ニチレイ CSRレポート2010 マネジメント|第三者意見

ニチレイグループ「CSRレポート2010」を読んで 神戸大学大学院國部教授  國部克彦

第三者意見

「6つの責任」を軸にしたCSR活動

ニチレイグループのCSR活動は、「新たな顧客価値の創造」、「働きがいの向上」、「コンプライアンスの徹底」、「コーポレートガバナンスの確立」、「環境への配慮」、「ニチレイらしい社会貢献の推進」という6つの責任を軸に展開されています。2010年度からスタートした中期経営計画"energy 2012"でも、「6つの責任」の精神が織り込まれており、事業活動全体でCSRを推進しようとする姿勢は高く評価できます。

事業を通じた社会貢献

ニチレイグループは食品関連企業として、事業を通じた社会貢献を数多く実施しています。特集記事にある「未利用魚を活用した水産加工品」、「ベジポート旭センターでの農産物100%使い切り」、「鶏ふんを利用した循環型リサイクル」などは、ニチレイグループの事業特性を活かした社会貢献として大変重要です。これらはすべて食資源の有効利用であり、日本のみならず世界的に非常に重要なテーマです。今後も、このような活動をCSRプログラムの中核として、全社的に体系だって促進していっていただきたいと考えます。

「方針」「活動」「今後の取り組み」が明示された情報開示

ニチレイグループのCSR活動は、それぞれの項目の冒頭に、基本方針、2009年度の活動、今後の取り組みがまとめられており、CSRのPDCAを回す努力をされていることがわかります。今後は、方針と活動の間に目標を設定して、目標を中心にCSR活動を実施するようになると、より具体的な活動を有効に遂行できるようになると思います。環境については、2012年に向けた地球温暖化ガスの削減目標の設定を進めるということも評価できます。さらに、今後は2020年や2050年という中長期の観点から、現在の環境活動を見直すという視点も必要になると思われます。

バリューチェーン全体の活動へ

CSRは部分的な活動として意識するのではなく、事業全体の中でその意義を確認することが重要です。その意味で、供給業者から顧客までのバリューチェーン全体の中で、ニチレイグループが事業を通じで社会に貢献できるところを分析して、発展させることが必要です。特に、製造と物流の双方に強みを持つニチレイならではのCSRのコンセプトを打ち立てられることを期待しています。