氷の実験室 素焼き植木鉢で「エコ冷蔵庫」をつくろう
「エコ冷蔵庫」をつくろう!(1)

もともとニチレイは氷屋さんでした。
氷が大好きなニチレイはこの「氷の実験室」で、みなさんと一緒に「氷」の秘密をじっと見つめ考えていきたいと思います。
雪と氷が大好きなレイちゃんとロジロジくん、氷博士の石井先生と一緒に、氷の不思議に触れてみましょう。

「気化熱」のパワーを利用して「エコ冷蔵庫」をつくろう

液体が気体になる(気化する)ときに奪う「気化熱」。液体の水は、置いておくと何もしなくても少しずつ気化(蒸発)していきます。その気化熱を上手に利用すると、電気を使わなくても、暑いときに中の物を冷やしておける「冷蔵庫」がつくれます。暑くて乾燥している国や地域では、実用化しているところもあります。おうちにある素焼きの植木鉢を使って、実験してみましょう

実験11-1

素焼き植木鉢で「エコ冷蔵庫」をつくろう

用意するもの

  • 素焼き植木鉢2コ(同じサイズのもの
  • フタ用の布(麻布やタオルなど)、ひも
  • 温度計2本
レイちゃんとロジロジくん

手順

  • 1. 素焼きの植木鉢を、2つ用意します。1つは水で濡らし(a)、もう1つは乾いたまま(b)にします。
    水をかけて全体をよく濡らします(大きめのバケツなどに浸けてもOK)。
  • 2. (a)と(b)両方に手を入れてみましょう。濡らした植木鉢の中と乾いた植木鉢の中では、感じる温度は違うでしょうか?
  • 3. それぞれの植木鉢の中の温度を測るために、温度計を入れます。布でフタをして、風通しのいい日陰に置きます。
    ※暑い日にはコンクリートが熱をため込みやすいので、熱くなっているコンクリートの上には直に置かずに、日陰の棚などに置くのがおすすめです。
    濡らすと、感じる温度は違うでしょうか?
  • 4. 30分後くらいに、植木鉢の中の温度計を確かめてみましょう。

予想

それぞれの植木鉢の中の温度はどうなっているでしょう?

  • A

    (a)の植木鉢の中のほうが、(b)の植木鉢よりも温度が低くなっている

  • B

    (b)の植木鉢の中のほうが、(a)の植木鉢よりも温度が低くなっている

  • C

    どちらも温度は変わらない

答え

A (a)の植木鉢の中のほうが、(b)の植木鉢よりも温度が低くなっている

濡らした植木鉢の中に手を入れると、ヒンヤリ感じたと思います。素焼きの植木鉢に含まれた水が蒸発していって、その気化熱パワーで(a)の植木鉢の中は冷えるのです。
どれくらい冷えるかは、気温や湿度、風通しなどの条件によって変わります。 7日にわたって実験してみたところ、以下のような結果になりました。

実験結果

1日目(気温26℃ 湿度75%)

a
(濡らした植木鉢)
b
(乾いた植木鉢)
24℃ 26℃

温度差:2℃

2日目(気温31.5℃ 湿度56%)

a
(濡らした植木鉢)
b
(乾いた植木鉢)
26℃ 31℃

温度差:5.5℃

3日目(気温32℃ 湿度65%)

a
(濡らした植木鉢)
b
(乾いた植木鉢)
29℃ 32℃

温度差:3℃

4日目(気温31.5℃ 湿度55%)

a
(濡らした植木鉢)
b
(乾いた植木鉢)
27.5℃ 31.5℃

温度差:4℃

5日目(気温29℃ 湿度64%)

a
(濡らした植木鉢)
b
(乾いた植木鉢)
26℃ 29℃

温度差:3℃

6日目(気温29℃ 湿度46%)

a
(濡らした植木鉢)
b
(乾いた植木鉢)
23℃ 29℃

温度差:6℃

7日目(気温29℃ 湿度63%)

a
(濡らした植木鉢)
b
(乾いた植木鉢)
25℃ 29℃

温度差:4℃

この「氷の実験室」は、自由研究など幅広く活用していただきたいと思って作りました。
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2022年1月24日