氷の実験室 電子レンジで氷をとかすと
もともとニチレイは氷屋さんでした。
氷が大好きなニチレイはこの「氷の実験室」で、みなさんと一緒に「氷」の秘密をじっと見つめ考えていきたいと思います。
雪と氷が大好きなレイちゃんとロジロジくん、氷博士の石井先生と一緒に、氷の不思議に触れてみましょう。
やってみよう!
どの氷が早くとける?
用意するもの
- 水を(8分目くらいまで)入れて凍らせたペットボトル
手順
- 1. ペットボトルのふたを開けて、電子レンジに入れます。
- 2. 1分~1分30秒ほど加熱(※500Wの場合。出力の高い電子レンジでは時間を短めに)して、取り出してみましょう。ペットボトルの中の氷はどうなったかな?
注意/飲料メーカーは電子レンジでペットボトル飲料をそのまま凍結・加熱することは推奨しておりません。あくまで「氷の実験」として十分に注意の上、実施してください。電子レンジでの加熱は、そばで様子を見ながら行い、異音や火花が散るなどの異常があればすぐに加熱を止めましょう。
やってみよう!
氷と水を同時に電子レンジにかけるとどうなる?
用意するもの
- 水(100mlくらい)
- 氷
- 氷と水を入れる器(耐熱のもの)
- 温度計
手順
- 1. 器のひとつに水を入れます。
- 2. 1.の水の温度を測ります。
- 3. もうひとつの器に氷を入れ、1.といっしょに電子レンジに入れます。
- 4. 電子レンジで1分ほど加熱します。水と氷はどうなったでしょう? 氷の状態を観察し、水の温度を測ってみましょう。
注意/飲料メーカーは電子レンジでペットボトル飲料をそのまま凍結・加熱することは推奨しておりません。あくまで「氷の実験」として十分に注意の上、実施してください。電子レンジでの加熱は、そばで様子を見ながら行い、異音や火花が散るなどの異常があればすぐに加熱を止めましょう。
予想
水と氷はどうなったでしょう?
-
A
水の温度は上がり、氷はとける
-
B
水の温度は上がり、氷はとけない
-
C
水の温度は変わらず、氷はとける
- 答え
-
B 水の温度は上がり、氷はとけない
水の温度は、電子レンジ前は約20℃、電子レンジに1分かけた後は80℃近くまで上がっていました。しかし、氷の状態は、電子レンジにかける前と後でほとんど変わりませんでした。
教えて!氷博士
- どうして氷は電子レンジでとけにくいの?
-
電子レンジの「マイクロ波」は、氷よりも水を温めやすい
実は、電子レンジに使用されているマイクロ波(2450MHz)は、水分に対して非常に発熱性が高いという特徴があります。水は氷に比べて、約8000倍も加熱されやすいのです。固く凍っている氷は、電子レンジに入れても加熱されにくく、とけにくいわけです。実験8-1でペットボトルの氷が一部分だけとけて温かくなったのは、端のほうのとけやすい部分の氷がとけて、できた水をマイクロ波が集中的に温めたからなんですね。
冷凍した肉の塊などを電子レンジで解凍しようとして、内部はまだ凍っているのに外側の一部分だけが加熱されてしまった、という経験はありませんか?これも同じ現象です。温度の上がりやすい外側の部分の氷がとけて水になると、その部分が集中的に加熱されてしまうので、解凍ムラが起こりやすいのです。ムラなく解凍できる業務用解凍機海外から輸入される肉や魚は、大きなブロックでカチカチに冷凍されて運ばれてきます。その冷凍肉などをおいしさを損なわず短時間で解凍するために、業務用の「高周波解凍機」が開発されています。この解凍機は、電磁波の中でも電子レンジのマイクロ波より波長の長い高周波(13.56MHz)を使用しています。この高周波は、マイクロ波と比べて水と氷に対する発熱性の差が少なく、また、波長が長いため内部まで届きやすいので、大きな冷凍肉でも全体を均一に解凍できるのです。
この「氷の実験室」は、自由研究など幅広く活用していただきたいと思って作りました。
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2022年1月24日