第三者意見

第三者意見

ニチレイグループ「CSRレポート2014」を読んで

神戸大学大学院 経営学研究科教授 國部 克彦 神戸大学大学院
経営学研究科教授
國部 克彦

「6つの責任」を軸にしたCSR活動

ニチレイグループは、「6つの責任」を軸に、誠実かつ熱心にCSR活動を展開されていると判断します。特に、食品産業として、食の安全性に対する活動に力を入れて取り組んでいることが、報告書全体から伝わってきます。その中でも、サプライチェーン全体での品質や安全性の追求は大変重要で、この点について詳しく報告書で開示されていることは高く評価できると思います。特に、原料品質規格書の精査フローやニチレイブランドの付与の方法などを説明されている点は、企業内部のマネジメント体制の説明として、充実しています。今後はこのようなシステムを運営する上での課題と改善などにも踏み込んで情報開示されれば、より一層説得力が増すでしょう。

環境保全への戦略的な取り組み

ニチレイグループは環境保全にも積極的に取り組んでいます。特に、コールドチェーンに関しては、共同配送を戦略的に進めており、今後の発展と成果が期待できます。地球温暖化防止の2015年度目標に向けた活動では、こちらも戦略的に高い目標を掲げられて活動されており、高く評価することができます。ただし、グループCO2総排出量についてはほぼ横ばいの状況なので、今後はこのあたりの改善が必要になってくると思います。

CSRパフォーマンスの指標化へ向けて

ニチレイグループのCSR活動は上記に述べましたように、積極的に展開されていますので、今後は個別の活動に関する目標の設定や指標化を進められると、より一層高い評価が得られると思います。たとえば、従業員満足度に関する各種の活動をされていることが報告されていますが、定性的な説明だけでなく、数値情報の開示があれば、実態をもっとはっきり理解することができますし、目標を設定されれば、活動のモチベーションも高まると思います。

双方向のコミュニケーションを

今後の展開の一つの可能性として、さまざまなステークホルダーとの双方向のコミュニケーションをもっと取り入れられてはどうでしょうか。外部のステークホルダーがニチレイグループに何を期待しているのかを議論する場を設けることは、CSR活動の促進と評価に重要な効果をもたらすと考えます。今後のさらなる発展を期待しています。

ページトップへ戻る

國部克彦様の第三者意見を受けて

(株)ニチレイ 取締役執行役員 大内山 俊樹 (株)ニチレイ
取締役執行役員
大内山 俊樹

國部様、率直なご意見をありがとうございました。ご指摘いただいたCSR活動の数値化と目標設定並びにステークホルダーとの双方向のコミュニケーションに関しては、継続して取り組んでいる課題です。今後とも誠実に改善活動を進め、積極的に情報開示してまいります。特にステークホルダーとのコミュニケーションは誰に何を伝えて、どのような効果や評価を得たいのか、明確にしながら開示情報の質を高めてまいります。
「お客様にご満足いただける優れた品質と価値ある商品・サービスを創造・提供し、広く好感と信頼を寄せられる企業として、社会とともに成長します。」というニチレイのビジョンの実現のために、CSR活動を通じて、リスクマネジメントと価値創造の両立を目指してまいります。今後ともご指導賜りますよう、お願い申し上げます。

ページトップへ戻る

社外取締役のご意見

大同メタル工業(株)代表取締役会長兼最高経営責任者 判治 誠吾 社外取締役

大同メタル工業(株)代表取締役会長兼最高経営責任者
判治 誠吾 社外取締役

選任理由:長年にわたり会社経営に携わっており、その豊富な経験と幅広い見識を当社の経営に反映していただくため。

ニチレイグループが他の監査役会設置会社と比較して特徴的なのは、社外取締役を選任していることです。
社外取締役は、経営から独立した立場で、経営戦略、事業戦略について意見を述べる他、内部統制システムの構築に関しても審議に参加しています。
また、ニチレイは、グループ各社に権限を委譲する一方、持株会社にグループ各社を支援する事業経営支援部を設置の上、非常勤監査役を派遣し経営進捗状況をモニタリングしています。ニチレイグループのコーポレート・ガバナンスへの取り組みは進んでいますが、課題があるとすれば、海外展開を進める際、合弁先企業にもニチレイのガバナンス機能で優れた点を補完し、定着させていくことでしょう。

神戸大学大学院経営学研究科教授 三品 和広 社外取締役

神戸大学大学院経営学研究科教授
三品 和広 社外取締役

選任理由:主に経営戦略とオペレーションズマネジメントをテーマとした研究活動を行っており、その専門家としての学識を当社の経営に活かしていただくため。

ニチレイグループは2005年度から持株会社体制へ移行し、現在は事業会社4社を統括する経営体制を敷いています。持株会社と事業会社の間には予想を超える緊張感があり、馴れ合いは露程も見られません。そこは現会長のリーダーシップに負うところが大きいと見ています。社外取締役間の横連携も取りやすく、こと統治・統制という点においては日本の現状に照らして先進的、かつ清廉度の高い企業の一つだと思います。
足許において業績が低迷している加工食品事業、水産・畜産事業については特段注視するようにしていますが、社員のヒアリングや工場見学には何の制約も受けていません。この自由度を活かしつつ、今年度は戦略の検証を進めていく所存です。

早稲田大学大学院商学研究科教授 谷口 真美 社外取締役

早稲田大学大学院商学研究科教授
谷口 真美 社外取締役

選任理由:ダイバーシティ・マネジメントやグローバル・リーダーシップをテーマとした研究活動を行っており、その専門家としての学識を当社の経営に活かしていただくため。

ニチレイグループが、ダイバーシティ推進を宣言して3年が経過しました。これまで、女性の活躍推進、外国人の採用、障がい者雇用などを通じて、従業員の多様化を進めています。各事業会社の様々な取り組みは経営層と従業員の対話の機会の提供や、個々の考え方を受容し自由に意見を言い合える風土づくりに寄与しています。
次の展開として、ニチレイグループに必要とされるのは、多様性尊重から多様性活用への移行です。つまり、「自由に言い合える風土」から生まれた「創造の芽」を育み、実現していくことです。そのために重要なのは、多様な人材に明確なビジネス上の役割=権限を与えることです。従業員満足度指標に留まらず、業績向上に繋がる成果を生み出す活動へ進展させていくことを期待します。

ページトップへ戻る