ニチレイから、いま伝えたい食にまつわる
よもやま話が集まって、ひとつの「こおらす」奏でます

<第7回> 電子レンジで氷をとかすと

氷の実験室

ニチレイのルーツをさかのぼると、明治時代に設立されたふたつの製氷会社にたどりつきます。この二社はその後合併し、全国のたくさんの製氷会社を吸収して段々大きくなっていきました。もともとニチレイは氷屋さんだったということになります。今もグループの中には 株式会社ニチレイアイス という会社があって、大手の製氷メーカーです。

氷が大好きなニチレイはこの「氷の実験室」で、みなさんと一緒に「氷」の秘密をじっと見つめ考えていきたいと思います。雪と氷が大好きなレイちゃんとロジロジくん、氷博士の石井先生と一緒に、氷の不思議に触れてみましょう。

石井寛崇
(いしい・ひろたか)

ニチレイ 技術戦略企画部基盤研究グループ
冷凍食品のおいしさにも深く関わる氷について、日々研究を重ねている。

レイちゃんとロジロジくん
ニチレイロジグループのキャラクター

この「氷の実験室」は、自由研究など幅広く活用していただきたいと思って作りました。非営利目的での複製・転載などについてご希望がある場合は、株式会社ニチレイ広報部( irinfo@nichirei.co.jp )までご連絡ください。

目次

(1)氷の「重さ」を考える
実験1 氷は水に沈む?浮かぶ?
実験2 水と氷の体積変化と重さ比べ
実験2-1 食用油を凍らせてみよう
実験2-2 水と氷と油の重さ比べ
(2)氷の温度を知ろう
実験3 氷の温度を測ってみよう
(3)氷と温度変化
実験4 0℃の氷と100℃のお湯を混ぜると何℃になる?
(4)いろいろな液体を凍らせてみよう
実験5-1 濃さの違うシロップ水の凍り方比べ
実験5-2 食塩水と砂糖水の凍り方比べ
(5)凍り方の不思議
実験6-1 色つき水の凍り方を調べよう
実験6-2 水が凍る瞬間を見てみよう
(6)とけ方で氷を見分けよう
実験7 どの氷が早くとける?
(7)電子レンジで氷をとかすと…
実験8-1 氷を電子レンジにかけるとどうなる?
実験8-2 氷と水を同時に電子レンジにかけるとどうなる?
(8)熱の運ばれ方と氷の溶け方の関係
実験9-1 扇風機の前に置いた氷のとけ方を見てみよう
実験9-2 風が強いと氷は速くとける?
(9)「気化熱」を体感しよう!
実験10-1 濡らしたタオルを振り回すと冷える?
実験10-2 お湯を霧状にまくと冷える?
(10)「気化熱」のパワーを計ってみよう!
実験11-1 水の気化熱で温度はどれくらい下がる?
実験11-2 どっちが冷える?水vsアルコール
(11)気化熱パワーを利用して「エコ冷蔵庫」をつくろう
実験12-1 素焼き植木鉢で「エコ冷蔵庫」をつくろう
実験12-2 「エコ冷蔵庫」をパワーアップさせよう

ペットボトルの水を冷たくして飲もうと思って、冷凍庫に入れておいたらカチカチに凍っちゃった! 今飲みたかったのに。

電子レンジにかけてみたら?

爆発しないかな…。

やってみよう!

実験8-1 氷を電子レンジにかけるとどうなる?

用意するもの
水を(8分目くらいまで)入れて凍らせたペットボトル
手順
1. ペットボトルのふたを開けて、電子レンジに入れます。
2. 1分~1分30秒ほど加熱(※500Wの場合。出力の高い電子レンジでは時間を短めに)して、取り出してみましょう。ペットボトルの中の氷はどうなったかな?

注意/飲料メーカーは電子レンジでペットボトル飲料をそのまま凍結・加熱することは推奨しておりません。あくまで「氷の実験」として十分に注意の上、実施してください。電子レンジでの加熱は、そばで様子を見ながら行い、異音や火花が散るなどの異常があればすぐに加熱を止めましょう。

あ、一部分だけがとけて、そこだけちょっと温かくなってるよ!

ホントだ。他のところはまだ凍ってるのに、ここだけ温まってるね。どうしてこんなふうになったんだろう?

やってみよう!

実験8-2 氷と水を同時に電子レンジにかけるとどうなる?

用意するもの
水(100mlくらい)

氷と水を入れる器(耐熱のもの)
温度計
手順
1. 器のひとつに水を入れます。
2. 1.の水の温度を測ります。
3. もうひとつの器に氷を入れ、1.といっしょに電子レンジに入れます。
4. 電子レンジで1分ほど加熱します。水と氷はどうなったでしょう? 氷の状態を観察し、水の温度を測ってみましょう。
予想
実験8-2の結果を予想してみましょう。
A. 水の温度は上がり、氷はとける
B. 水の温度は上がり、氷はとけない
C. 水の温度は変わらず、氷はとける

答え

どうして氷は電子レンジでとけにくいの?

電子レンジの「マイクロ波」は、氷よりも水を温めやすい
実は、電子レンジに使用されているマイクロ波(2450MHz)は、水分に対して非常に発熱性が高いという特徴があります。水は氷に比べて、約8000倍も加熱されやすいのです。固く凍っている氷は、電子レンジに入れても加熱されにくく、とけにくいわけです。実験8-1でペットボトルの氷が一部分だけとけて温かくなったのは、端のほうのとけやすい部分の氷がとけて、できた水をマイクロ波が集中的に温めたからなんですね。
 冷凍した肉の塊などを電子レンジで解凍しようとして、内部はまだ凍っているのに外側の一部分だけが加熱されてしまった、という経験はありませんか? これも同じ現象です。温度の上がりやすい外側の部分の氷がとけて水になると、その部分が集中的に加熱されてしまうので、解凍ムラが起こりやすいのです。
ムラなく解凍できる業務用解凍機
海外から輸入される肉や魚は、大きなブロックでカチカチに冷凍されて運ばれてきます。その冷凍肉などをおいしさを損なわず短時間で解凍するために、業務用の「高周波解凍機」が開発されています。この解凍機は、電磁波の中でも電子レンジのマイクロ波より波長の長い高周波(13.56MHz)を使用しています。この高周波は、マイクロ波と比べて水と氷に対する発熱性の差が少なく、また、波長が長いため内部まで届きやすいので、大きな冷凍肉でも全体を均一に解凍できるのです。

非営利目的での複製・転載などについてご希望がある場合は、株式会社ニチレイ広報部
irinfo@nichirei.co.jp)までご連絡ください。

2013.3.12 更新

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