アセロラに含まれる機能性成分について

プレスリリース 2004年

平成16年11月5日
報道関係者各位
株式会社ニチレイ
アセロラに含まれる機能性成分について
株式会社ニチレイ(社長・浦野 光人)は、1984年にアセロラを使った商品を発売以来、それぞれの商品に合った果実の品種改良や生産性を高める育種技術など、様々な研究を行ってまいりました。特にアセロラの持つ機能性の研究は、平成11年から農林水産省の指導・助成の下に設立されたニューフード・クリエーション技術研究組合(以下、NFC)にも参加して進めてまいりました。本日NFCから「アセロラに含まれる機能性成分の探索とその利用技術の開発」と題して研究結果発表が行われましたので、その内容とともに、アセロラの機能性成分を活用した事業への展開についてもご説明いたします。
1.NFCでの研究結果
アセロラ果汁にはレモン果汁の約34倍のビタミンCが含まれていることが知られておりますが、今回の研究で新たにアセロラに含まれる機能性の一部を確認いたしました。
(1) ビタミンCの吸収効率
Caco-2細胞という腸管のモデル細胞を用い、ビタミンCの吸収効率を比較したところ、アセロラ果汁の方がビタミンC単体で加えた場合よりも吸収効率が高いことを見出しました。従いまして、アセロラ果汁からビタミンCを摂取した方が体内への吸収が促進されやすい可能性があることが解りました。
(2) アセロラに含まれるポリフェノール
アセロラ果汁にはビタミンC以外にリンゴ酸、果糖、ブドウ糖が含まれておりますが、その他にもアントシアニン類やケルセチン類といったポリフェノールが含まれている事を確認しました。
(3) 血糖値上昇抑制効果
食物中に含まれるデンプンは消化酵素の働きによって、麦芽糖に分解されますが、さらに麦芽糖はマルターゼという酵素の働きでブトウ糖(グルコース)に分解されます。また、砂糖はスクラーゼという酵素の働きでブトウ糖と果糖(フルクトース)に分解されます。アセロラに含まれるアントシアニン類やケルセチン類がマルターゼ、スクラーゼの活性を抑制することが解り、また、Caco-2細胞のグルコースの吸収をアントシアニン類やケルセチン類が抑えることが解りました。さらに、動物を用いた試験で血糖値の上昇を抑制できることが解りました。
2.今後の事業へのインパクト
アセロラ果汁の含有量の高い商品やポリフェノールを強化した商品の開発を進め、アセロラシリーズとしての健康・美容訴求度をさらに高めてまいります。そのため、当社では次のようなテーマの研究にも取り組んでいます。
(1) 美容・美白に関する研究(メラニン色素の生成抑制効果)
(2) 抗酸化を利用した機能性研究
(3) 生活習慣病予防に貢献する食品素材の開発
本年でアセロラ関連商品を発売して20年となりますが、栽培技術・育種技術・収穫技術向上による最終商品に合った高品質なアセロラの安定供給と共に、アセロラの持つ機能性成分の探求とその評価を継続し、これからも生活者の皆様の健康にお役立ていただける商品の開発に努めてまいります。
この件に関するお問合せ先
株式会社ニチレイ
財務・IR広報部/IR広報担当:岡田充功
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