ニチレイ75年史
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■フラワー事業の再編と撤退 当社は2007(平成19)年3月開催の取締役会において、フラワー事業を4月に新たに設立する子会社に事業譲渡することを決めた。 当社フラワー事業部で行ってきた洋ラン(オドントグロッサム)の栽培を、新設する株式会社ニチレイガーデン(100%子会社)に譲り、従来手がけてきた品種開発は廃止、組織培養による苗生産は外部委託することとした。また花卉の仕入れ・販売については、アートグリーン株式会社と合弁で設立する株式会社ニチレイフラワー(当社の出資比率65%)に事業譲渡し、同社はオドントグロッサムに加え、アートグリーンが手がける胡蝶蘭の販売も行うことになった。その後、ニチレイフラワーとニチレイガーデン資出%001● 安全・安心1● 鮮度2● 素材のおいしさ3● 健康4 新会社は、株式会社十文字チキンカンパニーグループの岩手農協チキンフーズ県北工場を事業譲受し、同年4月に創業した。ニチレイフレッシュファームで生産する純国産鶏種 「純和鶏」をはじめ、年間約400万羽を処理、加工、販売する。 十文字グループから受け継いだ処理加工のノウハウを基に、得意先のニーズに合った細やかな規格への対応を進め、「純和鶏」を中心として岩手県の県北地域に根ざした事業展開を行うこととした。フレッシュチキン軽米第2部荷受けは、当社の不動産事業を担う株式会社ニューハウジングが吸収し、不動産事業部が管理することとなったが、2011年10月、他社に事業譲渡した。100%出資126㈱ニチレイフレッシュファーム「純和鶏」養鶏ブロイラー農場㈱ニチレイフレッシュ ㈱フレッシュチキン軽米生鳥搬入生鳥搬入納品納品鶏肉処理加工ユーザー様チキン事業における各社の役割オドントグロッサム8. さまざまなパートナーとの提携■ジャパン・アセット・マネジメント・パートナーズ設立 2007年3月、当社は興和不動産株式会社(現 日鉄興和不動産株式会社)、株式会社日立製作所、メリルリンチ日本証券株式会社と共同で、不動産マネジメント会社である株式会社ジャパン・アセット・マネジメント・パートナーズを設立した。 これは、バランスシートのスリム化を実現するため特別目的会社(SPC)を利用した不動産の流動化や開発が広く行われるようになったことが背景にあった。こうした手法の実施に当たっては、物件のデューデリジェンス、ノンリコースローンの設定、リーガルチェックなど高い専門性が必要とされ、費用面でも高額となる。特に不動産事業をコアビジネスとしていない企業が個々に行うよりは、複数の会社の案件を集約するほうが、業務効率向上に資すると考えられた。 そこで、不動産事業や低温物流事業において賃貸ビルや物流センターといった案件での活用経験が豊富な当社と、高度な不動産管理能力を持つ興和不動産、昇降機およびビル総合管理サービス事業を通して培った高度な技術や経験、サービスネットワークを有する日立、金融ノウハウが豊富で不動産投資にも積極的なメリルリンチの4社が共同で新会社設立に至った。新会社は資本金8,000万円で、当社の持分は25%。プロパティマネジメント業務、アセットマネジメント業務を中心に、各社の強みを活かした専門性の高い不動産マネジメント会社とすることを目指した。不動産会社、事業会社、金融会社という組み合わせの共同出資による不動産マネジメント会社は、不動産業界で初めての例となった。 しかし、業界環境の変化から設立当初の目的が達成困難となったため当社は2010年8月、筆頭株主であった興和不動産に同社の株式を売却した。

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