ニチレイ75年史
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■中期3カ年計画「FCプログラムⅡ」の開始 当社は、1990(平成2)年12月に策定した長期経営ビジョン「FCプラン」の実現に向け、5年にわたる中期経営計画「FCプログラム」を推進してきた。中核事業における競争優位性ニチレイの企業経営理念(ミッションステイトメント)〈目指すニチレイの企業像〉 ニチレイは21世紀におけるさらなる発展に向けて、次の企業像を目指す。1. 卓越するマーケティング力と技術力を発揮して世界第一級の品質を実現し、生活者やユーザーに、真に満足をもたらす商品とサービスをワールドワイドに提供し続ける企業〈企業理念〉1. 基本理念「くらしを見つめ、人々に心の満足を提供する」ニチレイは、人々の生活の向上と充実に役立つことを常に心がけ、独自の技術・ノウハウの発揮と関係者との信頼・協力によって、社会から真に求められる価値の創出と提供に取り組み、これを達成することによってお客様に心からご満足をいただくことに自社の社会的存在意義を見出し、これを究めることによって確実に成長してゆく。2. 発想と行動の原点「ひたすら、お客様のために!」 この一言の中に、ニチレイの経営についてのすべての理念が込められているといっても過言ではない。この言葉こそ、私たち(役員・従業員)全員が、発想と行動の原点として常に意識しておきたい、ニチレイの合言葉である。 まず、個々人がセクショナリズムを排し、お客様の視点に立って自己の業務や行動の改革を図り、「自らの行動の品質」を向上させる。 さらに、これを土台に、あくまでも真にお客様のお役に立つことを願って、「組織行動の品質」を高め、お客様から、常に支持され、選択される企業を実現してゆく。3. いかなる時代にあっても、新しいニーズを求めて力強く成長発展を遂げる強固な意志と、スリムで強靭な収益体質を併せ持つ企業4. 環境の変化に迅速・的確に対応でき、必要であればドラスティックな事業改革をためらわない企業5. 働く人々が、自社に誇りと愛情を持ち、明るくいきいきとした職場にあって、大いに能力を発揮している企業6. 関連企業各社がそれぞれに自立を果たしつつ、相互の機能分担と連携により、より大きな相乗効果を発揮しているニチレイ企業集団にあって、力強くリーダーシップを発揮している企業 1996(平成8)年9月、「企業経営理念(ミッションステイトメント)」を制定した。当社は創立以来50年を経て、内外に多くの拠点と関連会社を有し、幅広く事業を展開するようになった。しかし、同時に生産性の向上や損益分岐点比率の引き下げ、財務体質の強化、関連会社の収益基盤の強化など、解決すべきさまざまな課題を抱えることとなった。 企業を取り巻く環境も変化し、企業活動の根本的変革が迫られている状況の中、「私たちニチレイは変わらなければならない」という強い意志の下、経営の根本的な考え方について、取締役会で検討を重ねて策定したのが、企業経営理念だった。その内容は別表のとおりで、今日においてもグループ運営の柱となっている。 さらに事業展開の方針として、「フレッシュクリエーション」という事業コンセプトに基づき、食と物流のネットワークを事業の原点として、広く世界に市場を求め、優れた品質と価値のある商品とサービスを創造し、提供することとした。 それを実現するための課題として、①スリムで強靭な収益体質の構築、②新商品・新事業の開発、③海外事業の展開方針再構築と収益力の強化、④関連企業の収益基盤の強化、の4点を挙げた。また今後の事業展開は、①現事業の強化・深耕と革新、②現事業の強さを活用する海外新市場開拓によるグローバル展開、③現有経営資源を活用する関連新規事業の開発、の3つに集中し、マーケティング力、技術力、情報力の向上により、成果促進を図っていくとした。2. 広く社会から共感と支持の得られる行動姿勢とアイデンティティを持ち、地域の人々とその文化を尊び、これと融け合い、生活者から深い信頼と高いブランド評価をいただける企業87第6章 経営刷新に向けた取り組み1. 今日に至る柱 ─「企業経営理念」の制定2. 資産流動化と業務改善に重点 ─計画その1

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