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技術レポート

固定前組織片洗浄法と免疫組織化学染色法
抗免疫グロブリンモノクロナール抗体を用いた腎組織・骨髄穿刺液の染色法
使用方法
■操作手順
1) 固定前組織切片洗浄法。組織片を固定前にPBS※1で洗浄し、可溶性タンパク質を除去する。
・腎組織の場合
(生検)組織片を冷蔵庫内で4℃に冷やしたPBSに浸漬し、2時間静置する。
(培検)組織片を冷蔵庫内で4℃に冷やしたPBSに浸漬し、2〜24時間静置する。
・骨髄穿刺液の場合
(生検)組織片を冷蔵庫内で4℃に冷やしたPBSに浸漬し、2時間静置する。
(培検)組織片を冷蔵庫内で4℃に冷やしたPBSに浸漬し、2〜24時間静置する。
1)穿刺吸引された骨髄液に抗凝固剤※2を加え穏やかによく混和する。
2)骨髄液1に対してPBS9を加え混合する。
3)2000rpm、3分間遠心分離後、冷蔵庫で4℃2時間静置する。遠心後、骨髄組織片は最イ表層及びバフィーコート層に存在する。
2) 組織片を中性緩衝ホルマリン液※3に浸漬し、室温で約20時間固定する。
骨髄組織片の場合は、最表層及びバフィーコート層に存在する骨髄組織片をキャピラリーなどを用いて回収し、チューブの中で穏やかに混和する。
3) パラフィン包理する。
4) 切片を作成する。
剥離防止のため、シランコートスライドガラスを使用する。
5) 脱パラフィン後、蒸留水で5分間洗浄する。
6) 3%過酸化水素水による内因性ペルオキシダーゼ活性阻止操作を行う。室温、5分間。
7) TBS※4で洗浄する。(常温、5分間、3回)
8) 0.01%プロテアーゼ※5でタンパク分解処理する。室温、15分間(骨髄組織)あるいは30分間(腎組織)。
9) TBSで洗浄する。(常温、5分間、3回)
10) ウサギ正常血清(ニチレイコード:426052)によるブロッキング操作を行う。常温、10分間。
11) TBSで希釈した一次抗体を反応させる。4℃、一晩。
・抗免疫グロブリンGモノクロナール抗体(A57H)(ニチレイコード:413271)50倍希釈。
・抗免疫グロブリンAモノクロナール抗体(CB1-10.4/B8)(ニチレイコード:413281)100倍希釈。
・抗免疫グロブリンMモノクロナール抗体(R1/69)(ニチレイコード:413291)100倍希釈。
12) TBSで洗浄する。(常温、5分間、3回)
13) ビオチン標識抗マスクIgG+IgA+IgM抗体(動物種 ウサギ)(ニチレイコード:426032)を反応させる。常温、30分間。
14) TBSで洗浄する。(常温、5分間、3回)
15) ペルキシオキターゼ標識ストレプトアビジン(ニチレイコード:426062)を反応させる。常温、30分間。
16) TBSで洗浄する。(常温、5分間、3回)
17) ヒストファインシンプルステインDAB溶液(ニチレイコード:415172)で発色させる。
18) 精製水で洗浄する。
19) ヘマトキシリン溶液で対比染色する。
20) 脱水、透徹、封入、検鏡。
※1:10mM PBS(pH7.4)
※2:アングロット/ET(株式会社 アズウェル)
※3:マイルドホルム10N(和光純薬 コード:133-10311)
※4:50mM TBS(pH7.6)
※5:プロテアーゼ(Type XXIV:Bacterial. SIGMA コード:P8038)が0.01%となるように、50mMトリス緩衝液(pH7.6)に溶かす。
染色例
■抗免疫グロブリンGモノクローナ抗体(A57H)
膜性腎症(剖検):糸球体係蹄壁に沿って陽性反応を示す。
プロテアーゼ処理(+)。
骨髄腫 : 骨髄中にみられる腫瘍細胞の細胞質に陽性反応を示す。
プロテアーゼ処理(+)。
■抗免疫グロブリンAモノクローナル抗体
(CB1-10.4/B8)
   
IgA腎症(剖検):主として腎糸球体メサンギウム領域に陽性反応を示す。
プロテアーゼ処理(+)。
骨髄腫 : 骨髄中に多数みられる腫瘍細胞の細胞質に陽性反応を示す。
プロテアーゼ処理(+)。
■抗免疫グロブリンMモノクローナ抗体(R1/69)
膜性腎症(剖検):糸球体係蹄壁に沿って陽性反応を示す。
プロテアーゼ処理(+)。
原発性マグログロブリン血症:骨髄中に多類みられる異形細胞に陽性反応を示す。
プロテアーゼ処理(+)。
■参考文献
(1)濱川真治他:腎生検における酵素抗体法の有用性。病理技術第56巻、9-12、1997
(2)濱川真治他:当院における骨髄穿刺液の検体処理法の新しい試み。病理技術58巻, 4-5, 1998
(3)濱川真治他:酵素抗体法による免疫グロブリンの染色に有効な検体処理法。MedicalTechnology 28, 19-20, 2000
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