ニチレイ75年史
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■国産鶏肉「オメガバランスチキン」の生産開始 ニチレイフレッシュの子会社であるニチレイフレッシュファームは、岩手県九戸郡洋野町に新たな養鶏農場「有家農場」を建設し、2018年3月、国産鶏肉「オメガバランスチキン」生産のための養鶏を開始した。 ニチレイフレッシュは亜麻仁油に含まれるオメガ3系脂肪酸(α-リノレン酸)に注目し、2005年には「オメガバランスポーク」を開発。鶏肉では2017年にタイで「オメガバランスチキン」の開発に成功し調達していた。 有家農場の稼働により、国内で生産・供給できる体制が整い、年間43万羽の出荷を予定している。なお、既存の洋野農場では年間140万羽の「純和鶏」を飼育・出荷しており、自社養鶏による生産・調達をさらに拡大し、国産チキンの事業基盤を強化することとなった。■業務用水産加工品「だしの恵み」シリーズを発売 ニチレイフレッシュは、だしのうま味を活かした業務用水産加工品「だしの恵み」シリーズを、2019年11月より新たに展開した。 日本では2001(平成13)年度に40.2kgだった1人当たりの年間魚介類消費量※17が、2017年度には24.4kgに減少した。一方、魚介類の摂取を増やしたいという消費者は4割以上※18に上るなど、もっと魚を食べたいという意識もうかがえる。それにもかかわらず、魚食離れが進んでいるのは、食の欧米化による肉食の増加に加え、魚介類の調理は下ごしらえが煩雑であることや、特有の魚臭さなどが敬遠されていることなどが理由として考えられた。 これらの課題解決に向けて、同社はだしのうま味や効能に着目した。だしには魚介類の生臭みを抑える効果が知られており、だしのうま味により下味をつけることで塩味をひかえながら素材の味を引き立てることができる。これらの効果を活かした水産加工品を独自の製法で開発、まずは世代を問わず人気のある唐揚げよりスタートし、「えび唐揚げ」「さんま竜田揚げ」「さば竜田揚げ」「いわし竜田揚げ」の4品を発売した。■ASC認証・MSC認証の水産物への取り組み ニチレイフレッシュは水産資源の持続可能性に配慮した調達を目指し、MSC認証やASC認証を取得している漁業者、養殖者とともに認証付き水産品の開発に取り組んでいる。MSC認証は天然の水産物を対象とし、ASC認証は養殖水産物を対象とした国際認証制度で、2020(令和2)年6月現在、MSC認証の水産物は前年より1種類(タラバガニ)増えて17種類、ASC認証も1種類(マガキ)増えて3種類を取り扱っている。ASC認証:ブラックタイガー、バナメイエビ、マガキMSC認証:サケ類(カラフトマス、キングサーモン、ギンザケ、シロザケ、ベニザケ)、カレイ類(アラスカ日本向け製品はもとより、市場規模が大きい中国や北米を主なターゲットに海外向け製品の生産・販売も視野に入れた事業展開を目指している。「オメガバランスチキン」うげアブラカレイ、黄金カレイ、浅羽カレイ、白カレイ)、スケトウダラ、マダラ、ホタテガイ、タイセイヨウニシン、カラフトシシャモ、ズワイガニ、カナダホッキ貝、タラバガニMSC認証ニシンの魚卵を使った「数の子松前漬け」「だしの恵み」シリーズ167※17 農林水産省「食料需給表」より※18 日本政策金融公庫「平成28年度上半期消費者動向調査」より第10章 未来へ~新しい顧客価値の創造へ向けたニチレイグループの取り組み

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