ニチレイ75年史
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■安全な商品とサービスの提供のために ~国際規格の積極的導入 ニチレイグループではさまざまな特性を持った商品・サービスを取り扱っている。その特性に合った社内ルールの運営とともに、国際規格の認証取得を積極的に進め、品質保証体制の強化を図り、安全な商品とサービスの提供に取り組んでいる。 認証の取得状況は次のとおりである。た外部の人権に関する専門知識を活用するとともに、自らの事業により影響を受けるステークホルダーとの対話と協議を真摯に行います。・本方針の実行に責任を持つ担当役員を明確にし、実施状況を監督します。・本方針がグループ全体の事業活動を通して効果的に実行されるよう、適切な研修・教育を行います。・本方針に基づく人権尊重の取組みの進捗ならびに結果を継続的に開示します。・事業活動を行う国・地域における法及び規制を遵守します。もし各国の法令が国際的に認められた人権と矛盾する場合には、国際的な人権原則を最大限に尊重するための方法を追求します。《ニチレイ》■インドで食肉流通の拡大を検討 ニチレイグループは中長期的な成長戦略の一つとして海外事業の規模拡大を進めている。その具体策として、2018(平成30)年12月、当社はインドでオンライン食肉マーケットプレイス「リシャス」を運営するスタートアップ企業、ディライトフルグルメ社の第三者割当増資を引き受けることとした。 インドは世界でも有数の食肉生産・需要国だが、コールドチェーンや流通網の整備、ノウハウが十分でないため、安全で高品質な肉を入手しにくいという課題がある。ニチレイグループの強みであるコールドチェーンのノウハウや品質管理・衛生管理の技術、食肉の加工技術を活かし、新鮮で安全な食肉を消費者に提供するため、EC(電子商取引)を使った食肉の流通・宅配サービス事業への出資を決めた。同社との協業により、小規模単位でのコールドチェーンの構築と情報技術を活用した最新の販売網で、地域に根ざした新たな食肉流通に向けての検討を進め、インドでの新たなビジネスの可能性を探ることとした。 2021年、諸状況からニチレイの持ち分の半分を売却。取締役派遣を停止し、バンガロール駐在員事務所を閉鎖。務用関連は苦戦した。 Web会議やチャットでの情報共有などが急速に普及し、複数の場所を結んだオンライン会議も常態化した。リモートワークにおける仕事と生活のバランスの変化も大きく、新たな状況への模索が続いている。159第10章 未来へ~新しい顧客価値の創造へ向けたニチレイグループの取り組み■新型コロナウイルス感染症への対応 当社では、東京オリンピック・パラリンピックの開催期間中の通勤困難を予想して、本社地区を中心にリモートワークの準備を進めてきた。在宅用のPCやタブレットの配布に加え、リモートワークの推奨期間を設け、問題点の洗い出しなどを行っていた。 2020年初頭、国内での新型コロナウイルス感染症拡大により、コロナ対策本部を設置。不要不急の出張外出の禁止、リモートワークの推奨、工場や物流センターでの感染予防の徹底、イベントや行事、懇親会の禁止などを指示した。また感染者が発生した際の情報開示や業務再開の手順の確認などを順次行った。 工場や物流センターは食品流通のインフラでもあるため、従業員の健康を確保した上での継続稼働を最優先の課題とした。当初はマスクや消毒液その他の確保に奔走した。感染者数が多く緊迫度の高い海外の事業所に向け、マスクをはじめとした必要な物品を送付したほか、医療機関への消毒液等の支援なども行った。 緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の発出もきっかけとなり巣ごもり需要が高まると、家庭用冷凍食品の売り上げが急拡大し、供給確保のため、得意先にも協力してもらい、主力商品へ受注、生産を集中させた。業績面では、加工食品事業では家庭用が顕著な伸びを示す一方、外出抑制の影響を強く受けた外食向けを中心に業務用の取り扱いが大きく落ち込んだ。低温物流事業も巣ごもり需要で好調なスーパーマーケット関連の物流センター受託業務が伸張だった。水産・畜産事業も家庭用関連は好調だが、業4.新たな顧客価値の創造へ~各事業の取り組み  

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