ニチレイ75年史
180/320

〈ニチレイグループの企業経営理念〉1.ミッション(使命・存在意義)くらしを見つめ、人々に心の満足を提供する (変更なし)2.ビジョン(目指す姿)私たちは地球の恵みを活かしたものづくりと、卓越した物流サービスを通じて、豊かな食生活と健康を支えつづけます。3.ニチレイが大切にする価値観~日々の行動や意思決定の規準~(1)お客様第一、安全第一、品質第一を貫く第2部会社は自立した会社として存在感を示してきた。しかし、グローバルな規模で経営環境の変化が激しさを増す中、複雑化する社会課題やお客様の要望に対して、個々の事業ドメインで解決していくのが難しくなってきたのも事実であった。 そこで、今後、グループが進むべき方向を明確にし、食と健康を支える幅広い事業で強みを最大限に発揮しながら持続的な企業価値の向上を実現していくために、2019年4月、企業経営理念を改定し、グループの羅針盤として新たなグループビジョンを制定した。 新しいグループビジョンは、「私たちは地球の恵みを活かしたものづくりと、卓越した物流サービスを通じて、豊かな食生活と健康を支えつづけます。」とし、このビジョンを実現するに当たって、率先して行動し模範を示したいこととして、次の3つを挙げた。①「成長にこだわる」 視界不良の事業環境にあっても、売上成長し利益を出し続けることで企業価値を高め、それをどう適正に配分していくと社会や顧客に貢献できるかを考えていきます。②「新しいことに挑戦する」 会社のガバナンスを含めた仕組みを新しく変えながら経営の質を上げていくと同時に、常に失敗を恐れず挑戦することで新たな付加価値を創り出していきます。③「楽しくて働きがいのある職場づくり」 人材の育成や多様性のある職場づくりに力を入れていきます。RPA※4 やAI※5 の導入により業務の効率化を進めながら、人にしかできない仕事を新しく創り出していきます。 お客様本位に徹するとはお客様との長期的な信頼の構築に努めることであり、その実現過程では安全第一、品質第一154※4 RPA:ロボティック・プロセス・オートメーション(Robotic Process Automation)の略。認知技術を活用した、主にホワイトカラー業務の効率化・自動化の取り組み。※5 AI:アーティフィシャル・インテリジェンス(Artificial Intelligence)の略。コンピューターを使って、人間の知能の働きを人工的に実現したもの。2.「2030年の姿」を目指して■経営トップの交代 当社は、2019年3月期を最終年度とする中期経営計画「POWER UP 2018」において、経営環境の変化を着実に捉え、事業活動を通じて社会的な課題解決に貢献しつつ、企業価値の向上を図ってきた。2019年4月からの新たな中期経営計画の開始に伴い、経営トップの交代により、持続的な成長への道筋を固め、一層の飛躍を期することとした。代表取締役会長には大谷邦夫(前 代表取締役社長・CSR本部長)、代表取締役社長・CSR本部長に大櫛顕也が就任した。大櫛は社長就任時、「さらに『100年続く企業』」を目標に掲げ、そのマイルストーンとも言うべき長期経営目標「2030年の姿」を制定した。 また、同年6月に前会長の取締役、村井利彰と社外監査役の齊田國太郎が退任し、新たに竹永雅彦(ニチレイフーズ代表取締役社長兼任)が取締役執行役員に、弁護士の齊藤雄彦が社外監査役に就いた。 トップ交代に合わせて組織変更を行い、事業経営支援部、財務IR部、広報部を廃止し、事業経営支援部と経営企画部および経理部の一部を再編して経営管理部を設置、財務IR部の財務機能は財務部に移管した。さらに、グループのIT戦略の推進を目的とした情報戦略部と、広報部、経営企画部のCSR経営推進機能、財務IR部のIR機能を統合したグループコミュニケーション部を新設した。■新たなグループビジョンの制定 ニチレイグループは2005(平成17)年に持株会社体制に移行して経営の意思決定と事業展開の迅速化を進め、各事業column第6回「企業価値向上表彰」の優秀賞を受賞 当社は、2018年2月、東京証券取引所が実施する第6回(2017年度)「企業価値向上表彰」において、優秀賞を受賞した。受賞の理由は、「資本コストを上回る企業価値の創造を目指す『企業価値向上経営』を高いレベルで実践していると認められた」ことによる。 「企業価値向上表彰」は、全上場企業を対象に、資本コストなど投資者の視点を経営に組み込み、高い企業価値の向上を実現した上場企業を表彰する制度である。

元のページ  ../index.html#180

このブックを見る