ニチレイ75年史
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■生産子会社が食品衛生法基準に不適合な 生食用鮭加工品を出荷した問題 2007年2月、当社の品質保証部により、ニチレイフレッシュの水産加工品生産子会社である株式会社まるいち加工の小名浜工場でグループ内生産工場の定期監査を実施した。その結果、製造している生食用鮭加工品(業務用)の一部において、食品衛生法の基準値を超える大腸菌群が検出されながら、工場長の判断で出荷していたことが判明した。本件は管轄保健所に届け出るとともに、販売済みの不適合製品の流通在庫に関しては取引先を通じて確認を行った。 同工場では基準値を超える検査結果を従業員に向け掲示するなど品質向上の意識づけを行ってきた。だが本来は出荷中止の判断をすべき立場の工場長が出荷を指示した点など、十分な牽制機能を果たさなかったことを踏まえ、コンプライアンス意識の不徹底、リスクマネジメント体制の未整備があったことを反省、リスクマネジメント体制の再整備を早急に実施することとした。 また、ニチレイフレッシュの各工場で改めて品質管理を徹底するとともに、当社はグループ各社に対しても改めて法令遵守の重要性や社内ルールの徹底を図った。第2部る、十勝産と表記している業務用冷凍コロッケ・宅配用冷凍サラダベースの一部に、十勝産以外の道内産ジャガイモが使用されていたことが判明した。 ニチレイグループは、これについての情報開示と次のような再発防止策を講じた。① 原材料受け入れから最終製品まで、ジャガイモの産地トレースができるシステムおよび管理体制を構築し、運用を開始。② 当該委託先以外の生産工場で特定産地原材料を使用した商品を扱っている32工場を対象に、2004年1月末までに生産技術部による確認監査を実施し、問題のないことを確認。③ 生産技術部主導の下、今後は最低年に1回、特定産地原材料使用商品の生産システムの監査を実施することをルール化。1129. 食の安全・安心にまつわる問題への対処■中国産冷凍ほうれん草から残留農薬の検出が相次ぐ 当社では中国産冷凍ほうれん草の農薬管理に関して、従来、現地生産者との間で農薬の種類や使用法に関する契約を結び、定期的な検査を行うなど万全を期してきた。しかし、2002(平成14)年6月、中国産冷凍ほうれん草より残留農薬の検出が相次ぎ、輸入禁止措置の検討が進められている状況に鑑み、当面、中国産冷凍ほうれん草および中国産冷凍ほうれん草を使用した調理食品の販売の自粛を決めた。その間に、生産者の農薬管理の再点検と検査体制の拡充を行い、より安全な商品の供給が行えるよう体制の整備を図ることとした。■協和香料事件 2002年6月、協和香料化学株式会社で製造された香料に、食品衛生法で使用が認められていない物質が使用されていたことが判明した。調査の結果、当社商品の中に該当する香料がごく微量含まれた原料(乳製品)を使用したものがあったため、対象商品を回収した。■中国産冷凍えびの回収問題 中国産冷凍えび「バナメイえび『白蝦』」について、東京都中央区保健所が抜き取り検査した結果、一部商品より抗生物質のクロルテトラサイクリンが検出され、食品衛生法違反により回収命令を受けた。当社は、2003年6月に続いての二度目の検出であることから回収命令の対象商品も含め、前シーズン(2002年6月~12月)に生産した商品全量に対象を広げて回収作業を進めた。 当該商品は養殖業者が生産したエビを生産会社で加工し、当社が輸入・販売を行っているもの。抗生物質の使用制限は生産者への徹底を図ってきたが、一部養殖業者で想定外の使用があり、今回の検出につながったと推測された。 そのため、当社の品質保証担当者を現地に派遣し、管理・指導を実施した。また生産会社に検出機器を導入し、検査員の研修を日本で実施、抗生物質などの自主検査も大幅に強化した。■十勝産ジャガイモ指定商品に十勝産以外の ジャガイモを使用した問題 2003年11月、当社グループの生産委託先にて生産してい10. 関係会社の動向■抗体医薬の製造・開発受託会社を設立 2001(平成13)年11月、当社は東洋紡績株式会社と共

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