氷の実験室 濃さの違うシロップ氷の凍り方
凝固点降下の実験(1)

もともとニチレイは氷屋さんでした。
氷が大好きなニチレイはこの「氷の実験室」で、みなさんと一緒に「氷」の秘密をじっと見つめ考えていきたいと思います。
雪と氷が大好きなレイちゃんとロジロジくん、氷博士の石井先生と一緒に、氷の不思議に触れてみましょう。

レイちゃん

明日はピクニック!飲み物のペットボトルを凍らせて、持っていこう。

ロジロジくん

あれ!水のペットボトルはカチカチに凍っているのに、ジュースはまだ凍りきっていないよ。

レイちゃん

水とジュースでは凍り方が違うのかな。

やってみよう!

実験5-1

濃さの違うシロップ氷の凍り方比べ

0℃の氷と100℃のお湯を同量混ぜて、温度を測ってみましょう。

用意するもの

  • かき氷シロップ、水
  • 試験管など同じ形の透明容器3つ
  • 氷、食塩
  • 氷を入れるボウルなどの容器
  • 温度計
レイちゃんとロジロジくん

手順

  • 1. 試験管など透明容器3つに、(A)水、(B)かき氷シロップと水を1:3で混ぜたもの(薄いシロップ水)、(C)かき氷シロップと水を1:1で混ぜたもの(濃いシロップ水)を、同量ずつ入れます。
  • 2. 氷をボウルに7分目くらいの高さまで入れ、氷の重さの1/3くらいの量の食塩を振りかけて混ぜます。ボウルの中に温度計を入れ、温度を測ります。

予想

凍る温度は、(A)水、(B)薄いシロップ水、(C)濃いシロップ水で変化するでしょうか?

  • A

    全部同じ温度で凍る

  • B

    (A)、(B) 、(C) の順に、
    凍る温度が低くなる

  • C

    (A)、(B) 、(C) の順に、
    凍る温度が高くなる

  • D

    全部同じ温度で凍り始めるが、(C)
    がゆっくり凍る

答え

B (A)、(B) 、(C) の順に、凍る温度が低くなる

かき混ぜながら凍らせていくと、(A)水は0℃で凍り始め、徐々に凍っていく間は0℃のままなのが観察できます。(B)薄いシロップ水は、凍り始めの温度が水より少し低くなります(シロップの種類などによっても違いますが、今回の実験では約-1.5℃でした)。(C)濃いシロップ水は、凍り始めの温度が(B)よりさらに低い温度になります(今回の実験では約-3.3℃でした)。

実験ちょっと失敗談①「うまく冷えない」
レイちゃん

うーん、何だかうまく冷えない・・・。

氷博士

使う氷は、大きなかち割り氷より、粒が小さめの方が均一によく冷えますよ。小さめの氷がないときは、かき氷機でかいたりアイスピックで砕いたりして使いましょう。

実験ちょっと失敗談②「凍るのが速過ぎる」
レイちゃん

わっ、あっという間に凍っちゃって、うまく温度が測れなかった!

氷博士

温度が低くなり過ぎていましたね。氷と食塩を混ぜると、最大で-21.2℃まで温度が下がるのです。この実験では-10℃くらいになればいいので、ボウルの中の温度が下がり過ぎたら、水を少しずつ入れて温度を調節するといいですね。

実験ちょっと失敗談③「水が0℃で凍らない!?」
ロジロジくん

あっ!しばらくかき混ぜるのをサボっていたら、(A)水の温度が0℃より低くなってる!!水は0℃で凍るんじゃないの!?

氷博士

水の凝固点(凍る温度)は0℃なのですが、実は、0℃になったら必ず凍るというわけではないんです。水が凍らないまま0℃より温度が低くなる現象を「過冷却」といいます。ロジロジくん、その水の容器に氷のかけらを入れるか、軽くかき混ぜてみてください。

ロジロジくん

うわ、すごい!一気に凍っちゃった!

氷博士

「過冷却」の状態をわざとつくることで、水が凍る瞬間を見ることができますよ。詳しくは、「凍り方の不思議」の実験6-2「水が凍る瞬間を見てみよう」を見てください。

この「氷の実験室」は、自由研究など幅広く活用していただきたいと思って作りました。
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2022年1月24日