ニチレイ75年史

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ディナー（コーンポタージュ、グリーンピースポタージュ、ビーフシチュー、タンシチューなど）」シリーズの他、中華シリーズ（シューマイ、ギョーザ、春巻など）、コロッケシリーズ（ポーションコロッケ、コーンコロッケなど）を展開した。　1959年以来、当社はスター印を活用していたが、74年、市販用冷凍食品のブランドを「グリーンベルトのニチレイ」に変更した。商品パッケージに緑の帯をあしらい、丸みのあるカタカナでニチレイと表記した。グリーンベルトの展開と同時に、テレビアニメ「ウリクペン救助隊」の5分間番組を提供したほか、販促キャンペーンも連動させ、雑誌広告も投入した。「ポークシューマイ」と「ミニバーグ」グリーンベルトのニチレイの雑誌広告第2部酒類卸。　成長著しい冷凍食品には、その後も雪印乳業（株）（1971年）や味の素（株）（72年）などの新規参入が相次いだ。激しい競争が市場を拡げ、冷凍食品の生産量は1965年から73年までの毎年、年率14～60％の高い伸びで増大、1973年には31万7,772ｔに達した。売場が拡充したことで消費者が注目し、市販用冷凍食品が売れ始めたのである。　これに呼応して、当社は1969年、高槻食品工場※33 を新設したほか、森工場の設備も増強。72年には長崎洋行（株）を長崎日冷食品工業（株）とし、船橋・第二工場（シューマイ、ギョーザ自動ライン）が稼働するなど、生産力を強化した。販売面でも神奈川日冷スター販売（株）、福岡日冷スター販売（株）を設立したほか、66年から68年に全国16カ所に販売所を新設、体制を固めた。　当社グループ以外とは1970年に鈴木洋酒店※34 と合弁で冷凍食品の販売会社・（株）スターバナーを設立、73年には松下鈴木※35 と合弁で関西スターバナー（株）を設立して販路を拡げた。　当社の冷凍食品の販売量は概ね順調に伸びた。1968年度の売上高は25億円を超え、全社売上に占める比率は5％に達した。翌69年度の売上高は68億円強、全社比率は11.1％に急上昇し、1973年度は226億4,100万円で1969年度の3倍以上となり、全社比率は17.4％になった。しかし売上規模こそ58年品種196519661967196819691970197119721973水産物農産物畜産物調理食品その他合計26,468 8,942 9,893 5,849 1,148 数量3,845 1,224 金額335 1,532 37,961 13,365 数量12,482 7,857 3,641 6,662 2,094 金額982 1,063 54,129 19,354 数量20,115 10,208 4,430 11,112 3,405 金額5,015 1,333 1,354 77,108 25,397 数量28,787 15,375 6,847 5,280 17,881 金額8,052 2,316 2,204 48,288 2,346 123,499 数量40,384 28,529 3,952 9,710 22,847 金額8,522 3,062 1,325 63,655 3,408 141,305 数量31,736 35,386 7,120 金額15,229 30,859 8,780 3,825 2,568 数量38,630 29,688 11,109 101,300 3,226 183,953 金額11,129 3,447 4,188 43,060 数量39,657 35,569 13,991 152,104 3,554 244,875 金額15,049 3,974 6,066 66,753 数量41,564 46,264 9,789 217,599 2,556 317,772 金額19,796 6,218 4,494 95,676 684 2,380 23,716 40,966 64,530 （単位：数量 t、金額百万円）636 70 616 143 22 5 702 29 228 457 580 698 638 1965〜73年の日本の冷凍食品生産高※33 日本初の冷凍食品専門工場。※34 1875年に鈴木恒吉が東京・日本橋で洋酒缶詰直輸出入商として創業した有力※35 1886年に大阪で創業した松下善四郎商店（のちに松下商店）と鈴木洋酒店が1971年に合併した大手酒類卸。1996年に伊藤忠食品（株）となり、日本有数の食品卸に成長した。■相次ぐ参入と市場の拡大　当時、冷凍食品を生産していたのは当社を中心に日本水産（株）、日魯漁業（株）、大洋漁業（株）のほか（株）加ト吉、弥生食品（株）などで、1969年の全国生産量は前年の7万7,000ｔ余りから12万3,500ｔへと50％以上の伸びを示した。業務用商品が多かったが、市販用も増えていた。この頃に冷凍食品アイテムの原形がほぼ固まり、エビフライ、ハンバーグ、コロッケ、シューマイ、ギョーザの5大品目が市場に定着していった。