ニチレイ75年史
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■長期環境目標の制定とTCFD提言への賛同 当社は長期経営目標「2030年の姿」の実現に向けた5項目のグループ重要事項(マテリアリティ)の一つに、気候変動への取り組みを位置付けている。重要事項を特定する過程で「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」の提言に基づき、気候変動が事業に与えるリスクおよび機会を評価し、ガバナンス・戦略・リスク管理・指標と目標の4つの視点からシナリオ分析を行った。 食の川上から川下に至る広い領域でグローバルに事業を展開する当社グループがサステナブルに事業を行っていく上では、気候変動が与える影響を考慮する中で低炭素社会の実現に向けた取り組みが重要であるとニチレイグループの低炭素政策 2021~2030年 ニチレイグループは、TCFD提言へ賛同し、以下の低炭素政策を推進する低炭素政策の柱と概要、対象範囲1.長期環境目標の設定など移動燃焼源など気、購入する物品・サービス など託、製品、原材料、廃棄物の輸送 など国内 Scope1・2海外 Scope1・2Scope3認識するに至った。併せて、気候変動シナリオ分析で検討した低炭素社会実現への取り組みにおいて、2020年6月、CO2排出量削減に向けたグループ長期環境目標・施策を策定した。取り組みの実効性を高めていくため、2020年6月、TCFD提言への賛同およびTCFDコンソーシアム※28 への参加を決定している。•2030年に国内・Scope1・2におけるCO2排出量を30%削減(2015年度比)2.海外におけるCO2削減に向けた対応策の推進• 海外事業所におけるデータ収集等の取り組みを推進• 海外におけるCO2排出削減に向けた対応策を検討・推進3.Scope3におけるCO2削減に向けた対応策の推進•Scope3におけるデータ収集等の取り組みを推進•Scope3におけるCO2排出削減に向けた対応策を検討・推進※Scope1~3は、温室効果ガス(GHG)排出量の算定と報告の基準であるGHGプロトコル※29で次のように定義されている。Scope1:直接排出/電力、熱、蒸気の生産、トラックや列車、船Scope2: エネルギー利用に伴う間接排出/購入する電力、蒸Scope3: その他の間接排出/従業員の通勤や出張、製造委173※26 被害状況は、2018年11月6日現在、「平成30年版 消防白書」より※27 被害状況は、消防庁災害対策本部「令和元年台風19号及び前線による大雨による被害及び消防機関等の対応状況(第64報)」(2020年1月10日)より第10章 未来へ~新しい顧客価値の創造へ向けたニチレイグループの取り組み※28 TCFDに賛同した投資家と機関が共同で産業ごとにシナリオ分析・定量化の手法を開発し、共有することを目的として発足したコンソーシアム。※29 1998年に「持続可能な開発のための世界経済人会議(WBCSD)」と米国の環境シンクタンク「世界資源研究所(WRI)」を中心に開発された。■自然災害の被災地および被災者支援 ニチレイグループは、自然災害により甚大な被害を被った被災地の早期復興を支援するため、義援金を寄付している。 「平成30年7月豪雨(前線及び台風第7号による大雨等)」(2018年6月28日~7月8日)においては、西日本を中心に全国的に広い範囲で記録的な大雨となり、死者・行方不明者232人、住宅の全壊・半壊を合わせて1万7,600棟余、床上・床下浸水した住宅が3万棟を超える※26 など大きな被害をもたらした。 また、「令和元年東日本台風(台風第19号)による大雨、暴風等」(2019年10月10日~10月13日)では、長野市で千曲川の堤防が決壊するなど広い範囲で河川の氾濫が相次いだほか、土砂災害や浸水被害が発生した。その後の前線や低気圧の影響も含めて、死者・行方不明者102人、全壊・半壊した住宅は3万2,000棟余、床上・床下浸水した住宅が3万棟を超えた※27 。  ニチレイグループは日本赤十字社を通じてそれぞれ1,000万円の義援金を寄付するとともに、有志従業員の賛同金と会社からの拠出によるマッチングギフト制度である「ニチレイふれあい基金」より、同じく日本赤十字社に100万円を寄付した。 なお、「ニチレイふれあい基金」からは、このほか、千葉県を中心とした関東地方に大きな被害を与えた「令和元年台風第15号」(2019年9月9日~9月10日)の被災地支援として、日本赤十字社に200万円を寄付している。

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