おいしさへの取り組み 本業を生かした社会貢献活動「フードバンク」に食品を寄付
ニチレイフーズ

ニチレイは「おいしさへの取り組み」という思いから、家庭で愛される商品を作り続けてきました。
家庭で愛される商品の美味しさの秘密や、皆様によりおいしい瞬間を届けるため行っている取り組みについてご紹介します。

児童養護施設などの福祉施設へ、食品を無料で届ける「フードバンク」。聞きなれない言葉だが、海外ではすでに数十年前からはじまっている、食品会社を中心とする寄付活動だ。日本では、アメリカ人のチャールズ・E・マクジルトン氏が、2002年にNPO法人「セカンドハーベスト・ジャパン(2HJ)」を設立し、フードバンク活動を社会に広めてきた。現在では2HJと700社近くの企業が提携し、約600カ所の施設へ食料寄付を行っている。
フードバンクに寄付される食品は、賞味期限内のまったく安全なもの。ケースの印字が薄かったり、ずれていたり、または写真のように外箱がつぶれて見映えが悪くなっただけのものなどばかり。しかし食品会社にとっては、箱に少しのへこみがあっても商品として取り扱えなくなる。
フードバンクのシステムがあれば、やむを得ない廃棄数を抑えられ、社会貢献と食品の有効利用が可能だ。
ニチレイフーズでも、海外から輸入されてきた食品コンテナの中で、積み重ねた荷物の自重で箱がつぶれてしまうものが、わずかながらある。それらは「ブロークン・カートン」とよばれ、従来から別の箱に詰め替えたり、飼料へ転化されるなどしてきた。しかしすべてを有効利用するのは難しく、廃棄せざるを得なかった一部の食品も何とか活用できないかということが長い間の懸案事項だった。

有効利用が難しい「ブロークン・カートン」の一例。

05年、ニチレイフーズは2HJのチャールズ氏との出会いにより、日本の大手冷凍食品会社として、はじめてフードバンク活動に参加。ニチレイロジグループのロジスティクス・ネットワークの協力を得て、2HJの認定する各施設へ冷凍食品を直接配送している。
廃棄コスト削減、寄付による社会貢献とイメージ向上など、多くのメリットが明確化され、各企業の注目を浴びた。以降、ニチレイフーズの参入をきっかけに、国内企業のフードバンク参加が一気に加速した。
寄付先の施設は逼迫(ひっぱく)した運営状況のところが多く、ニチレイフーズの食品を心待ちにしている。届いた食品で資金に少しの余裕ができ、その分で「子どもたちにおやつが出せました」などの声を聞くことも。
そうした各施設からの「ありがとう」を糧(かて)に、ニチレイフーズの社会貢献活動はさらに広がりをみせていく。

  • 初出:2010年10月1日発行ニチレイグループ広報誌 OriOri 第20号
  • 改訂:2013年5月24日

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2022年1月24日