ニチレイ75年史
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■中国に販売会社 ~日冷食品貿易(上海)有限公司の設立 2004年8月、レトルト食品および業務用冷凍食品の中国での販売会社として、日冷食品貿易(上海)有限公司を設立した。当初は需要が顕在化している家庭用スープ市場に向けて、家庭用中華系レトルトスープを導入し、市場が未成熟な業務用冷凍食品にも参入する形での事業展開を計画。併せて、中国国内での「NICHIREI(日冷食品)」ブランドの育成、管理を行うこととした。■名糖運輸と業務・資本提携 2002(平成14)年10月、当社および株式会社日本低温流通と名糖運輸株式会社は、食品物流事業に関して提携するとともに、資本提携※5 を行うことで合意した。 当社グループが強みを持つフローズン温度帯と、名糖運輸が得意とするチルド温度帯を結びつけることで、①共同して全国へ広がる365日24時間対応の低温食品物流ネットワークを確立、②両社の既存インフラを相互に活用することで高品質で低コストの物流サービスを提供、この2つが目的だった。■健康価値創造事業の進展 ニチレイフーズは、栄養やカロリーのバランスが取れた加工食品を提供することにより、ふだんの食事を通じて、さまざまな病気の原因となる肥満の防止に役立つことを主要な事業コンセプトとした「健康価値創造事業」を成長領域として捉えていた。これを踏まえ、2006年4月、株式会社ニチレイフーズ健康価値事業部と株式会社ニチレイフーズダイレクトを設立した。 ニチレイフーズ健康価値事業部は、発売20周年を迎えたアセロラドリンク事業と、栄養バランスが良く、カロリーがコントロールされた成分保証技術を活用したウエルネス食品事業という、ニチレイグループの2つの健康価値を生活者に提案していく目的で設立された。 ニチレイフーズダイレクトは、カロリー調整食品などウエルネス食品を中心に生活者に直接販売する通信販売子会社として設立された。カロリー調整食品「気くばり御膳」など健康ニーズに焦点を当てたウエルネス食品については、WEBサイトや通信販売雑誌などを通じた通信販売を中心に展開してきた。新会社の設立によって顧■低温物流カンパニーの組織再編 低温物流事業は、2000年前後から売上高は伸びているものの、利益面では厳しい状況が続いた。特に地域においては、地場事業者との競合に対応するには、賃金水準を下客との関係をより密接に構築し、事業の一層の拡大が図れるものとした。107※5 名糖運輸は日本低温流通の発行済株式総数の20%に相当する320株を当社から取得。当社は名糖運輸の発行済株式総数の5%に相当する55万株を同社の株主から取得。両社の方向性の違いから、2005年度、資本提携を解消した。現在もシェアNo.1 の「本格炒め炒飯」アセロラ関連商品のマスコット、アセロラちゃん「気くばり御膳」の鶏つくねセット第7章 激しい環境変化に持株会社体制で対応6. 低温物流事業の動向 ─組織再編と新たな事業展開

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