ニチレイが申請の臨床検査方法、中医協で保険適用が了承される

プレスリリース 2002年

PDF(29.7KB)
平成14年12月9日
報道各位
株式会社ニチレイ
ニチレイが申請の臨床検査方法、中医協で保険適用が了承される
11月27日に開催された中央社会保険医療協議会(以下 中医協)総会で、ニチレイ(社長 浦野光人)が申請していた検査キットによる測定項目の保険適用が了承されましたのでお知らせいたします。これにより12月6日使用分より保険が適用されます。
保険適用されるのは、当社の検査キットである“ErbB-2 EIA「ニチレイ」”による血清中、組織抽出液中および乳頭分泌液中ErbB-2タンパク(HER2タンパクと同一物質)の検査項目に対してです。近年、再発転移乳癌の治療薬として脚光をあびている抗体医薬のハーセプチン(中外製薬)は乳癌組織上に発現しているHER2タンパクをターゲットとしています。本検査キットもこの同じHER2タンパクを検出することによって臨床上の診断意義を有しています。

 
検査の有用性は、次のような点が挙げられます。
血清中HER2タンパク測定では過剰発現している患者を対象とした再発乳癌の検出率が既存の腫瘍マーカーに比べ格段に優れている
組織抽出液中HER2タンパク測定では免疫組織染色法に比べ簡便で客観的な結果が得られる
乳頭分泌液中HER2タンパクでは非腫瘤性の早期乳癌の診断が可能である
これらの検査に対しての保険適用が認められたことにより、今後利用の拡大が見込まれます。検査キットの年間売上高につきましては約3億円を見込んでいます。
1.新規測定項目
「血清中HER2タンパク測定」
  血清中のHER2タンパクを測定しHER2過剰発現している乳癌患者の術後のモニターおよび再発乳癌の診断を行う。保険点数は310点
「乳頭分泌液中HER2タンパク測定」
  乳頭分泌液中のHER2タンパクを測定し、非腫瘤性の原発乳癌患者の診断を行う。
保険点数は310点 ※当社では2001年11月、保険適用申請
2.新規測定方法
「HER2タンパク」
  乳癌組織からの組織抽出液中HER2タンパクの測定を行ない、HER2過剰発現の有無を検査する。保険点数は950点 ※当社では2002年9月、保険適用申請
3.該当する弊社商品
血清中、組織抽出液中および乳頭分泌液中HER2タンパク測定用
  販売名:ErbB-2 EIA「ニチレイ」
測定方法:EIA法(酵素免疫測定法)
4.保険適用開始
平成14年12月6日
5.当案件に関する問い合わせ先
当リリースについて…株式会社ニチレイ 広報IR室 03-3248-2235
弊社製品について …株式会社ニチレイ バイオサイエンス事業部 03-3248-2208
  https://www.nichirei.co.jp/bio/index.html
以上
【用語解説】
ErbB-2タンパクとHER2タンパクについて
ErbB-2タンパク(アーブビーツーと発音)とは癌遺伝子c-erbB-2の遺伝子産物である蛋白質のこと。この遺伝子とそのタンパクは別の研究のグループによっても別個に同時期に発見され、そのグループによって HER2 タンパク(ハーツーと発音) とも名付けられている。なお名前のc-erbB-2の由来は、トリ赤芽球症(avian er ythro b lastosis)を生じさせる癌遺伝子Aと B 型のうち、B型の遺伝子配列と相同性のあるヒト細胞( c )の遺伝子配列として発見された 2 番目のものであるため、c-erbB-2と命名されたことによる。