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免疫組織化学染色法

HER2検査
判定方法
光学顕微鏡によって陽性反応を観察する。検体組織中にHER2/neuタンパクが存在する場合、腫瘍細胞の膜および細胞質が茶褐色を呈する。染色強度の結果判定は、腫瘍細胞の膜における染色のみを対象とし、細胞質は判定の対象外である。
(1) 検体対照スライドおよびコントロールスライドの特異染色性および染色強度を観察し、染色手順および構成試薬の性能を確認する。
(2) 陽性所見を示す検体標本スライドを選択し、HER2/neuタンパク染色像を確認する。
(3) 非浸潤性の癌細胞は検索対象から除外する。
(4) まず、光学顕微鏡の4倍対物レンズを使用して、検体標本内の癌細胞のHER2/neuタンパク陽性染色像、陽性染色強度、陽性細胞率を観察する。
(5) 次に対物レンズを10倍に切り替え、陽性所見が細胞膜か細胞質に局在するかを検索する。細胞質のみに陽性所見が見られるものは陰性と判定する。
(6) ほとんどの検体組織において、10倍対物レンズで細胞膜に局在する陽性像が確認できるが、陽性像が確認できない場合はさらに20倍対物レンズで検索する。
判定基準
胃癌検体
染色強度
スコア
切片標本の染色パターン 生検標本の染色パターン HER2 過剰発現
判定
0 細胞膜に陽性染色なし、あるいは細胞膜の陽性染色がある癌細胞が一切片に10%未満である 陽性染色なし、あるいは細胞膜の陽性染色がある癌細胞なし 陰 性
1+ 弱/ほとんど識別できないほどかすかな細胞膜の染色がある癌細胞が一切片に10%以上認められる 
癌細胞は細胞膜のみが部分的に染色されている
癌細胞の染色割合に関係なく、弱/ほとんど識別できないほどかすかな細胞膜の陽性染色がある癌細胞クラスタ−(集塊)*が1つ以上あり 陰 性
2+ 弱〜中程度の完全な側方あるいは側方・基底膜側の細胞膜の陽性染色がある癌細胞が一切片に10%以上認められる 癌細胞の染色割合に関係なく、弱〜中程度の完全な側方あるいは側方・基底膜側の細胞膜の陽性染色がある癌細胞クラスタ−(集塊)*が1つ以上あり 境界域
(Equivocal)
3+ 強い完全な側方あるいは側方・基底膜側の細胞膜の陽性染色がある癌細胞が一切片に10%以上認められる
全周性に認められない場合もある
癌細胞の染色割合に関係なく、強い完全な側方あるいは側方・基底膜側の細胞膜の陽性染色がある癌細胞クラスタ−(集塊)*が1つ以上あり 陽 性
*5個以上の癌細胞の集塊と定義される
スコア判定上の注意点
■胃癌検体のスコア判定上の注意点

1. 切片標本内の腫瘍細胞の中で細胞膜への陽性所見を有する細胞が10%以上か未満か確認する。
生検標本では、陽性クラスターの局在を観察する。細胞膜への陽性染色は必ずしも完全でなくてよい。
<切片標本> <生検標本>
10%未満 → スコア 0  陽性クラスターがない → スコア 0
10%以上  → スコア 1+〜3+  陽性クラスターが 1 つ以上ある → スコア 1+〜3+

2.細胞膜への陽性所見の強度を確認する。
<切片標本、 生検標本>
弱/ほとんど識別できないほどかすかな染色強度 → スコア 1+
1弱〜中程度の染色強度 → スコア 2+  
強い染色強度 → スコア 3+

以上の判定基準により、判定スコア0または1 +は HER2/neu タンパクの過剰発現なし、 判定スコア 2+は、境界域、 3+はHER2/neu タンパクの過剰発現があるものとする。
乳癌検体
染色パターン 染色強度
スコア
HER2/neu
タンパクの過剰発現の有無
検体組織中の腫瘍細胞の中でHER2/neu 陽性を呈している細胞がない。または10%に満たないもの。 0 な  し
検体組織中の腫瘍細胞の中でHER2/neu 陽性を呈している細胞が10%以上あるが、腫瘍細胞の一部の膜に限局した弱い染色強度を有するもの。 1+ な  し
検体組織中の腫瘍細胞の中でHER2/neu 陽性を呈している細胞が10%以上あり、腫瘍細胞の膜に限局した中程度の染色強度を有するもの。 2+ あ  り
検体組織中の腫瘍細胞の中でHER2/neu 陽性を呈している細胞が10%以上あり、腫瘍細胞の膜に限局した強度の染色強度を有するもの。 3+ あ  り
スコア判定上の注意点
■乳癌検体のスコア判定上の注意点

1.腫瘍細胞の中で細胞膜への陽性染色を有する細胞が10%以上か未満か確認する。
10%未満 →スコア 0
10%以上 →スコア 1+ 〜 3+

2.細胞膜への陽性染色が、一部あるいは完全であるか確認する。
一部である →スコア 1+
完全である →スコア 2+ 〜 3+

3.完全な細胞膜の陽性染色の強度を確認する。
弱〜中程度 →スコア 2+
強い →スコア 3+
※各施設においてHER2/neu タンパクの過剰発現の基準となる検体対照スライドが確定するまで、別売りの「ヒストファインHER2コントロールスライド」を標準として、使用することを推奨する。
以上の判定基準により、判定スコア0または1+はHER2/neu タンパクの過剰発現なし、判定スコア2+または3+はHER2/neu タンパクの過剰発現があるものとする。
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