ニチレイ75年史
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(1)今日的課題への対応を自主的に推進する意図を明確にし、方針の一部見直しを行う。(2)環境マネジメントシステムの構築を図り、全社的体制作りを行う。具体的には各事業所に「環境管理責任者」、各所管部門に「環境保全推進責任者」を置き、各課題、計画の確実な達成を目指す。また取り組みは環境負荷の状況により事業所を区分けして対応する。(3)ISO14001の認証取得に関しては明確な方針と優先順位づけを行い、目標を設定の上、推進する。(4)環境情報の開示を図り、その取り組みを「環境報告書」として発刊する。 2000年8月には当社初となる2000年版「環境報告書」を発刊した。これまでの取り組みを整理・体系化してきた結果をまとめたもので、報告書には当社の経営理念から導かれた環境方針・取り組みから、実行計画、環境への投資、社会貢献活動などが盛り込まれた。952000年環境報告書第6章 経営刷新に向けた取り組み■廃棄物の減量・再資源化の取り組み 1997年、当社は工場から出る生ごみを炭化するプラントを導入し、燃料や肥料、土壌改良材に再利用するシステムの構築を進めた。技術開発センターでの実験でめどをつけたもので、主要工場に順次、再資源化装置を設置していくこととした。 当社が排出するごみは廃油、水産物・畜産物などの生ごみ、排水処理後の汚泥、各種包装材など年間2万8,000tに上った。廃油は工場のコージェネレーション(熱電併給)システム用燃料に利用していたが、生ごみ、汚泥は処理業者に委託していた。しかし、処理費用の負担が重く、また廃棄物処理法(廃棄物の処理及び清掃に関する法律)の1997年改正により、産業廃棄物の管理や罰則が強化されることから、リサイクルの拡充を迫られていた。 そのため、再資源化と並行してごみ減量への取り組みも加速させた。一連の減量対策に基づき、年間のリサイクル率の改善目標を設定し、ごみ排出量を減らしていくこととした。■環境保全委員会の発足~「環境報告書」の発刊 1999年の機構改正に合わせ、同年7月、当社の環境保全に関する取り組み方針の決定、企画、立案の協議を行う「環境保全委員会」を設置した。同年10月に第1回の委員会を開催し、今後の取り組みについて次のような決議がなされた。8.低温物流事業の動向■佐川急便と保冷品宅配サービス業務分野で提携 1999(平成11)年3月より、佐川急便株式会社が開始した保冷品宅配サービス「飛脚クール便」で業務提携を行った。この分野では既にヤマト運輸が圧倒的なシェアを持ち、日本通運株式会社や郵便局も同様のビジネスを手がけていた。佐川急便は「飛脚クール便」への進出に当たり、他社より低料金で高品質な保冷品宅配ビジネスを企図し、全国に冷蔵倉庫を展開し、かつ株式会社日本低温流通の低温輸送機能を持つ当社をパートナーに選択した。独自に冷蔵倉庫を整備するには500億円超の設備投資が必要とされ、佐川急便にとっても少ない初期費用で成長が見込めるビジネスに参入できるメリットがあった。 同社は企業から企業、企業から個人あての宅配サービスを得意とし、業務提携により生活者までを結ぶ高レベルな輸配送機能が当社の身近に備わることになった。当社は新たなビジネスチャンスにつなげられるよう、グループ全体でバックアップしながら低温物流事業の強力な基盤に育てていくこととした。 なお、当初の取り組みはチルド品に限られたが、産地直送品やギフト商品の生活者への輸配送機能の強化により、9月には一部地域で冷凍品の取り組みを開始し、2000年3月から全国展開した。■「3PL事業」を積極的に推進 2000年11月、当社と株式会社NTTデータ、伊藤忠商事株式会社の3社による、ITを活用したノンアセット型3PL

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