ニチレイグループの新中期経営計画“energy 2012” (2010年度〜2012年度)

IRニュース 2010年

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平成22年5月11日
各  位
 
  会 社 名
代 表 者 名
本社所在地
コード番号
上場取引所
株式会社 ニチレイ
代表取締役社長 村 井 利 彰
東京都中央区築地六丁目19番20号
2871
東京、大阪(市場第一部)
ニチレイグループの新中期経営計画“energy 2012”(2010年度〜2012年度)
株式会社ニチレイ(代表取締役社長:村井 利彰)は、2010年度から2012年度にかけてのグループ中期経営計画“energy 2012”を策定いたしました。ニチレイグループは、ステークホルダーの皆様の期待に応えるために、本計画では従業員の「活力」をベースに事業活動を推進し、事業ビジョン達成に向けて計画を力強く実行することで今後の持続的成長につなげる、という意志を込めて“energy 2012”と命名しました。
I. 前中期経営計画(2007年度〜2009年度)の振り返り
当社は、前中期経営計画を「攻めと挑戦」の期間と位置付け、改善された財務体質を背景に、事業活動から生み出されるキャッシュフローを成長分野への投資に優先的に振り向け収益基盤の拡大を図りました。
加工食品事業におけるタイでのチキン加工品工場の建設、低温物流事業における冷蔵倉庫・物流センターのスクラップアンドビルド等の大型設備投資は、今期以降順次収益へ貢献する予定です。水産事業についても再生プランが奏効し、黒字化を果たしました。
しかしながら前中期経営計画期間には、想定をはるかに超える原材料価格の上昇に加え、2008年秋以降の世界同時不況に起因する需要減退と低価格化、為替変動等激変する環境の影響を受けましたが、特に加工食品事業においてこれら環境の変化への対応が遅れ、目標数値には大きく届かない結果となりました。

<前中期経営計画最終年度(2009年度)の結果と計画比>
  計画 実績 計画比
売上高 5,331億円 4,381億円 ▲949億円
営業利益 226億円 168億円 ▲57億円
経常利益 208億円 154億円 ▲53億円
当期純利益 114億円 90億円 ▲23億円
 
II. 新中期経営計画(2010年度〜2012年度)の概要
新中期経営計画期間においては、厳しい事業環境の継続が予想される中、足元の状況を見つめなおし、事業戦略の着実な遂行とスピーディな環境対応を通じて、持続的な利益成長へつなげることを基本的なコンセプトとしています。特に計画期間の前半においては、加工食品事業の回復に注力します。後半では前中期経営計画期間で行った積極的な設備投資の成果を着実にあげるとともに、海外市場の開拓を含め、各事業領域でのNo.1の地位を確立するための施策を打っていきます。

<2012年度 グループ全体の計画数値>
項目 目標数値
売上高 4,868億円
営業利益 188億円
経常利益 171億円
当期純利益 93億円
ROE 7%

<2012年度 セグメント別売上高・営業利益>
セグメント 売上高 営業利益
加工食品 1,800億円 60億円
水産 710億円 12億円
畜産 900億円 9億円
低温物流 1,578億円 82億円
不動産 61億円 26億円
その他 73億円 3億円
全社 61億円 13億円
消去 ▲315億円 ▲17億円
合計 4,868億円 188億円
 
1. 全体戦略
収益力を向上させ、適正な経営資源の配分により持続的なグループの成長を実現する。
事業活動から創出されるキャッシュフローについては、ニチレイグループのコア事業である加工食品事業と低温物流事業の事業基盤拡充のための投資を継続する。
成長機会を迅速に捉え、基幹事業会社の自立的成長を推進する。
後述の2.セグメント別の事業計画を参照
「食の安全・安定」という価値の提供を通じて社会からの信頼を獲得する。
グループの品質保証力をグローバルに強化し、ニチレイブランドの信頼性向上と拡販に繋げる。
世界の食料資源の安定的な調達に努める。
経営品質の更なる向上に取り組み、グループ競争力の源泉を強化する。
コーポレートガバナンスの強化、働きがいのある組織風土作りの推進、ニチレイグループらしい社会貢献の実現など、企業の社会的責任を積極的に果たしていく。
環境保護と企業の持続的発展の両立を目指し、温室効果ガス削減を中心とした環境・資源保護に配慮した製品・サービスの開発・提供に取り組む。
新規技術に関する情報収集分析力を強化し、グループの持続的成長に向けた新規ビジネスモデル創出に繋げる。
資本政策の一環として自己株式取得を検討する。
本計画後半にはフリーキャッシュフローの増大も織り込めることから、資本の効率性向上のため、当面15百万株(発行済み株式総数の約5%)程度の自己株式取得を検討する。
配当方針に関しては従来どおり、連結株主資本配当率(DOE)2.5%、連結配当性向25%を目標とする。
退職給付制度を再構築する。
将来的な財務上のリスク低減と安定的な従業員給付を実現するため、グループの退職給付制度の再構築(確定拠出年金と前払退職手当の併用制度への移行)を検討する。
2010年3月末では未認識数理計算上の差異および未認識過去勤務債務が合計で60億円ある。
2. セグメント別の事業計画
  (1)加工食品事業(ニチレイフーズ)
主力のチキン加工品においては、既存の生産体制に加え、タイの新工場の稼動により品質・価格・物量ともに安定した供給体制を作り上げ、業界内での圧倒的なポジションを確立する。
米飯、食肉加工品、春巻、コロッケといった主要商品では、高品質な素材の調達力を活かし、魅力ある商品投入を行うことにより、カテゴリーNo.1を確実なものにする。
農産加工品については、競争力のある商品への集中を行うとともに、新技術による商品開発に取り組む。
中国国内での事業に加え、タイやブラジルの生産拠点を起点にしたグローバル市場開拓を進めていく。
健康価値事業については、対象市場の絞込みとシニアの健康サポートサービスに集中し、収益の改善を図る。
アセロラ原料事業の売上を欧州を中核とした海外市場へ拡大し、世界シェア40%を目指す。
継続的なコスト圧縮の実施

(2)水産・畜産事業(ニチレイフレッシュ)
刷新した営業体制で顧客要望への迅速な対応を行い、市場の求める品質を重視した商品開発を強化する。
加工度を上げた魅力ある商品の開発を強化し、中食市場での販売拡大を図る(水産事業)
「こだわり素材」における川上領域での事業強化を図る。(畜産事業)
新興国を中心とした海外販売を強化する。また、グローバルな品質保証力も強化していく。
資源の調達ルートの変化に基づき、海外拠点の再編を行う。

(3)低温物流事業(ニチレイロジグループ)
東扇島物流センター(川崎市)等の大型拠点新設を契機とした顧客開拓を進め、顧客基盤を拡充する。(地域保管事業)
地場荷物の開拓を継続し、グループの配送能力を活用して顧客の全国への事業展開を支援する。(地域保管事業)
車両活用や調達基盤見直しによる価格競争力を実現する。(物流ネットワーク事業)
顧客要望の高いチルド・常温領域にも事業を拡大する。(物流ネットワーク事業)
欧州事業においては、現地持株会社機能の強化、新規取得するフランスの低温物流企業の活用、ポーランド新センターでの顧客基盤拡大を図る。
中国事業においては第二センターの早期建設を図る。

(4)不動産事業(ニチレイ)
2011年に主要物件の賃貸契約が終了するのに備え、グループ各社との連携により、閉鎖拠点跡地などの有効利用を図り、グループ収益を下支えする。

(5)その他
1. バイオサイエンス事業(ニチレイバイオサイエンス)
主力の培地製品の販売拡大、組織染色分野での機械据え置き販売モデルの推進を行う。
新たな機能性素材の上市、探索を継続するとともに、化粧品販売事業の単年度黒字化を目指す。
2. シェアードサービス(ニチレイプロサーヴ)
グループ企業の円滑な事業活動と成長をサポートするための人材育成と配置を行う。
 
III. 本件のお問合せ先
株式会社ニチレイ 広報IR部 03-3248-2235

以上