ニチレイ75年史
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■「第5回モーダルシフト取り組み優良事業者表彰 制度」にて受賞 2018(平成30)年11月、ロジスティクス・ネットワークは、一般社団法人日本物流団体連合会が主催する「第5回モーダルシフト取り組み優良事業者表彰制度」において、「新規開拓部門・有効活用部門」優良事業者賞を受賞した。幹線輸送における各種モーダルシフトの取り組みが評価されたもので、今回選定されたモーダルシフトの取り組み事例は次のとおりである。■第20回物流環境大賞における 「物流環境保全活動賞」受賞 2019(令和元)年9月、ロジスティクス・ネットワークは、一般社団法人日本物流団体連合会が主催する第20回物流環境大賞において「物流環境保全活動賞」を受賞した。 同大賞は、物流部門における環境保全の推進や環境意識の高揚などを図り、物流の健全な発展に貢献した団体・企業または個人を表彰する制度として、2006年6月に創設された。今回の受賞は、幹線輸送における各種モーダルシフトの取り組みについて評価されたものだった。 ニチレイロジグループでは、2003年よりJRコンテナを使ったモーダルシフトを開始し、さまざまな視点や工夫により輸送範囲や物量を拡大してきた。今後も新規航路の開拓などを進めることで、さらなるモーダルシフト拡充を図る。■英国の低温物流会社を買収 2020(令和2)年9月、ニチレイロジグループ本社の英国子会社Thermotraffic UK社(以下、TTUK社/2014年9月に設立)が、同国で低温物流事業を手がけるケビンハンコック社を買収した。 TTUK社は、通関および輸配送業務を主として顧客基盤を拡大してきたが、自社保管設備を持たないため、通関以外の総合的な低温物流サービスを十分に提供できない課題を抱えていた。買収したケビンハンコック社は、英国内陸部のニューアークに冷蔵倉庫を保有し、保管業務に加え、畜肉をはじめとした冷凍品の解凍、あるいは生鮮品の急速凍結などさまざまなサービスを提供している。英国ではEU離脱に伴い、食品物流にも大きな変化が起きており、解凍や凍結など付帯サービスの今後の需要増が期待された。鮮冷儲運有限公司は、江蘇省にて小売事業、外食事業、食品事業を営む江蘇逅厨供応鏈管理有限公司を合弁先として、新会社「江蘇鮮華物流有限公司」を設立、2018(平成30)年4月に物流センター業務を開始した。 同社はCVS物流業務受託を中心に、同省の物流需要を取り込み、業務拡大を図っている。有効活用部門(モーダルシフトの実施による効率的な輸配送の実現)北海道から神奈川県への冷凍食品輸送について、トラック輸送から鉄道コンテナ輸送へのモーダルシフトを実施。ドライバー不足を背景に、幹線輸送における安定的な車両調達を実現したほか、温度帯の異なる他社貨物との同一コンテナ往復利用により、輸送効率化を実現した。新規開拓部門(新規モーダルシフト案件の実現とその継続)千葉県から広島県への冷凍食品の輸送について、トラック輸送から鉄道コンテナ輸送へのモーダルシフトを実施。当該区間は車両確保が困難なルートであったものの、鉄道コンテナ輸送へモーダルシフトしたことで、ドライバー不足に対応した無人航走が可能となり、安定的な車両調達を実現した。165第10章 未来へ~新しい顧客価値の創造へ向けたニチレイグループの取り組み■マレーシアにおける低温物流事業に進出 ニチレイロジグループは、マレーシアで低温物流事業を手がけるコールドチェーンネットワーク社(以下、CCN社)に出資し、同国における低温物流事業に参入した。これは、マレーシア政府系ファンド、Khazana Nasional社の100%子会社であるAgrifood Resources Holdings社から、CCN社の発行済株式の40%を2018年4月に取得し、8月から新たな合弁会社としたもの。 進出を決めたマレーシアは、旺盛な国内消費を背景に、温度管理が必要な低温貨物の保管需要が拡大。またASEANの中でもスーパーマーケットなどの小売店業態が多く、日本で培った物流ノウハウを最大限に活用することが可能だ。 CCN社は約3万tの保管能力を持つ物流センターと、48台の保冷トラックを保有するマレーシア第3位の低温物流事業会社で、特にハラル物流にも強みを持っている。今後はタイのグループ会社であるSCGニチレイロジスティクスとも連携し、ASEANにおける低温物流事業をさらに拡大する。

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