ニチレイ75年史
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■「POWER UP 2018」の策定 前中期経営計画「RISING 2015」(2013~2015年度)では、加工食品事業における国内生産体制の拡充や低温物流事業における大都市圏での新設拠点の稼働など、主力事業を中心に設備投資を着実に実施しながら環境変化への対応を進めた。その結果、2015(平成27)年度は当初の連結目標数値を上回る成果を上げ、過去最高益となった。一方で加工食品事業においては、為替相場や原料価格の変動などに左右されにくい収益構造の実現に課題を残した。 こうした成果・課題を踏まえて、2016年度から2018年度までの3年間を対象期間とするグループ中期経営計画「POWER UP 2018」を策定した。 世界経済の不安定性が増す中、為替相場やエネルギー資源価格の変動が続くことが想定され、国内では人口動態の変化により労働力不足が深刻化する一方、世帯構成などの変化がもたらす消費形態の多様化が見込まれた。そのため、同計画の全体戦略は、経営環境の変化を確実にとらえ、事業の展開を通じて社会的な課題の解決に貢献しつつ、安定的かつ着実な成長を目指すこと。そして、前計画に引き続き加工食品事業と低温物流事業を中心に設備投資を実施し、グループの成長基盤を強化することで企業価値の向上を図ることとした。計画のポイントは次のとおりである。① 持続的な利益成長と資本効率の向上を確かなものとする。② 海外事業は、引き続き規模拡大を追求する。③ グループ全体の品質保証力のさらなる向上を図る。④ コーポレートガバナンスなどESG(「Environment(環2015年度の2018年度の目標(当初)実績5,353億円5,600億円5,670億円755億円819億円215億円236億円134億円147億円2018年度の目標(修正後)286億円182億円り2円の記念配当を実施した。 関連イベントとして、同年6月、日本女子プロゴルフ協会ツアートーナメント「ニチレイレディス2015」の大会期間中、来場者全員にニチレイフーズの「創立70周年記念 欧風ビーフカレー」(レトルト)をプレゼントした。 また、2016年2月にはグループ内のイベントとして「優秀技能コンテスト」を実施。ニチレイグループの従業員が仲間の才能を発見して認め合うことで、より働きやすい環境づくりを目指し、仕事に関わる技術から趣味まで6部門で募集。応募総数93件の中から最優秀技能賞、優秀技能賞、特別賞を選出した。第2部境)」「Social(社会)」「Governance(企業統治)」の頭文字を取った略語)関連の取り組みを引き続き強化する。⑤ 多様な人材の活躍推進に注力する。 また、投資・財務戦略については、営業キャッシュフローと資産流動化などによる資金を、成長と事業基盤強化のための投資、および配当や自己株式の取得を通じた株主還元に振り向けることとした。投資については、成長投資に加え、持続的成長に向けた基盤整備への投資を強化し、耐震やフロン対応など中長期的な競争力の維持を目的とした投資と、グループ基幹システムの刷新など業務効率化や生産性向上を目的としたIT投資の増加を図った。 株主還元については、連結自己資本配当率(DOE)に基づく安定的な配当の継続(目標2.5%)を重視するとともに、資本効率などを考慮の上、2,000万株程度(発行済株式総数の約7%)の自己株式の取得を機動的に実施することを基本方針とした。 なお、2016年度第2四半期決算で通期業績予想を上方修正したことから、引き続き業績が堅調に推移するものと見込み、2016年11月、目標数値を修正している。売上高うち海外売上高営業利益純利益・国内生産体制の最適化により資産効率と採算性を向上・消費形態の多様化に対応した商品開発と営業活動を推進・海外は北米を中心に事業規模を拡大② 水産・畜産事業(ニチレイフレッシュグループ)・ 差別化商材と最適な加工度での商品提供を軸に安定的な収益体制を構築③ 低温物流事業(ニチレイロジグループ)・物流ネットワーク事業の規模を拡大・ 大都市圏の主要保管拠点と地方での運送機能の最大活用による収益拡大1382018年度におけるグループの目標数値セグメント別の事業計画① 加工食品事業(ニチレイフーズグループ)2. 成長基盤を強化

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