ニチレイ75年史
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■国内生産体制の再編と最適化を推進 加工食品事業では、市場が成長している家庭用冷凍食品を中心とした生産体制の再編・最適化による収益力向上を目指して、2014(平成26)年3月、ニチレイフーズ「船橋第二工場」を新設・稼働させた。同工場は、家庭用冷凍食品の生産体制の強化を担う工場として、新技術の導入による商品力の強化に努めるとともに、ラインの機械化・省人化による生産性の向上を図った。また、持続可能な事業展開を目指して環境に配慮した省資源対応を推進し、品質管理体制も強化した。最新のフードディフェンス対応工場のモデル工場ともなっている。 さらには、同工場を中心としたニチレイフーズ生産拠点の最適配置を進め、効率的な生産・供給体制を構築した。2014年度は既存工場において米飯ラインの増強を実施した。■「本格炒め炒飯」の進化 炒め工程にこだわり、本格炒飯として初の商品化となった「本格炒め炒飯」は、2001年の発売から15年目を迎えた2015年春、約30億円を投じて初の大規模リニューアルを行った。ごはんがよりパラパラに、さらにおいしさを増したポイントは、中華料理のシェフの技と味を、これまで以上に忠実に再現した「三段階炒め製法」にあった。情報管理…………情報を適切に管理するとともに、事業活動に関わる情報の適時・適切な開示に努める。地域社会…………企業市民として地域社会との共生を目指す。船橋第二工場第2部130%に拡大。当社調べ。〈3つの炒め工程〉①…コーティング炒め:卵でご飯をコーティングするようにと使っていただこうと開発したのが、「本格焼おにぎり」だった。2014年3月に発売し、家庭用調理冷凍食品としては7年ぶりにテレビCMを展開した。焼きと香り、手作り感にこだわった本格製法による「本格焼おにぎり」は好調に売り上げを伸ばした。従来品も好調で、冷凍おにぎり市場全体は約130%※3…に拡大、特にシニア層の購入率が伸長した。攪拌することでご飯粒への油の染み込みをガード。②…高温熱風炒め:ご飯1粒1粒に250℃以上の高温熱風をまとわせることで、余計な水分をとばしてパラパラに。③…仕上げ炒め:自社製焼豚を入れ、攪拌しながら強火で炒め、仕上げに焦がしたネギ油の風味をプラス。 こうしてリニューアルした「本格炒め炒飯」は、他社との競合の中で米飯市場を盛り上げ、市場拡大につなげた。ま142※3 おにぎりカテゴリー推定市場規模は2013年4~9月と比べ、2014年4~9月は約本格焼おにぎり「本格炒め炒飯」4.…おいしさへのこだわり■本格品質を追求~「本格焼おにぎり」の開発 世帯構造とライフスタイルの多様化とともに、「簡単で便利」「保存が利く」など冷凍食品の価値が評価されるようになった。しかし、当社の調査で「満足できるおいしさではない」「好きなメニューがない」「家族に出すと手抜きと思われる」といった理由から、まだ半数以上の生活者が、冷凍食品を日常的に利用していないことが判明した。一方で、「本格的な味の冷凍食品があれば利用頻度を増やしたい」という意見が半数以上を占めることも分かった。 これを受け、本格品質を追求した画期的な商品で、それまであまり冷凍食品を使っていなかった方々にもっ

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