第三者意見

第三者意見

ニチレイグループCSRレポート2013を読んで

國部 克彦

神戸大学大学院
経営学研究科教授
國部 克彦

CSRへの企業姿勢を明確にした報告書

ニチレイグループのCSRレポートは企業としての姿勢が明確に打ち出されているところに大きな特徴があります。それは、トップメッセージを他社と比較しても、具体的かつ詳細に記載されているところに端的に現れています。特に、今期から新中期経営計画が始まりますので、期待が高まります。

グローバルサプライチェーンへの積極的な展開

今年度の報告書の大きな特徴は、グローバルサプライチェーンに関して、多くのページを割いて説明していることです。中国の食品の安全性については、日本人の多くが心配していることなので、このような詳細な説明は時宜を得た重要なものです。また、環境も社会責任もサプライチェーン単位で追求すべきという国際的な潮流にも合致しています。個別の取り組みの説明が中心ですが、そこにはグローバルサプライチェーンを展開する管理システムにまで踏み込んで説明しているので、安心感が高まると言えましょう。

今後の課題としては、「環境目標と実績」の重点課題の2として、「持続可能な資源循環の推進」をあげて、このなかでサプライチェーン全体での廃棄物の削減に取り組んでいると説明されていますので、中国でのグローバルサプライチェーンの活動なども、この環境目標と連携させて、全社的に体系的に進めていくことであろうと思います。この領域で、日本の先進モデルを構築していただきたいと強く期待しています。

ダイバーシティ・マネジメントの推進とCS・ESの向上

もう一つの特徴は、ダイバーシティ・マネジメントの推進です。これまでの活動を歴史的に振り返り、取り組み課題を明確にしていることは高く評価できます。また、CS(顧客満足度)やES(従業員満足度)についても、積極的に取り組んでおり、各グループ会社の活動についても詳細に開示されています。これらの活動は欧米でも主要なCSR活動と認められているので、今後はCSRのひとつの目標としてKPI(Key Performance Indicator)化されることも検討されてよいと考えます。さらにこの問題は、顧客や従業員の生の声が何より重要なので、是非ステークホルダーとのコミュニケーションを充実させてほしいと思います。外部有識者も交えてダイアローグを開催するだけで、社会に対してオープンな会社というイメージを訴えることができますし、オープンな討議を通じて会社が学ぶべきことも多いので、いろいろな工夫をされることが大切と考えます。

ニチレイグループのCSR活動の今後一層の発展を心から期待しています。

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第三者意見を受けて

大内山 俊樹

(株)ニチレイ
取締役執行役員
CSR本部副本部長
大内山 俊樹

國部様には2010年度のCSRレポートより率直なご意見をいただいており、まずは厚く御礼申し上げます。今年度の報告書のテーマの一つである、"急激なグローバル化が進む中で、安全な食品をお客様にお届けするために、当社グループがサプライチェーンの中で取り組んでいる活動を知っていただく"という点について、"安心感が高まる"という評価をいただき、心強く思います。ご指摘いただきました課題も踏まえサプライチェーン全体を通じてより高い価値を創造し、報告できるよう努力してまいります。

また、働きがいの向上に関わるパフォーマンスデータについて、開示項目を増やしWebサイトに掲載いたしました。これをきっかけに、KPI化も含め、さらなる改善を進めていきたいと考えています。今後も幅広いステークホルダーの皆さまとの対話を重ねながら、CSR活動の推進に取り組んでまいります。