氷の実験室 濡らしたタオルを振り回すと
気化熱の「冷やす力」(1)

もともとニチレイは氷屋さんでした。
氷が大好きなニチレイはこの「氷の実験室」で、みなさんと一緒に「氷」の秘密をじっと見つめ考えていきたいと思います。
雪と氷が大好きなレイちゃんとロジロジくん、氷博士の石井先生と一緒に、氷の不思議に触れてみましょう。

レイちゃん

氷は冷蔵庫でつくるよね。

ロジロジくん

そうだね。

レイちゃん

じゃあ、冷蔵庫はどうやって冷やしてるのかな?

ロジロジくん

それはボクががんばって体から冷気を・・・・・・。

レイちゃん

ウソついちゃダメ!

レイちゃんとロジロジくん

教えて、氷博士!

氷博士

教えて!氷博士

冷蔵庫を冷やす力の正体は?
液体が気体になるときに奪う「気化熱」を利用しています

現在私たちが使っている冷蔵庫やクーラーなど何かを冷やす機械は、ほとんどが「気化熱」を利用しています。気化熱とは、液体が気体になる、つまり気化(蒸発)するときに吸収する熱のこと。蒸発熱とも言います。
例えば、お風呂上がりに濡れたままでいると、体が冷えますね。これは、体についた水滴が蒸発するときの気化熱によるものです。また、アルコールをしみこませた消毒綿で腕を拭くとヒンヤリします。水よりも蒸発しやすいアルコールは、腕についたところからどんどん蒸発して熱を奪っていくため、その部分がヒンヤリ感じるのです。
さらに蒸発しやすい条件にすると、気化熱の効果は高まります。例えば、液体に風を当てたり、液体を細かい粒状にして表面積を増やしたりすると、蒸発しやすくなります。濡れた体で扇風機に当たると、風がないときよりもかなり冷えた、という経験があると思います。また、夏の屋外で、霧状の水を噴霧して涼を取るミストクーラー。水をまいているのにあまり濡れないのは、霧状(非常に細かい水滴)にすることで表面積を増やし、蒸発しやすくしているためです。そして、蒸発するときに周囲の熱を奪って冷やしているのです。
では、気化熱の冷やす力を、実験で確かめてみましょう。

やってみよう!

実験10-1

濡らしたタオルを振り回すと冷える?

用意するもの

  • タオル 2本
  • お湯(火傷しない程度の温度に)
レイちゃんとロジロジくん

手順

  • 1. タオル2本をお湯で濡らして絞ります。
  • 2. 1本はそのまま置いておき(a)、もう1本は端を持ってぐるぐると振り回します(b)
  • 3. 両方のタオルを触ってみましょう。

予想

両方のタオルの温度に違いはあるでしょうか。

  • A

    どちらも温度は変わらない

  • B

    (a)のタオルのほうが、(b)のタオルより冷たくなっている

  • C

    (b)のタオルのほうが、(a)のタオルより冷たくなっている

答え

C (b)のタオルのほうが、(a)のタオルより冷たくなっている

振り回すと風が当たって、タオルに含まれている水が蒸発しやすくなり、冷やす効果が高まります。

実験10-2

お湯を霧状にまくと冷える?

用意するもの

  • 霧吹き
  • お湯(火傷しない程度の温度に)
レイちゃんとロジロジくん

手順

  • 1. 霧吹きにお湯を入れます。
  • 2. 空中に霧吹きでお湯をまいて、その中に顔や手を入れてみましょう。まいたのはお湯ですが、触れた肌に感じる温度はどうなっているでしょう?
答え

まいた霧状のお湯に触れると、ヒンヤリと感じたと思います。霧吹きで細かい水滴にすると、表面積が増えて蒸発しやすくなるため、冷やす効果が高まります。

この「氷の実験室」は、自由研究など幅広く活用していただきたいと思って作りました。
非営利目的での複製・転載などについてのご要望は、以下からお問い合わせ下さい。

2022年1月24日