03F Solution Center Floor インタビュー(3PLで物流を変える)

顧客企業の物流における 全体最適を実現するため 多様なステークホルダーの ニーズを調整して束ねる
3PL部門
株式会社ロジスティクス・ネットワーク 営業開発部 部長 高木暁人

3PL(3rd Party Logistics)とは、物流にかかわる事業者が、顧客企業の物流戦略の企画や物流スキームの構築を顧客企業と共に策定し、それを受託・運営していく事業のこと。

その直接の目的は、お客様の商品をお届けする物流を途絶えさせないよう安定的に運営し続けられる物流を提供することにあります。その為には、物流の効率化や運営品質の向上の提案に加え、CO2削減や労働環境の改善などSDGs推進への取り組みも必要となります。

ニチレイロジグループは、低温食品物流分野において、業界でトップクラスに位置づけられており、お客様が安心安全に食品をお届けできるように、また、より地球環境にやさしい低温物流を追求していくために、3PLサービスを積極的に展開しています。

物流の実現力をベースにした企画提案

ニチレイロジグループにおける3PL事業のもっとも大きな強みは、保管・輸配送の分野で、国内№1の実績とノウハウを蓄積していること。その蓄積があるからこそ、物流の全領域を俯瞰して、個々の顧客企業のロジスティクスの全体最適を実現するため、いろいろな角度からさまざまな種類の提案が可能になります。

「3PL事業の目標は、お客さまの視点から見た物流のありたい姿、最適な姿を提供していくところにあります。ニチレイロジグループは、低温保管・輸配送といった『物流の実現力』が食品物流の世界でトップクラス。その裏付けがあるから、実現力を前提とした提案設計にリアリティーが生まれるのだと思います」

低温食品物流における3PLの取り組みの一つに、複数の顧客企業の物流をまとめる共同配送があります。それぞれの顧客企業が個別に運んでいた商品を同じトラックに積むことで、積載率を上げ、効率化を図る共同配送は、それまで個別に運んでいた各企業を第三者がまとめることで実現し、3PLの主要なソリューションの一つとなっています。また、長年の共同配送運営の経験はニチレイロジグループの3PLの一つの強みとなっています。

難しく繊細な仕事だからこその達成感

ただ3PLの場合、ニチレイロジグループの機能だけがそのまま提案の前提になるわけではありません。なぜなら、顧客企業にとっての全体最適な物流を実現するためには、自社だけではなく、他社にある機能やアセット(倉庫やトラック等の資産)も活用していくことが必要になるからです。

「3PLでお客さまの物流システムを構築する場合、まずは、お客様のニーズを理解し、それを実現する最適なアセットを選択する必要があります。ニチレイロジグループ内のアセットを活用するだけでなく、他社のアセットがより最適であると判断すれば他社を積極的に活用し連携していく。こういった垣根を持たず連携を広げることで、お客様のニーズに最大限応える解を作り上げていくことができるのが、3PL事業で仕事をすることの一つの醍醐味だと感じています」

高木は、アセットを用意し、お客様を誘致することが求められる物流業界において、こうした顧客視点(ニーズ)を起点として自社他社問わず最適なアセットを選択し、提案を進めていくスタイル、いわゆる「マーケットイン」という考えが3PLを進める上で最も重要な考えだと話します。「この意識はすごく大事です。労働人口の減少などに代表されるように、物流業界の環境が厳しくなっている中で、お客様の物流を安定的に維持し続ける。また、環境対策など社会的責任も果たしていく。そのためには競合他社であっても協調すべきところは協調することで全体最適を求めていくという考え方は、今後より一層必要になっていくと思います」そしてこの考え方こそが、ニチレイロジグループが低温物流の3PLでトップを走り続けられる理由ではないか、と高木は言います。

ベースは食品物流を支えるプライド

しかし、マーケットで競合する食品メーカーや流通企業が、ロジスティクスでは共同して同じトラックを使う。あるいは、自社で所有している倉庫や配送部門を使わず、あえて競合する物流企業を選択することもあるマーケットインの3PLは、それが顧客企業における物流の全体最適につながるとしても、さまざまな局面でステークホルダーの利益が対立する繊細な案件です。

「大事なのは、まずはお客さまのニーズですが、ステークホルダー全体のニーズをどれだけ聴きとれるか。また、そこから本質的なニーズを抜き出せるか。ここでアウトプットに差が出てくるのではないかと思います。後は皆さんのニーズをまとめて一つの流れというか、共通のゴールにまとめていく。相当手間も時間もかかる仕事ですけど、苦労が大きい分、ゴールが見えたときは、うれしさも大きいですね。」

その前提にあるのは、創業以来ニチレイロジグループの中に途切れず流れる、食品の物流を支える専門企業としてのプライドと責任です。

「ライフラインとして食品の物流を担っているわけですから、『届ける為にどうするかを考え続ける』という強い責任感が、ニチレイロジグループには、あると感じます。すごくエッセンシャルな仕事であるという意識が高いのだと思います。安全に安心に届ける。そのためには、どんなことがあっても、みんなでなんとかやりきろう、成し遂げようという先人たちから引き継いだイズムみたいなもの、これは私のすごく好きな部分ですね」