ニチレイ75年史
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■タイのチキン加工工場から日本&欧州へ 子会社のGFPTニチレイ(タイランド)社では、2014年度も胸肉を中心とした欧州向けチキン製品の販売が好調に推移した。地域による部位ごとの嗜好やニーズを考慮し、もも肉関連の製品は日本向け、内臓・ガラ等はタイ国内で販売し、業績の安定を目指した。2015年5月に増設した第4加工ラインが稼働したことで、さらなる成長を見込んだ。 「POWER UP 2018」においては、差別化商品の開発・投入による高付加価値化とコストダウンをともに推進することが掲げられた。■米国の冷凍食品市場への展開に注力 2012年にニチレイフーズの一員となったイノバジアン・クイジーン社は、米国でアジアンフーズ※4 の冷凍食品を量販店中心に販売している。同社は米国人スタッフによる米国市場向けのマーケティングや商品開発を行っており、〈ニチレイフーズ ブランドステートメント〉「ほんの少しの、その差にこだわる。ニチレイ」食の歓びを深く豊かにするものって何だろう。それは、素材から引き出された味を感じ分ける繊細さだと思う。人工的につくられた味と、素材そのものの味の区別がつかなくなったら、日本の食卓はとても大切な何かを失うに違いない。繊細に感じ分ける、ほんの少しの差。それが、人々の心をどれほど豊かにしてくれることだろう。だからニチレイは、その差にこだわる。そこに惜しみなく手間をかける。美味しさの決め手となるブイヨンは、素材からじっくり煮込んで一からつくり、アクを丁寧に取り除く。春巻は、パリッとした食感を出すために、皮を巻く力加減にまでこだわる。炒飯は、パラパラになるようにしっかり炒める。焼豚から自分たちでつくり、その煮汁も大事な隠し味としてつかう。同じ素材でも、産地や季節の違いがあらわれるような料理を工夫する。ニチレイは、一人ぶんの料理を丁寧につくるのと同じ思いで、百万人ぶんをつくる厨房だ。家庭にあるもので、一つひとつ手間ひまかけて、料理の基本の工程を忠実に再現する。そして、素材本来の味と、できたての美味しさを閉じ込めて、そのまま家庭にお届けするために冷凍する。ニチレイは、今日も、ほんの少しの差にこだわり続ける。心からホッとする料理を、日本中の食卓にのせるために。第2部理カテゴリー。144※4 チキンや米飯、中華総菜などのアジア系料理を米国市場向けに発展させた料ニチレイフーズ ブランドステートメント■ニチレイフーズ、ブランドステートメントを定める ニチレイフーズは、2015年度に自社のていねいなものづくりについての映像「ものづくりの信念」を制作し、ホームページで公開してきた。この思いを広く世の中に伝えていこうと、2017年3月、「ほんの少しの、その差にこだわる。ニチレイ」をブランドステートメントに定め、商品づくりに対する信念やこだわりを表現した企業広告活動を展開した。■ニチレイフーズ子会社、ベトナムに新会社を設立 2013年4月、ニチレイフーズの子会社であるニチレイスーコは、ベトナム社会主義共和国ティエンザン省にニチレイスーコ・ベトナム社を設立した。 ニチレイスーコは、2011年にアセロラの育種研究・栽培指導・品質管理を目的として、ニチレイ‐HPC有限責任会社をベトナムに設立していたが、需要の増加に対応するために新会社を立ち上げたもの。現地での品質管理体制および集荷・選別・加工体制の強化を進め、日本以外のアジアやオセアニアの市場開拓に注力することとした。 2014年3月にはアセロラ産地に集荷工場を新設している。

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