氷の実験室 風が強いと氷は速くとける?
熱の運ばれ方と氷の溶け方の関係(2)

もともとニチレイは氷屋さんでした。
氷が大好きなニチレイはこの「氷の実験室」で、みなさんと一緒に「氷」の秘密をじっと見つめ考えていきたいと思います。
雪と氷が大好きなレイちゃんとロジロジくん、氷博士の石井先生と一緒に、氷の不思議に触れてみましょう。

もっと知りたい!

ロジロジくん

熱が速く運ばれると、氷が早くとけるなら、風を強くしたらもっと速くとけるのかな?

やってみよう!

実験9-2

風が強いと氷は速くとける?

扇風機の前の風の当たるところに置いた氷と、風の当たらないところに置いた氷のとけ方の違いを比べてみましょう。

用意するもの

  • 同じ大きさの氷 2つ
  • 同じ形の皿 2つ
  • 扇風機
レイちゃんとロジロジくん

手順

  • 1. 冷凍庫から出した氷(c)を皿に入れ、扇風機の風力を「弱」にして前に置きます。どれくらいの時間でとけるか、時間を計りながら観察しましょう。
  • 2. 次に、もう一つの氷(d)を冷蔵庫から出して、扇風機の風力を「強」にして前に置きます。1と同じように観察しましょう。 (c)と(d)どちらが速くとけたでしょうか。

※氷への風の当たる向きなどが変わると、風力の違いの効果がわかりにくくなります。
扇風機の向きや位置、氷を入れた皿を置く位置などは1と2で変えないように注意してください。

答え

風力「強」にした氷(d)が速くとける

風力「強」(d)は約30分後に、風力「弱」(c)は約40分後にとけきりました。

2つの氷の変化を時間を追ってみてみましょう。
(200ccの水でつくった氷、気温約30℃で実験しました)

10分後

まだそれほど大きな違いはありませんが、風力「強」(d)の方が、扇風機の風が当たる面(写真上方向)のとけ方がはやく、形が変わりはじめています。

20分後

(d)はだいぶ小さく薄くなり、風が強いので皿の奥(写真下方向)に吹き寄せられています。

25分後

(d)は4cm弱のかけらになってしまいました。(c)はまだ6cmくらいあって四角形を保っています。

30分後

(d)はとけきってしまいました。(c)はまだ5cmくらいあって、もう少しがんばれそうです。

氷博士

扇風機の風力を上げる、つまり氷に触れる空気の流れが速くなると、一定時間当たりに氷に与えられる熱も多くなります。それで、風力を「強」にした方が速くとけたのですね。
このような風と熱の関係は、冷凍食品の製造にも利用されています。食品を凍らせるときには、なるべく速く凍らせることで、鮮度、風味、食感を維持することができ、冷凍前の美味しさや品質を解凍時に再現することができます。そのため、工場で冷凍食品をつくるときには、単に温度を下げるだけでなく、凍らせたい食品に低温の風を吹きつけているのです。

この「氷の実験室」は、自由研究など幅広く活用していただきたいと思って作りました。
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2022年1月24日