります。放射性物質問題の対応事例のように、フードチェーン全体に影響する問題については、グループとしての相乗効果を最大限に発揮していくことが特に重要だと思います。

山田

ニチレイフレッシュは、ニチレイフーズの原材料調達先のひとつでもあります。ニチレイフレッシュのノウハウを我々の原材料調達に活かしたり、農薬や、動物用医薬品管理のあり方などの情報共有もありますし、いろいろな意味で、グループの相乗効果は発揮されているのではないでしょうか。

戸田

ロジスティクス・ネットワークでは、グループ以外のさまざまなお客様の商品を取り扱っていますが、各社のノウハウを積極的に取り入れていくことで、ニチレイグループの物流会社としてより厚い信頼を得られるものと考えています。グループとしての強みを最大限に発揮していければと考えています。

田中

食品流通のグローバル化が、ますます活発化する中で、我々食品メーカーは、国内外を問わず世界各地で調達・製造加工される食品の安全性を確認し、日本や海外の生活者にお届けしていく使命があります。食の安全・安心は世界共通の課題です。
このような使命を達成するためには、厳正な検査体制が必要ですし、そのひとつひとつの安全性について、しっかりと情報提供してゆきたい。
お客様に納得していただける体制を整備し、丁寧な説明を重ねていくことで、心から信頼される企業になっていければと思っています。