ヒストファイン ALK iAEP® キットALK融合遺伝子陽性の非小細胞肺がんに対する希少疾病用医薬品のコンパニオン診断薬の製造販売承認を取得しました。

報道関係者各位

平成26年7月4日
株式会社ニチレイ

ヒストファイン ALK iAEP ® キット
ALK融合遺伝子陽性の非小細胞肺がんに対する希少疾病用医薬品の
コンパニオン診断薬の製造販売承認を取得しました。

当社グループの株式会社ニチレイバイオサイエンス(本社:東京都中央区 代表取締役社長 中村 隆、以下ニチレイバイオサイエンスという)は、高感度ALK IHC法 注1 キット「ヒストファイン ALK iAEP ® キット」(以下、「本キット」という)の医薬品製造販売承認を平成26年6月16日に取得しましたので、お知らせ致します。

本キットは、「ALK(未分化リンパ腫キナーゼ:Anaplastic Lymphoma Kinase)融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん」を効能・効果として中外製薬株式会社(本社:東京都中央区 代表取締役会長 最高経営責任者 永山 治)が、平成26年7月4日に製造販売承認を取得したALK阻害剤「アレセンサ ® カプセル20mg、同40mg (アレクチニブ塩酸塩)」 注2 のコンパニオン診断薬 注3 です。

日本では、肺がんの年間罹患者数は、約10万人と推計されています(2008年)。肺がんは、がん細胞の組織型により、腺がん、扁平上皮がん、大細胞がん、小細胞がんなどに分類され、このうち、小細胞がんを除く各種の肺がんは非小細胞肺がんと分類されます。肺がんに占める非小細胞肺がんの割合は約80%と考えられています。また、ALK融合遺伝子陽性の非小細胞肺がんの割合は、非小細胞肺がんの2〜5%程度と報告されています。

本キットは、非小細胞肺がんの患者さんの腫瘍組織を検体として使用し、高感度IHC法 注1 を用いてALK融合タンパク 注4 を検出することで、ALK融合遺伝子の有無について精度の高い検査が可能になります。本キットをALK融合遺伝子陽性の肺がん患者さんにおける治療薬投与の判断の補助に使用することで、患者さんに適切な治療を提供する個別化医療 注5 に貢献できると考えております。

ニチレイバイオサイエンスの免疫関連技術 (免疫組織化学染色試薬、自動免疫染色機器、イムノクロマト製品)は、これまで乳がん、胃がんに対する免疫組織化学染色による診断薬や、インフルエンザなどの感染症に対する診断薬の製造販売で実績を積み上げております。

特に、国内外で急速な拡大が見込まれているがん治療分野における個別化医療に対しては、免疫関連技術の更なる向上を図り、医療従事者の正しい病理診断を通じ、患者さんへの適切な治療に貢献してまいります。

【ヒストファイン ALK iAEP ® キット】

・販売開始日:
2014年8月末(予定)
・価格 (メーカー希望小売価格) :
未定
・キットの概要:
20テスト用、40テスト用(自動染色装置用)の2種類
・キットの内容:
ブロッキング試薬、第一抗体、陰性コントロール、ブリッジ試薬、
ペルオキシダーゼ標識エンパワー試薬、抗原賦活化液、発色基質、発色試薬、
基質緩衝液、PBS、(別売)ALKコントロールスライド(5テスト用)

【写真】

ヒストファイン ALK iAEP<sup>®</sup> キット40テスト用の外観見本品

  • ※写真はヒストファイン ALK iAEP ® キット40テスト用の外観見本品。
    写真には、別売となるALKコントロールスライド(中央下)も含まれております。
  • 注1.IHC(Immunohistochemistry)法
    免疫組織化学染色的手法といい、抗体を用いて組織・細胞内の抗原を検出する手法で、発色を行うことで抗原の有無を光学顕微鏡で容易に検出することができます。
  • 注2.ALK阻害剤「アレセンサ ® カプセル20mg、同40mg (アレクチニブ塩酸塩)」
    アレクチニブ塩酸塩(開発コード:AF802、ロシュ社開発コード:RG7853、治験成分番号:CH5424802)は、中外製薬が創製し、2014年7月4日に製造販売承認を取得したALK阻害剤で、ALK(未分化リンパ腫キナーゼ:Anaplastic Lymphoma Kinase)融合遺伝子陽性の非小細胞肺がんに対する希少疾病用医薬品です。
  • 注3.コンパニオン診断薬
    バイオマーカーや遺伝子などを検査して、患者さんに適切な医薬品や治療法を選択することを可能にする体外診断用医薬品です。特定の医薬品の有効性や安全性の向上を目的に使用され、現在ではいくつかのコンパニオン診断薬が、がんの分子標的治療薬の投与判断の補助に使用されています。
  • 注4.ALK融合タンパク
    ALK融合遺伝子から発現されるタンパク質です。ALK融合遺伝子は非小細胞肺がんの2〜5%にみられることが報告されています。
  • 注5.個別化医療
    一般的な診療情報に加えて、患者さん一人ひとりの体質や病態をバイオマーカーや遺伝子によって把握することで、効果が高く、副作用の少ない適切な治療法や医薬品投与を行う医療です。

【参考情報】

設   立
2005年4月(ニチレイから分社)
資 本 金
450百万円
売 上 高
3,146百万円(2014年3月期)
従 業 員
102名(2014年3月末日現在)
事 業 所
本社:東京都中央区
開発センター:東京都東村山市
関西支所:大阪府大阪市北区

沿   革

1980年代、アメリカなどから細胞を培養するために使用される牛の血清を輸入したところからバイオ事業に参入。その後、バイオ医薬品の開発生産用の培地の販売、さらには免疫関連技術を基盤とした免疫組織染色製品並びにイムノクロマト製品の製造、販売を手掛けています。

この件の商品に関するお問合せ先
株式会社ニチレイバイオサイエンス/企画管理部
〒104-8402 東京都中央区築地六丁目19番20号 ニチレイ東銀座ビル
TEL:(03)3248-2207(ダイヤルイン) FAX:(03)3248-2243
この件に関するお問合せ先
株式会社ニチレイ/広報部
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