ニチレイ75年史
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■金田幸三、社長に就任 前期計画では以下の3つのテーマを掲げたが、特に重点を置いたのは3つ目の技術開発体制の戦略的強化※13 だった。日進月歩の技術をいかに導入するかが鍵とされ、「明日のニチレイ」で掲げた新規事業の育成上も重要だった。1983~85年度の中計期間は技術開発体制の確立に向けた準備期間と位置づけられた。(1) 経営管理業務の効率化(①機構革新 ②業績管理システムの改善 ③間接部門の活性化)(2) 事業部門の収益力強化(3) 技術開発体制の戦略的強化第5代代表取締役社長 金田幸三 日本経済が第2次石油危機後の不況から脱して事業環境が好転する中、「前期経営計画」の始動を目前に、淺原社長は辞意を表明した。 第1次石油危機後の混乱期に朝長路線を受け継ぎ、200カイリ問題、第2次石油危機、そして最大の経営危機に直面する中で対応にあたってきた淺原は、後継者として「明日のニチレイ」に一緒に取り組んできた金田幸三を指名した。1983年4月の役員会を経て金田は第5代代表取締役社長に就任※14 し、淺原は会長に退いた。 このトップ交代は、当社にとって時代の転換を示すものでもあった。これまで4代の社長は日本水産(株)、帝国水産統制(株)の出身だった。1952年入社の金田は日本冷蔵初の生え抜き社長となった。69※13 技術開発の方向としてバイオテクノロジー、食品加工技術、メカトロニクス※14 小野専務が副社長に、坪井取締役が常務となり、新社長を補佐することにの各分野が挙がった。なった。第4章 経営危機を乗り越えて

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