ニチレイ75年史
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②……グローバルな品質保証体制を構築する。③……グループ経営資源の適正配分を行うとともに、自己株式取④ 持株会社体制におけるコーポレート機能を強化する。⑤……社会・経済環境の大きな変化に対応して技術戦略の強化を図る。2.セグメント別の事業計画①……加工食品事業(ニチレイフーズグループ)■「RISING 2015」の策定 前中期経営計画「energy 2012」(2010~2012年度)の基本コンセプトは、事業戦略の着実な遂行とスピーディな環境対応を通じて、持続的な利益成長へつなげることだった。計画期間中に東日本大震災が発生し、事業環境が大きく変化したが、加工食品事業におけるチキン加工品をはじめとした家庭用・業務用冷凍食品の売り上げ増加や、低温物流事業での大型新設拠点の稼働など、主力事業において収益基盤の拡大を図ることができた。一方、市況低迷の影響などを受け苦戦を強いられた水産事業では、安定収益の実現という課題を残す結果となった。 これを受け、2013(平成25)年5月、2013年度から2015年度にかけてのグループ中期経営計画「RISING 2015」を発表した。同計画は、中期経営ビジョン「GROWTH 2016」(2012年5月発表)の達成に向け、各事業領域において着実に施策を実行していくことで、ニチレイグループの企業価値を高めていこうという意志を込め、「RISING 2015」と命名した。 基本コンセプトは、高齢化やグローバル化の進展などの大きな環境変化に対応して、持続的な成長ができるよう経営資源を投入していくことだった。加工食品事業は、顧客ニーズに迅速に対応できるよう得意先業態別の組織体制へ移行。差別化された商品の供給と、主力家庭用商品を中心とした自営工場の生産能力拡大と生産ラインの最適配置により、売り上げ増加と利益率の向上を目指した。低温物流事業は国内最大のネットワークをさらに拡充して保管および輸配送需要の取り込みを加速し、売り上げ拡大を図ることとした。 新中期経営計画においても、加工食品事業と低温物流事業を中心に前中期経営計画を超える積極的な投資を行い、将来の経営環境の変化への備えを万全にするとともに、成長する海外市場への展開を着実なものにし、売り上げの大幅増加を図るものとした。■経営トップの交代と コミュニケーションメッセージの制定 当社は2013年3月期を最終年度とする3カ年の中期経営計画「energy 2012」に取り組み、主力事業において収益基2015年度におけるグループ全体の目標数値連結売上高……………………5,100億円うち海外売上高………………580億円連結営業利益…………………204億円連結経常利益…………………197億円「RISING 2015」の概要1.全体戦略①……グループ各社の国内外における収益力を向上し、持続的成長連結当期純利益………………120億円連結株主資本利益率(ROE)……8%以上を実現する。得・増配など適正な株主還元策を継続する。 …※配当方針は従来どおり連結株主資本配当率(DOE)2.5%を目標とする。・…主力家庭用商品を中心とした自営工場の生産能力拡大と生産ラインの最適配置により、商品供給力増強と利益率向上に取り組む。・…業態別組織への変更を基点に、顧客ニーズを迅速につかみ、商品開発・供給のスピードアップを図る。・…海外では現地パートナーとの連携強化により販売を増強し、事業を拡大する。②…水産・畜産事業(ニチレイフレッシュグループ)・…顧客志向の営業力強化と差別化商材、顧客ニーズにきめ細やかに応える加工品のさらなる拡充を図る。③…低温物流事業(ニチレイロジグループ)・…首都圏・関西圏を中心に設備投資を実施し、集中する物流ニーズの取り込みと効率化を図る。・…従来輸配送需要の取り込みが遅れていた地域においても、組織再編を通じて本格的に運送事業の拡大に取り組む。・…海外事業を成長の柱の一つと位置づけ、欧州や東南アジアでの事業を拡大する。④…バイオサイエンス事業(ニチレイバイオサイエンス)・…バイオ医薬の伸張を背景に、組織染色製品に注力し、グローバル市場にも挑戦する。第2部1361. 企業価値向上に取り組む

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