ニチレイ75年史
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 当社の源流となった人々は、幕末から明治にかけて、まさに近代日本の黎明期にその事業を始めた。製氷、冷蔵を生業とする幾多の企業が生まれ、吸収合併を繰り返しながら、規模を大きくしていった。それが母体となり、第二次世界大戦による経済統制のさなか、国内や占領地での食料の流通を支える目的で帝国水産統制株式会社として発足した。 敗戦による占領下、被災した事業所の数々と復員による膨大な数の従業員を抱え、民間企業、日本冷蔵株式会社として歩み始めた。戦後の復興とともに、国民の食生活の向上、発展に力を尽くした。 1985(昭和60)年には株式会社ニチレイに社名を変更し、日本のみならず海外でも事業活動を積極的に行うようになる。2005(平成17)年の持株会社化を経て、東京オリンピックが延期されたコロナ禍のうちに創立75周年を迎えた。 当社を取り巻く環境は、グローバル規模で目まぐるしい変化にさらされている。食料資源の有効利用、気候変動や感染症への対応など、取り組むべき社会的課題も多い。こうした先の見えない不透明な環境下にはあるが、振り返れば、当社は創業以来、ステークホルダーとの対話を絶やすことなく、先が見通せないような数々の困難な局面に対応し乗り越え、発展してきた。 現在、ニチレイグループは「くらしを見つめ、人々に心の満足を提供する」というミッションのもと、冷凍食品に代表される加工食品事業、食品を安全にお届けするという社会インフラを担う低温物流事業、世界中のこだわり抜いた素材を扱う水産・畜産事業、医療に用いる診断薬等のバイオサイエンス事業を展開し、人々の食と健康を支え続けている。 これから先、「100年続く企業」を目指して歩みを続けて行くなか、先達の営みに触れることが、ニチレイグループに関わるすべての方の参考となれば幸いである。174代表取締役社長 大櫛櫛櫛櫛櫛結びにかえて

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