ニチレイ75年史
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■冷蔵倉庫・物流センターのスクラップアンドビルド を推進~高機能大型冷蔵倉庫の新設 「攻めと挑戦」をテーマとした中期経営計画(2007~2009年度)では、サービスの差別化による地域密着営業とローコスト化を継続するとともに、将来の事業環境をにらみ、冷蔵倉庫・物流センターのスクラップアンドビルドなど大型設備投資を進めてきた。その最終案件である東扇島物流センター(川崎市川崎区)が、2011(平成23)年に新設稼働した。 1期棟と2期棟をあわせてフル稼働時には設備能力約8万tの国内最大級の冷蔵倉庫である。また世界最高水準の免震装置を導入して地震災害への万全な対応を可能としたほか、コンベア式高周波解凍機を設置した解凍室に加え、食品原料の軽加工処理を行う加工室なども完備した。最大の特徴は、運送機能を最大限に発揮できるよう設計された保管・輸配送一体型の複合物流拠点とした点だった。またロジスティクス・ネットワークの運送事業所を併設し、港湾地区の好ロケーションと首都高速に近い立地利便性をフルに活用した高効率な保管・輸配送サービスの提供を可能とした。 ニチレイロジグループの首都圏港湾地区には、隣接する川崎ファズ物流センターや2010年3月に増設を行ったキョクレイ山下DC※8 をはじめとする13拠点(DCが10拠点、TC※9 が3拠点)の物流施設が点在。ニチレイ・ロジスティクス関東東扇島物流センターの稼働により、このエリアの保管総能力も約37万tとなった。 港湾各センターの機能と1日約4,000運行のロジスティクス・ネットワークの輸配送機能を密接に連携することで、お客様にとって利便性の高いワンストップなサービスを提供することとした。 ただアセロラ自体の商品としてのポテンシャルは高いものがあり、有力な飲料専業者に国内の最終製品販売事業を譲渡し一層の販売拡大を図っていただくこと、またニチレイフーズ自体は高いシェアを持つ原料供給に特化したビジネス展開を図ることが得策と判断した。第2部124※8 Distribution Center:保管型物流センター※9 Transfer Center:通過型物流センター※10 ニチレイロジグループの欧州子会社であるニチレイ・ホールディング・オランダ社が2004年に買収。東扇島物流センター福岡東浜物流センター鹿児島曽於物流センター6. 低温物流事業、国内外での展開■福岡東浜物流センター・鹿児島曽於物流センター が新設稼働 福岡東浜物流センターは2010年8月に、鹿児島曽於物流センターは2011年9月に、それぞれ九州と全国をつなぐニチレイ・ロジスティクス九州の基幹センターとして稼働した。 福岡東浜物流センターは、高速道路に至近の利便性を生かした効率的な輸配送サービスと、高品質な保管・輸出入・流通機能を兼ね備えた保管・輸配送一体型の複合物流拠点で、38のトラック接車バースと約2,100㎡の広い1階荷捌スペースを備えている。 鹿児島曽於物流センターは、全国でも有数の農産品・畜産品の生産地に隣接し、特にニーズの高い凍結能力については1室20tずつ5室の凍結室で、それぞれの商品に合わせた最適な凍結加工を同時に提供可能とした。■中東欧地域への事業拡大~ラドムスコセンター稼働 2009年8月、ポーランドの中南部ラドムスコ市でフリゴ・ロジスティクス社※10 の第2センターが稼働した。これで、

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