ニチレイ75年史
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■ポジティブリスト制度への対応 食の安全に対する関心の高まりを受け、2006年5月、農産物、水産物、畜産物を含むすべての食品中に含まれる農薬、動物用医薬品、飼料添加物に関する新しい制度「ポジティブリスト制度」が施行された。従来の食品衛生法の規定では、残留基準が設定されていない農薬などが食品から検出されても、基本的に流通の規制がなかったが、同制度の導入により、原則全ての農薬等に残留基準(数値基準がないものも0.01ppmという一律基準)が設定されたほか、輸入検査の状況によっては厚生労働大臣が特定の国■食品安全センターの設置 2002(平成14)年10月、食品安全センター(千葉市美浜区)を設置した。 当社は国内外を問わず、抗生物質、合成抗菌剤、農薬など汚染物質が残留する食品の排除や原料に使用されている食品添加物の確認など、食品メーカーとして安全性を確保していくための情報収集や検査体制の強化に取り組んできた。しかし、特に2000年代初頭は、鶏の合成抗菌剤、エビの抗生物質、中国産冷凍ほうれん草の基準値を上回る残留農薬検出や協和香料事件、フェロシアン化物問題など、食品への安心を脅かす問題が続発した。定し、グループとしての方針を明確にした。 また、大規模地震に備え、従来から行ってきた食料などの備蓄に加えて、2005年度は「ニチレイグループ地震対策マニュアル」「地震対策マニュアルニチレイ東銀座ビル編」を策定した。環境への配慮~環境マネジメント体制の整備 持株会社体制への移行に伴い、グループ全体の環境保全活動を統括・推進するグループ環境保全委員会を設置した。また、多岐にわたる分野の製品・サービスの提供を行っているため、各事業会社にも環境保全委員会を設置した。それぞれの事業活動を熟知する委員が、事業特性に応じた環境対策の立案を進め、実効性の高い環境活動を推進することとした。ニチレイらしい社会貢献の推進~「食」「健康」「運動」等をキーワードとしたさまざまな活動を実践 ニチレイグループは「食」「健康」「運動」等をテーマに、ニチレイらしい社会貢献活動を実践している。健康を維持する上で欠かせないスポーツを通した支援、食の楽しさ、すばらしさを伝える食育活動、そのほか、地域に根ざしたさまざまな社会貢献活動も積極的に行っている(詳しくは110ページを参照)。 そのため、当社は品質保証力強化を急ぎ、信頼感の醸成に努めていくことを喫緊の課題とし、次の4項目を狙いとした食品安全センターを設置することとした。① 検査能力の拡大と安全性に関する情報収集② 遺伝子組み換え物質やアレルゲン検査への対応など検査項目の拡大③ 国内外の委託生産先を含む生産工場への指導、支援体制の確立④ 組織基盤の強化および要員のスキル向上と要員数の増 これに伴い機構改正を行い、品質保証部の検査センターの機能を強化して食品安全センターに改組し、食品安全センターの下に中国分室※2 (山東省)を設けて中国検査拠点とした。当社はこれまでも現地の集荷業者を通じて安全管理を行ってきたが、栽培方法や農薬管理、トレーサビリティーシステムの構築などを抜本的に見直し、より安全で信頼していただける商品を提供できるような仕組み作りを進めた。強105※2 日本人スタッフの常駐する分室で、山東日冷食品内に設置。2006年10月、後述の錦築(煙台)食品研究開発有限公司にその機能を譲った。食品安全センター中国分室の検査第7章 激しい環境変化に持株会社体制で対応4. 食の安全・安心のために ─品質管理・品質保証の強化

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