冷蔵倉庫での急速冷凍・解凍で需給調整

2021年03月01日

ニチレイロジグループ

背景

流通構造的に、販売期間が短いチルド食肉

日本では、食卓に並ぶ食肉は、精肉店・量販店で解凍などの手間がかからないチルド流通がメインです。輸入の場合も、生産国にもよりますが、牛肉や豚肉はチルド保存で輸入されるものが多くなっています。
チルド保存は、技術が進歩してきているものの、冷凍保存に比べるとかなり賞味期限が短くなります。さらに、輸入の牛肉や豚肉の場合は輸送に時間がかかる分、短い期間で販売しなければならず、輸入・販売業者はその調整に苦労しています。

チルド食肉

季節やイベントに左右されやすい需要

食肉は、季節やイベント、天候変化などの影響を受けやすい商品でもあります。例えば、クリスマスのチキンや、寒くなる時期の鍋料理の具材。これらの大きな需要の変化にチルド保存のみで対応しようとすると、どうしても供給が追い付きません。
そこで、食肉の需給調整に大きな役割を果たしているのが冷凍保存です。賞味期限が残り少なくなったチルド保存の食肉を冷凍することによって、需要のタイミングまで保存期間を延ばすことができます。

1日に大量の消費が集中するクリスマスのチキン

気温の上下に需要が左右されやすい鍋の具材

ニチレイの取り組み

急速凍結で品質を保って需給調整

食肉のおいしさと品質を損なわずに冷凍保存するために必要なのが、急速凍結。急激に温度を下げて、細胞を破壊する氷の粒のできやすい温度帯(最大氷結晶生成帯:−5〜−1℃)をすばやく通過させます。国内No.1の低温物流インフラを有するニチレイロジグループでは、全国にある複数の拠点(物流センター)で急速凍結の設備と技術を保有。お客様(荷主)のご依頼によって、お預かりしている食肉を、冷蔵倉庫の中でチルド保存から冷凍保存に切り替えることが可能です。それによってお客様は、需要に合わせたムダのない販売ができ、食品ロス削減につながっています。

急速凍結庫(咲洲物流センター・大阪府)

高周波解凍機(咲洲物流センター・大阪府)

高品質解凍で劣化や廃棄を減らす

解凍については、全国の複数の物流センターに、厚みのある食品でも均一に解凍できる高機能解凍機を導入。この解凍機と熟練スタッフの技術によって、自然解凍や流水解凍などと比較して、解凍ムラやドリップロスを最小限に抑えた解凍ができます。高品質な解凍を行うことで食品加工での食肉の劣化や廃棄を減らし、食品ロスの削減につながっています。