悪性リンパ腫の診断補助を目的としたALK免疫組織化学染色検査「ヒストファイン シンプルステインMAX-PO(MULTI) ALK」の保険適用および発売
株式会社ニチレイバイオサイエンス
悪性リンパ腫の診断補助を目的としたALK免疫組織化学染色検査「ヒストファイン シンプルステインMAX-PO(MULTI) ALK」の保険適用および発売
株式会社ニチレイバイオサイエンス(代表取締役社長:武永正人 本社:東京都中央区)は、悪性リンパ腫の診断補助のために「ヒストファイン シンプルステインMAX-PO(MULTI) ALK」(2020年3月24日に製造販売承認を取得)を用いてALK(Anaplastic Lymphoma Kinase)免疫組織化学染色を行う検査が、2020年9月1日から保険適用されましたので、お知らせいたします。
また、同日この検査に用いる「ヒストファイン シンプルステインMAX-PO(MULTI) ALK」を発売いたしました。本製品は、病理組織標本を検査対象とし、免疫組織化学染色法を用いて、組織、細胞中のALKタンパクを検出することで、悪性リンパ腫の病型分類を行う際の診断補助に用いる体外診断用医薬品です。悪性リンパ腫を対象にALKタンパクを検出する国内初の体外診断用医薬品となります。
悪性リンパ腫はリンパ球ががん化した悪性腫瘍です。日本では年間約3.4万人が新規に悪性リンパ腫に罹患すると予測されており※1、その罹患者数は近年増加傾向にあります。悪性リンパ腫は、腫瘍細胞の由来や形、腫瘍細胞が有するバイオマーカーの特徴などから細かい病型に分類され、最新のWHO分類※2では70種類以上に細分されています。病型により予後や薬物療法への反応性、また選択できる治療が異なることから、病型を正しく診断することはとても重要です。
ALK陽性の悪性リンパ腫には、ALK陽性大細胞型B細胞リンパ腫(ALK陽性LBCL)とALK陽性未分化大細胞型リンパ腫(ALK陽性ALCL)があります。ALK陰性となる他の病型との鑑別を行うにあたって、いずれも診断時に腫瘍細胞がALK陽性であることを確認することが必要であり、ALKタンパクを検出する免疫組織化学染色が有用であることが知られています。また、最近、ALK陽性ALCLにALK阻害剤※3による治療が適応されるようになり、ALK陽性またはALK陰性の結果に基づき、悪性リンパ腫の病型を適切に診断することがますます重要になってきています。悪性リンパ腫の診断補助を目的としたALK免疫組織化学染色の重要性が増すなか、体外診断用医薬品を用いる検査の実施が望まれていました。
株式会社ニチレイバイオサイエンスは、今後も製品開発と適切な情報の提供を通じて、医療・検査の発展と患者様への貢献を続けてまいります。
【保険適用の内容】
測定項目:N002 免疫染色(免疫抗体法)病理組織標本作製 6 ALK融合タンパク
測定方法:免疫組織化学染色法
保険点数:2,700点
留意事項:悪性リンパ腫患者に対して、悪性リンパ腫の診断補助を目的として免疫組織染色法により病理標本作製を行った場合(悪性リンパ腫の病型分類までの間の1回に限る。)
*製品概要資料はこちら をご確認ください。
【注釈】
※1国立がん研究センターがん情報サービス 2019年のがん統計予測
https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/short_pred.html
※2WHO分類改訂第4版(2017)。悪性リンパ腫の病型分類に広く用いられています。
※3ALK融合遺伝子の形成がいくつかのがんの原因になることが知られており、これを標的とする薬剤(ALK阻害剤)が開発され、治療に用いられています。
【お問合わせ先】
株式会社ニチレイバイオサイエンス 分子診断薬事業部
TEL:03-3248-2208