ニチレイ75年史
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■中国でも日本品質の物流サービスを提供 ニチレイロジグループの中国事業は、2004年4月、三菱商事株式会社、三菱商事(中国)有限公司、上海市浦東汽車運輸有限公司(現 上海交運日紅国際物流有限公司)との合弁により、上海鮮冷儲運有限公司を設立したことから始まった。 同社は上海市内に物流拠点を置き、市内および周辺都市の日系コンビニエンスストア、飲食店、メーカー企業などを中心に食品物流を展開、冷蔵倉庫事業と輸配送事業を行っている。■自社で車両を保有・運営するNKトランスを設立 2006年6月、ニチレイロジグループ本社は、運送・物流センター運営受託を主要業務とする子会社、株式会社NKトランスを、金城達磨※8 氏との合弁で設立した。ニチレイロジグループは、従来、子会社のロジスティクス・ネットワークが協力運送会社の車両を使い運送取扱事業者として事業を展開してきた。新会社は、グループとしては初めて、自社で車両を保有・運営する実運送会社となった。 新会社は、低温物流事業グループ内で運営されていた新座※9 、沼津、榛原の3事業所におけるセンター作業、店舗配送業務を受託し、その後、茨城センター、2007年4月には川口営業所を開設した。株式会社キョクレイ⃝社名変更株式会社ニチレイ・ロジスティクス四国(旧 四国水産冷蔵株式会社)げて価格競争力をつけ、地場の荷物の取り扱い増に注力して収益向上を図る必要に迫られていた。 そのため、国内の低温物流の事業領域を、成長領域である物流ネットワーク事業と、成熟領域の地域保管事業の大きく2つに分け、2004年4月、持株会社体制への移行に先行して分社化・統合するという、グループ内の組織再編を実施した。 全国物流ネットワーク会社の中心になるのが、株式会社ロジスティクス・ネットワークである。輸配送サービスを担ってきた子会社の株式会社日本低温流通が、当社の物流センター20拠点を承継して社名変更した。また、3PLを行う株式会社ロジスティクス・プランナー※6 および株式会社ロジスティクス・オペレーションもこの事業に位置づけられた。 地域保管事業会社としては、北海道・東北・関東・東海・関西・中国・九州の各地域に新設分割または当社連結子会社への吸収分割による手法で、新たに7つの地域会社を設置。既に四国地区で事業運営している四国水産冷蔵株式会社(株式会社ニチレイ・ロジスティクス四国に社名変更)と、神奈川県内で事業運営している株式会社キョクレイ(神奈川日冷株式会社と合併)とを合わせた全国9つの地域会社で、地域に密着したサービスを展開し、安定的な事業成長を目指すこととした。 なお、西海冷凍株式会社と株式会社アシストは吸収合併方式で、西海冷凍を存続会社として対等合併を実施、株式会社ニチレイ・ロジスティクス九州に商号変更した。第2部108組織再編の手法別一覧⃝新設分割新設会社株式会社ニチレイ・ロジスティクス北海道株式会社ニチレイ・ロジスティクス東北株式会社ニチレイ・ロジスティクス関東⃝吸収分割承継会社株式会社ロジスティクス・ネットワーク(旧 株式会社日本低温流通)株式会社ニチレイ・ロジスティクス東海(旧 東海冷蔵株式会社)株式会社ニチレイ・ロジスティクス関西(旧 関西日冷株式会社)株式会社ニチレイ・ロジスティクス中国(旧 北陽日冷株式会社)株式会社ニチレイ・ロジスティクス九州(旧 西海冷凍株式会社)⃝合併※6 2000年11月に設立したノンアセット型3PL事業運営会社。※7 2002年の設立。ポーランド中西部のズニンに2万6,000t余りの冷蔵倉庫を所有し、同国産の農産品やアイスクリーム・冷凍食品の保管、大手小売業への配送などを手がける。※8 物流会社での豊富な経験と実運送領域における高度なノウハウや業界内での人的ネットワークを有する。独立を機に、ニチレイロジグループと共同での合弁会社設立および代表取締役への就任を要請し、承諾を得て新会社設立に至った。※9 2007年3月より全面受託。■東欧への進出 ニチレイロジグループの欧州における主な拠点は、海の玄関口であるオランダ・ロッテルダム(1988年開業)だが、東欧のポーランドで2004(平成16)年12月にフリゴ・ロジスティクス社※7 を買収し、物流サービスの提供を開始した。 ポーランドはEUに加盟したばかりで、経済成長とともに個人消費も伸びていることから、低温度帯食品への需要は増加の一途をたどっていた。高品質の物流サービスを提供することにより、一層業容を拡大させるとともに、将来的に近隣諸国やロシアを含めた国々の物流拠点とすることを視野に入れた。

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