ニチレイ75年史
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〈事業継続のための顧客とのやり取りのための情報〉 情報システム系のリスクマネジメント対策として、2011年度にデータセンターの2拠点化、設備の二重化を実施した。 東日本にある既存データセンターに加え、西日本の2カ所にデータセンターを増設。一方のデータセンターに障害があり機能不全となった場合、自動的にもう一方のサーバーに切り替わり継続利用できる。 加えて、経理部門を東京と大阪の2拠点に配置することで、経理情報のバックアップ、事業継続のためのリスク管理体制を構築した。〈従業員等への備蓄〉 3日間分の最低限必要な災害用備蓄品として、「非常用食料、水、ブランケット」の3点セットをグループ内全事業所に配備した。 また、建物倒壊や津波等により、各事業所の災害用備蓄品が機能しないケースに備え、全国を10のエリアに区分けして「エリア供給用備蓄拠点」として災害用備蓄品を配備した。〈備蓄品・備蓄量の見直し〉 ニチレイロジグループでは、非常用備品の見直しを行い、工具・発電機・食料品・医薬品・トイレ・その他備品等の品目と数量を改訂し、「防災マニュアル」の備品・安否確認編に掲載した。2012年度は各センターへの浸透を図ることとした。〈早期復旧のための技術社員の全国応援体制の構築〉 ニチレイ・ロジスティクスエンジニアリングでは、東日本大震災の発生時、全国の事業所から数名の技術社員を選抜して被災事業所へ派遣することで、生活・社会インフラの早期復旧に一定の効果を得ることができた。2011年度は支援組織・装備・支援マニュアル(具体的な行動)を整備蓄・早期復旧体制 災害等が発生した場合の初期対応を乗り切るための準備と、早期復旧のための体制を整えた。東日本大震災で、代替拠点やルートの確保により、被災地への食料供給を早期に復旧し、食の流通に対する一定の使命を果たせた。2012年度はさらに課題を洗い出し、それらの強化を図っていくこととした。第2部備・周知した。これにより災害時の現地技術者との連携強化が期待された。〈緊急地震速報の整備〉 食品工場では、緊急地震速報を整備し、強い地震を事前に察知した上で、安全に避難するまでの「災害発生時行動マニュアル」を見直した。〈津波を想定した避難訓練の実施〉 海岸に近い食品工場を対象に、火災に加えて津波を想定した避難訓練を実施し、津波発生時の避難場所を明確にした。仙台地区の物流センターでは日頃の避難訓練が功を奏し、津波発生時に従業員ばかりでなく近隣の会社の方も無事に避難できた。また道路走行中のドライバーの救助もできた。地震対応マニュアルの改訂 ニチレイグループでは従来、首都圏直下型地震を想定した対応マニュアルを策定し、従業員に配布していた。東日本大震災を教訓に、対応マニュアルの見直しを図り、全事業所への周知徹底を図った。教育・啓発 地震等の災害発生時は、「分かってはいるが動けない」ことがある。経験のない人も対応できるよう、日頃の訓練と啓発を行っている。130地震対策ハンドブック大規模地震ポケットカード

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