ニチレイ CSRレポート2011 特集1 食の安全・安心・安定 〜グローバルに展開する鶏肉サプライチェーン〜

特集1 食の安全・安心・安定 〜グローバルに展開する鶏肉サプライチェーン〜

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ニチレイフーズでは、国内外においてチキン加工品の需要が高まる今、品質はもちろんのこと、価格・物流面でも安定した供給体制の構築を目指しています。 これをうけ、2010年10月より新たにタイで、GFPTニチレイ(タイランド)株式会社(以下GFN)とスラポンニチレイ食品株式会社カビンブリ第2工場が稼動しました。

世界的な人口膨張と食糧事情

現在の世界の人口69億人は2050年には93億人まで膨張すると言われています。人口が増加しつづける中で世界の食糧事情を見ると、世界同時不作が起こった1972年当時に相当するほどの在庫率まで低くなっており、不安定な状況にあるものと推測されます。また、需要面と供給面からみた「飼料としての穀物」も「食 糧としての穀物」も決して潤沢に調達できるものではなく、穀物不足が世界規模で大きな問題になっていくことは十分に予想されます。

また、世界の食肉の生産量のうち牛肉や豚肉については大きな生産量の変化はなく、全体数量の大きな増減は見られません。しかし、ブロイラーにおいてはこの5年間を見ても、急激に増加しています。体重を1kg増量するために必要な飼料が何kg必要かを示す飼料の効率を比較すると、牛肉は約10kg、豚肉は3〜4kgですが、ブロイラーは2.1〜2.2kgと、最も飼料の効率が高い家畜です。穀物需要が逼迫していくという予測の中では、飼料の効率は重要なファクターとなります。40日余りの短期間に急速な増体を果たすブロイラーは、急激な人口増加に伴う需要の高まりに応えうる良質な動物性たんぱく質として期待される家畜です。そうした観点から世界的なレベルでの調達戦略による安定供給が求められていると考えています。 鶏肉の各国消費量は年々増加しており、インド、中国の伸び率は著しく、特に中国では他国からの輸入量が増加すること、国内の需要をまかなうために輸出量を大幅に減らしてくることが想定されます。ニチレイフーズは現在、中国からもチキン加工品を輸入していますが、長期的に見た場合は、決して安定的な調達先であるとはかぎりません。

世界的な人口膨張と食糧事情を中長期的な視点でしっかり認識し、これからの鶏肉需要の高まりに備え、ニチレイフーズではチキン加工品の供給体制の構築をタイで進めています。

世界人口の推移(推計値)

世界の主要国食肉生産量推移

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GFNの取り組み 〜適正な飼育状況に配慮した良質な鶏の提供〜

  • 鶏のストレスを極力減らし、健康状態を良好に保つことで、病気になりにくい、 おいしい鶏をお届けしています。

ポイント1:良質な餌の採用

飼料工場

飼料工場

えさはすべてGFPT社グループ内の飼料工場で生産しています。タイ政府による厳格な基準をクリアした安全な飼料コーンを主原料に、生育段階に応じて適正な栄養が摂取できるように配合を調整し、生産ロットごとに衛生検査、栄養成分検査を実施しています。

ポイント2:水への配慮

貯水池と養鶏場

貯水池と養鶏場

タイの多くの地域で通常使われる水は硬質で鶏にさまざまな影響を及ぼすことが考えられるため、上質な軟水を作り、鶏に与えることが重要です。したがって、養鶏場を作る際には、十分な軟水を確保するためのゆとりある貯水池づくりから行い、良質な水の確保を最優先としたさまざまな配慮を実施し、定期的な検査により水質の確認を行っています。これにより鶏を良好な健康状態に保っています。

ポイント3:鶏にストレスを与えない配慮

 

鶏の繁殖や飼育、またその加工に必要な施設が15〜40分の距離に近接し、長時間の移動といったストレスを事前に回避しています。輸送中も排泄物で鶏が汚れないように輸送前には一定時間餌を与えていません。長時間の移動などによりストレスを与えると、暴れたりして鶏が怪我をしたり打ち身なども発生し肉質自体の劣化にも影響を及ぼします。 また、適正な飼育状況(鶏舎環境、栄養状態)を保つことにより鶏の健康状態を管理し、できるだけ合成抗菌剤、抗生物質を使用していません。必要に応じて使用する場合は、専属の獣医が診断し薬の投与を判断しています。使用する薬剤は事前に登録されているものから選定し、投与についての記録を残しています。

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GFNの取り組み 〜フルインテグレーション(完全一貫生産)による超大量生産〜
  • 鶏の処理から加工・包装まで完全密閉の工場(タイ初)
  • 加工場のトレーサビリティはニチレイフーズ独自のPAS(Product Assistance System)を活用
  • 加工の工程におけるさまざまな工夫

ポイント1:完全一貫体制

工場内の様子

工場内の様子

最終加工に適した骨除去やカッティングなどの前処理や鮮度処理などにより安全・おいしさを実現しています。最新の工場施設・設備により、鶏肉原料はブロイラー処理工場から外気に触れることなく直線距離で加熱加工工場まで運ばれます。このことにより、製品優先の温度管理、処理時間の短縮が実現され、きわめて新鮮な状態で処理、調理、加熱加工、冷凍までを行うことが可能となり、鶏そのもののおいしさを活かした安全でおいしい製品を製造しています。

ポイント2:現地企業が行っていた加工工程を自ら実施

加工前の原料チェック

加工前の原料チェック

現地企業が行っていた加工工程も自ら行うことで、「食の安全」そして「さらなるおいしさの追求」が可能になります。常駐する日本人スタッフが現地スタッフと協力することにより、きめ細かい対応が可能となり、日本市場の厳しい基準・要求を満たす品質が実現できます。高品質の商品作りを実現するために従業員教育にも力を入れています。日本の求める品質を現地従業員と共有するとともに、従業員の意識を高め安全な食をお届けするために徹底した教育を行っています。

ポイント3:セキュリティの徹底

指紋認証(左)、監視カメラ(中)と監視モニター(右)

指紋認証(左)、監視カメラ(中)と
監視モニター(右)

安全管理のためのセキュリティ対策にも力を入れています。各出入り口にはICカードによるチェックシステムが導入されており不審者の侵入を防止。また特に重要な処理場、加工場への出入り口にはICカードによるチェックシステムと併用で指紋認証システムを設置し、より厳しい入退出管理を実施しています。要所には監視カメラを設置し、24時間体制で、工場の安全確保に努めています。

ポイント4:環境への配慮

LED照明

LED照明

最新鋭の工場として環境負荷の低減を行っています。具体的には、「省エネ」と「省資源」という二つの観点からの取り組みを実施。太陽光発電、LED照明などといったCO2排出を抑える取り組みはもちろん最大限ゴミを減らすためのリサイクルにも力を入れています。
最新の工場施設・設備により、きわめて新鮮な状態で処理、調理、加熱加工、冷凍までを行うため、一般的に鮮度管理が難しいレバーや砂肝などの内臓も無駄なく食用に使用することができます。
処理、加工工程で排出される鶏の羽などの不要物はレンダリング工場(畜産の処理工場で排出される副産物から肥料、飼料などの原料を生産する工場)に運搬し飼料原料として加工、その飼料は魚やエビの養殖に使用するなど無駄なく大切な循環資源として活用しています。

GFPTニチレイ(タイランド)(株) 管理部 副部長 佐藤 哲朗

GFPTニチレイ
(タイランド)(株)
管理部 副部長 佐藤 哲朗
当社は、(株)ニチレイフーズの基幹事業であるチキン事業の基盤強化を目的として、日系企業として初めてタイで原料処理とカットをし、加熱加工を行う会社として設立されました。新しい会社のため、何から何まで一から作り上げていかねばならず、毎日、全従業員、奮闘の日々です。なかなか日本のように計画通りいかず、立ち上げより厳しい状況が続いていますが、タイの人は明るい陽気な性格なので良い意味で救われています。

GFPTニチレイ
(タイランド)(株)
安全保安課(SAFETY & SECURITY Section)
マネージャー(兼務環境対策担当)
Songkran Piyawongrungruang
当社は、省エネ、廃棄物処理など環境対策に力を入れています。また2011年4月に環境方針を定めたばかりで すが、今年はISO14001の取得を目指しており、全従業員の環境に対する意識を高めていきたいと思っています。

スラポンニチレイ食品株式会社(以下スニフ)
カビンブリ第2工場も稼動

カビンブリ工場

カビンブリ工場

今回増設した工場は、チキンラインを有する既存のカビンブリ工場に隣接しています。大量生産型のGFNとは異なり、中小規模での効率的な生産に特化したライン設計になっています。これまでの、ニチレイフーズのチキン加工品を牽引してきたスニフでの生産、品質管理技術をさらに推し進めることで、他社の追随を許さない高品質の商品をお届けできます。