ニチレイ CSRレポート2012 マネジメント|第三者意見

マネジメント

ニチレイグループ「CSRレポート2012」を読んで 神戸大学大学院経営学研究科教授 國部克彦

6つの責任をベースにしたCSR活動

ニチレイグループは、「新たな顧客価値の創造」「働きがいの向上」「コンプライアンスの徹底」「コーポレートガバナンスの確立」「環境への配慮」「ニチレイらしい社会貢献の推進」の6つの責任をベースにしたCSR活動を展開しておられます。これらの活動はニチレイの事業活動と密接に結びついたもので、日々の活動の中にCSRの視点を織り込まれている点は、高く評価できます。

食の安全・安心への取り組み

今年度の報告書では食の安全・安心について、多くのページを割いて説明がなされています。ニチレイグループの品質保証担当者同士の対談は、社内の議論ではあるものの、具体的で意義があります。消費者が最も関心を持つ放射能汚染の問題についても、踏み込んだ議論がされており、この点については他のページでも説明があって評価できます。今後は、社内だけの視点ではなく、社外の視点も取り入れてのダイアローグを実施されれば、より充実したメッセージを伝えることができると思います。

グローバル活動の展開

ニチレイグループはグローバル化にも積極的に取り組んでいます。ベトナム、中国などでの取り組みは、事業の拡大という意味で重要なだけではなく、新興工業国の生活の質の向上という意味でも大きな意義のある活動です。今回は特集記事という形での情報提供でしたが、今後はCSRの観点から海外事業を位置づけて、体系的に情報開示されることを期待しています。

働きがいの向上への努力

ニチレイグループは、顧客満足は従業員満足からという考え方から、働きがいの向上にも大変努力されており、従業員満足度調査(ES調査)についても詳細な説明があります。ヨーロッパでは、ES調査結果を、CSRの一つの目標として、情報開示している企業も少なくないので、ニチレイグループでも今後はそのような方向を検討されてはいかがでしょうか。透明度を高めることで、より多くのステイクホルダーの支持が集まると思います。

地球温暖化防止と資源循環を中心とした環境保全活動

ニチレイグループの環境保全活動は、地球温暖化防止と資源循環を中心に着実に推進されています。特に、サプライチェーン全体での環境負荷の低減を意識されて活動されていることは評価できます。サプライチェーン全体での環境負荷の低減は、世界的にみて環境経営の重要なテーマですので、今後はその全体的な成果を見える化するような工夫も必要になってくると思います。今後の一層の発展を期待しています。