高感度ALK IHC キット 体外診断用医薬品の製造販売承認申請について

報道関係者各位

平成25年11月8日
株式会社ニチレイ

高感度ALK IHC キット
体外診断用医薬品の製造販売承認申請について

当社グループの株式会社ニチレイバイオサイエンス(本社:東京都中央区 代表取締役社長 中村 隆、以下ニチレイバイオサイエンスという)は、体外診断用医薬品として開発中の高感度ALK IHC 注1 キット(以下、本キットという)の医薬品製造販売承認申請を2013年11月7日に厚生労働省に行いましたので、お知らせ致します。

本キットは、ALK(未分化リンパ腫キナーゼ:Anaplastic Lymphoma Kinase)融合遺伝子陽性の非小細胞肺がんの治療薬として中外製薬株式会社(本社:東京都中央区 代表取締役会長 最高経営責任者・永山 治)が製造販売承認申請中のALK阻害剤 アレクチニブ塩酸塩 注2 のコンパニオン診断薬 注3 です。
本キットは非小細胞肺がんの患者さんの腫瘍組織を検体として使用し、高感度IHC法 注1 を用いてALK融合タンパク 注4 を検出することで、ALK融合遺伝子の有無について精度の高い検査が可能になります。ALK融合遺伝子陽性の肺がん患者さんにおける治療薬投与の判断の補助に使用されることで、患者さんに適切な治療を提供する個別化医療 注5 に貢献していくことと考えております。

ニチレイバイオサイエンスの免疫関連技術(免疫組織化学染色試薬、自動免疫染色機器、イムノクロマト製品)は、これまで乳がん、胃がんに対する免疫組織化学染色による診断薬や、インフルエンザなどの感染症に対する診断薬の製造販売で実績を積み上げております。特に、国内外で急速な拡大が見込まれているがん治療分野における個別化医療に対しては、免疫関連技術の更なる向上を図り、医療従事者の正しい病理診断を通じ、患者さんへの適切な治療に貢献してまいります。

注1.IHC(Immunohistochemistry)法
免疫組織化学染色的手法といい、抗体を用いて組織・細胞内の抗原を検出する手法で、発色を行うことで抗原の有無を光学顕微鏡で容易に検出することができます。

注2.ALK阻害剤 アレクチニブ塩酸塩
アレクチニブ塩酸塩(開発コード:AF802、ロシュ社開発コード:RG7853、治験成分番号:CH5424802)は、中外製薬が創製し、2013年10月7日に厚生労働省に製造販売承認申請を行ったALK阻害剤で、ALK(未分化リンパ腫キナーゼ:Anaplastic Lymphoma Kinase)融合遺伝子陽性の非小細胞肺がんに対する希少疾病用医薬品です。

注3.コンパニオン診断薬
バイオマーカーや遺伝子などを検査して、患者さんに適切な医薬品や治療法を選択することを可能にする体外診断用医薬品です。特定の医薬品の有効性や安全性の向上を目的に使用され、現在ではいくつかのコンパニオン診断薬が、がんの分子標的治療薬の投与判断の補助に使用されています。

注4.ALK融合タンパク
ALK融合遺伝子から発現されるタンパク質です。ALK融合遺伝子は非小細胞肺がんの2〜5%にみられることが報告されています。

注5.個別化医療
一般的な診療情報に加えて、患者さん一人ひとりの体質や病態をバイオマーカーや遺伝子によって把握することで、効果が高く、副作用の少ない適切な治療法や医薬品投与を行う医療です。

【参考情報】

設    立
2005年4月(ニチレイから分社)
資 本 金
450百万円
売 上 高
2,756百万円(2013年3月期)
従 業 員
103名(2013年3月末日現在)
事 業 所
本社:東京都中央区
開発センター:東京都東村山市
関西支所:大阪府大阪市北区
沿    革
1980年代、アメリカなどから細胞を培養するために使用される牛の血清を輸入したところからバイオ事業に参入。その後、バイオ医薬品の開発生産用の培地の販売、さらには免疫関連技術を基盤とした免疫組織染色製品並びにイムノクロマト製品の製造、販売を手掛けています。

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